近年、スーパーやコンビニなどで目にすることが増えた「セルフレジ」。お客さま自身が商品をスキャンし、支払いを完了させるこのシステムは、レジ業務の効率化を実現し、店舗運営に大きなメリットをもたらしています。。本記事では、セルフレジの仕組みやメリット、デメリットを詳しく解説し、これからの店舗にとって重要な選択肢としてのセルフレジについて考えていきます。
目次
- セルフレジとは
・ セルフレジの概要と導入すべき理由 - セルフレジの種類
・フルセルフレジ
・ セミセルフレジ
・ 小売店と飲食店のセルフレジは違う - セルフレジ導入のメリット
・キャッシュレス決済を導入しやすい
・ 支払いのミスが減る
・会計時間の短縮につながる
・ 店員の人数を減らせる - セルフレジ導入のデメリット
・ レジ導入のコストがかかる
・ 利用客への対応が必要になる
・ 精算忘れや万引きのリスクがある
・ 支払機の設置スペースが必要 - フルセルフレジ・セミセルフレジの使い方
・ フルセルフレジの手順
・ セミセルフレジの手順 - まとめ
セルフレジとは
セルフレジとは、お客さま自身が精算作業のすべてまたは一部を行うレジシステムです。近年スーパーマーケットやコンビニエンスストアの一部でセルフレジの導入が進み、利用したことがある、セルフレジをあえて選んでいるという人もいることでしょう。2023年のスーパーマーケット年次統計調査報告書によれば、セルフレジをは3割、セミセルフレジは8割弱の企業が導入しており、どちらも増加傾向が続いているとのことです。
セルフレジの概要と導入すべき理由
セルフレジは「無人レジ」や「自動精算機」、「自動レジ」と呼ばれることもありますが、どれもお客さま自身がレジを操作し、支払いを完了させるシステムのことを指しています。
セルフレジを導入することで、店舗運営の負担を軽減できます。人手不足が深刻化する中で、少ない店員数で店舗の営業が続けられること、人件費を削減できることからセルフレジに期待が集まっています。
セルフレジの種類
セルフレジというと、一般的には商品バーコードの読み取りから支払いまでのプロセスすべてをお客さま自身が行う「フルセルフレジ」を指しますが、厳密にはフルセルフレジのほかに「セミセルフレジ」というタイプのセルフレジも存在します。
フルセルフレジ
フルセルフレジは、商品スキャンから支払いまでを顧客がすべて行うタイプのセフルレジです。特徴は、顧客自身が自分のペースで自由に操作できる点です。
セミセルフレジ
セミセルフレジは、店員が商品をスキャンし、支払いの部分だけを顧客にまかせるタイプのレジです。セミセルフレジは、フルセルフレジと比べて導入コストが低く抑えられるうえに、顧客と店員との接点を一定程度保つことができます。
小売店と飲食店のセルフレジは違う
セルフレジというと、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売店向けというイメージが強いですが、飲食店でも導入が進んでいます。飲食店でのセルフレジの歴史は実は長く、ラーメン店などに設置されている食券の券売機もいわばセルフレジの一つです。これに加えて、インターネットを利用した事前注文と前払いによるテイクアウトや、飲食後にバーコードやQRコードを利用してお客さま自身で会計を行うシステムも普及しつつあります。
セルフレジ導入のメリット
混雑の緩和や人手不足に効果を発揮するセルフレジ。導入するメリットを具体的に見ていきましょう。
キャッシュレス決済を導入しやすい
セルフレジは、現金のほか、クレジットカードや電子マネーなどさまざまなキャッシュレス決済に対応しているものが多いため、セルフレジの導入に合わせて一気に主要なキャッシュレス決済手段に対応できます。
支払いのミスが減る
レジでは、提示された金額をキャッシュレス決済や現金で支払います。現金払いの場合、人手による処理では釣り銭の数え間違いなどが発生する可能性がありますが、セルフレジなら硬貨や貨幣を正確に処理・管理できます。
会計時間の短縮につながる
店員がレジ業務を担う店舗では、会計業務はレジを操作できる店員が担当することになるため、混雑時にはレジに長い列ができることも少なくありません。セミセルフレジでは依然店員による処理が必要ですが、フルセルフレジではレジの台数さえ確保できれば、お客さまが自分で会計処理をできるので混雑の解消につながります
店員の人数を減らせる
セルフレジの運用が軌道にのり、お客さまがシステムを使い慣れてくると、会計処理をお客さまに任せられるようになり、人手を削減できます。日本では高齢化が進み、生産年齢人口が減少傾向にあります。このような中、人手不足の影響はすでに社会に現れています。少ない人数で営業を行う店舗も少なくありません。フルセルフレジやセミセルフレジを導入して、レジ業務の全部または一部をお客さまに任せられれば、人手不足の影響を緩和できます。
