公開日:2022/08/09
更新日:2023/01/16
合同会社とは、株式会社、合名会社、合資会社に並ぶ日本における会社の形態の一つです。合同会社の歴史は新しく、2006年に会社設立を定める会社法が施行された際に、新たな会社の形態として設けられました。
合同会社と株式会社の違い
合同会社と株式会社の大きな違いは、経営と出資の関係性です。株式会社では出資者となる株主は経営に携わることはありません。一方、合同会社は出資者が経営者でもあるのです。
利益配分も会社の形態によって違いがあります。株式会社では出資額に応じて利益を割り当てます。一方、合同会社では出資額に関係なく配当率を決めることができ、会社の貢献に応じて利益を配当するなどが可能です。
決算については、株式会社では毎年、財務情報を開示する決算公告の義務があります。合同会社はその必要はありません。
社員全員の同意があれば、合同会社から株式会社へと組織変更することもできます。
合同会社、合資会社、合名会社の違い
合同会社は経営と所有が一致する持分会社に分類されます。持分会社には他に「合資会社」と「合名会社」と呼ばれるものがあります。合同会社、合資会社、合名会社の違いを見てみましょう。
合資会社は会社設立の際に、社員が2名以上必要です。社員は会社の債務に対して無制限に責任を負う無限責任社員と、会社の債務に対して出資額までの責任を負う有限責任社員がそれぞれ1名以上必要です。
合名会社は社員が1名でも会社を設立できます。ただし社員は無制限責任社員で構成されます。
合同会社は同じく社員が1名でも会社を設立することができますが、社員は有限責任社員で構成されます。
合同会社の代表役員と社員について
合同会社は出資者が社員となります。その中でも代表権を持つ社員が、合同会社では代表社員と呼ばれ、株式会社での代表取締役社長にあたります。
合同会社の設立方法と設立費用
合同会社の設立方法は次の通りです。
1、会社の名称である商号や、事業を行う所在地として本店(一般に本社のこと)の所在地などを決めます。
2、登記に必要となる会社の印章を用意します。
3、会社の組織や運営方法を記載した定款を作成します。
4、1円以上の資本金を出資します。
5、本店の所在地の管轄法務局で登記申請を行います。
費用が発生するのは、定款の作成と法務局での設立登記の申請です。定款には定款用収入印紙代で4万円が必要です(電子定款では不要)。登記の申請には、資本金の0.7%、またはこの額が6万円に満たない場合は6万円の登録免許税を支払います。最低でも10万円の費用が必要です。
【関連サイト】
法務省|「合同会社の設立手続について」
合同会社を設立するメリットとデメリット
合同会社のメリットは、株式会社と比べて設立費用が安く済むことです。社員は有限責任社員のため、出資した以上の金額は責任を問われません。事業が大きくなった場合には、株式会社に会社の形態を変えることも可能です。
合同会社のデメリットは、その歴史が浅いため、認知度が低い点です。出資割合の議決権や配当率を自由に設定できることから、議決や配当を巡って社員間のトラブルが起きることがあります。また、株式会社のように株式を発行して広く出資を求めることもできません。
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合同会社に関するよくある質問
合同会社とは何ですか?
合同会社とは、2006年に会社法で定められた会社の形態です。社員は出資者であり、出資と経営が一体となっています。会社の債務に対して出資額内で責任を負う有限責任社員から構成されています。会社設立が株式会社に比べて安価であるため、多くの合同会社が設立されるようになりました。
合同会社の資本金はいくら必要ですか?
2006年の会社法で合同会社の設立が認められるまで、株式会社で1,000万円以上、有限会社で300万円以上の資本金が必要でした。しかし合同会社は1円以上の資本金で設立できるようになり、会社設立の障壁が低くなっています。
合同会社と株式会社の違いは何ですか?
株式会社では出資者となる株主が経営に携わることはありません。そのため経営陣と会社の所有が分離しています。一方で合同会社では出資者が社員であるため、経営と所有が一体となっています。合同会社は株式会社のように、株式を発行して広く出資を募ることはできません。
合同会社/合資会社/合名会社の違いは何ですか?
いずれも経営と所有が一体となる持分会社となります。しかし合同会社では有限責任社員から構成されます。合名会社は無限責任社員から構成されます。合資会社は、有限責任社員が1名以上、無限責任社員1名以上必要となるため、会社設立に最低2名の社員が必要です。
合同会社と個人事業主の違いは何ですか?
合同会社は社員が一人であっても会社であるため法人となります。個人事業主は法人を設立せず、税務署に事業開始を申請した場合が当てはまります。また法人には法人税などが、個人事業主には所得税など課せられ、課税も異なります。
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