セルフレジ導入のデメリット
セルフレジを導入しても、すべての課題が解決されるわけではありません。ここでは導入にあたって知っておきたいことを説明します。
レジ導入のコストがかかる
フルセルフレジでもセミセルフレジでも、導入にあたってはコストがかかります。レジ本体に設置工事費やソフトウェアのライセンス費なども加えると、1台あたり数百万円の費用がかかることもあります。複数台設置したい場合は、多額の出費を覚悟しなければなりません。初期費用を抑えたい場合はレンタルやリースを検討するのも一つの手です。
利用客への対応が必要になる
セルフレジはさまざまなお客さまを想定して操作しやすく作られていますが、初めて使う端末に戸惑うお客さまがいるのも確かです。操作に困ったお客さまが店員を呼び出すなど、かえって人手が必要になり、レジが混雑する可能性があります。セルフレジの導入直後は過度に効果を期待せず、効果が出るまでに時間がかかることを知っておくと、余裕を持って対応できるでしょう。
また、障害のあるお客さまにはセルフレジの操作が難しいこともあります。困っているお客さまがいたらすぐにサポートに駆けつけるなど、迅速な対応ができる仕組み作りも必要です。
精算忘れや万引きのリスクがある
セルフレジの導入によって、お客さまから受け取った金額を間違えたり、釣り銭を渡し間違えたりといったミスは減らせますが、商品のバーコードをスキャンし忘れるお客さまや、同じ商品を重複してスキャンするお客さまが出てくる可能性があります。
また、悪意のない精算忘れに加えて、意図的に商品のバーコードをスキャンしない、または、セルフレジで精算せずに商品を持ち去る万引きにも注意が必要です。お客さまを疑わずに店舗を運営できるにこしたことはなく、今後テクノロジーによって精算忘れや万引きの防止に対処できることが期待されます。
セルフレジの設置スペースが必要
セルフレジの中には卓上の比較的小型のものもありますが、それでも少なからず店舗のスペースを占有します。複数台設置したい場合は、慎重に設置スペースを検討する必要があります。
Square導入のご相談は営業チームに
Squareサービスの導入を検討中のお客さまに、営業チームが導入から利用開始までサポートします。イベントでの利用や、複数店舗での一括導入など、お気軽にご相談ください。
フルセルフレジ・セミセルフレジの使い方
フルセルフレジの手順
フルセルフレジによるお会計は以下の手順で進めます。
- 商品のバーコードを読み取る:商品のバーコードをスキャンするか、レジ画面から選択します
- 購入商品・金額を確認する:スキャン漏れがないかどうかを確認します
- 支払い方法を選ぶ:現金、クレジットカード、QRコードなど、支払い方法を選びます
- 支払いをした後、レシートを受け取る:レシートが出力されるので、受け取ります
店舗によっては、会員カード・会員アプリをスキャンしたり、ポイントを貯めるかどうかを選択したりといったステップが挟まることがあります。多くのセルフレジでは文字や音声で操作手順を案内してくれるので、案内に従って進めていけばスムーズに精算できるでしょう。
セミセルフレジの手順
セミセルフレジによるお会計は以下の手順で進めます。
- 店員が商品をスキャンし、支払い金額を提示する:店員が商品を一つひとつスキャンし、合計金額をお客さまに伝えます
- 利用客がセミセルフレジで支払い方法を選ぶ:現金、クレジットカード、電子マネーなど、支払い方法を選びます
- 支払いをした後、レシートを受け取る:レシートが出力されるので、受け取ります
セミセルフレジは支払いの部分だけをお客さまが担うので、操作に戸惑うことも少なく、比較的スムーズに導入できると考えられます。
まとめ
セルフレジは、店舗運営を効率化し、お客さまにも高い利便性を提供できるシステムです。フルセルフレジやセミセルフレジなど、種類によって導入コストや顧客体験に違いがありますが、いずれにせよ混雑解消や人手不足対策に有効です。しかし、多額のコストがかかることから、導入に躊躇しているという店舗も多いでしょう。こうした店舗におすすめなのが、オーダーから精算までできるSquare キオスクです。低コストで導入できるので、検討してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2022年1月10日時点の情報を参照しています。2025年4月18日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash