アパレルブランドの立ち上げは、自分のスタイルや理念を表現する絶好の機会です。しかし、単にアイデアをかたちにするだけではなく、事業として成功させるためには慎重な準備と戦略が求められます。幸いなことに、アパレルブランドを始めるのに特別な資格は必要ありませんが、業界特有の知識や経験があると、よりスムーズに進められるでしょう。本記事では、アパレルブランドを立ち上げる際に押さえておくべき基本的なポイントとステップを解説します。
目次
- アパレルブランド立ち上げには何が必要?
・必要な資格はない
・ファッション関係のスキルや経験は有利
・実店舗は必須ではない
・開業資金の準備 - アパレルブランド立ち上げの流れ
・ブランドのコンセプトを設定する
・資金を準備する
・開業届や商標登録などの手続きをする
・販売を開始する - アパレルブランドの販売方法
・ネットショップを開く
・フリマやイベントに出店する
・実店舗を構える - 開業資金はどう準備する?
・自己資金を貯める
・金融機関の融資を受ける
・クラウドファンディングを使う
・自治体などの助成金・補助金を活用する - Squareでアパレルブランド立ち上げを成功させよう
・無料でネットショップが始められる
・Square リンク決済ならオンライン販売はもっと簡単
・実店舗に必須!キャッシュレス決済も低コストで導入できる - まとめ
アパレルブランド立ち上げには何が必要?
アパレルブランドを立ち上げるには、資格や免許は必要ありません。一方で、ファッション関係のスキルや経験は有利に働きます。一つずつ見ていきましょう。
必要な資格はない
アパレルブランドをはじめるのに特別な資格や免許は求められません。ただし、生産や仕入れに関して法規制を理解しておくと安心です。特に海外からの輸入品を扱う場合は通関手続きや関税などの知識が必要になります。合わせて、在庫管理のポイントや販売計画の立案などは事前に学んでおくと失敗を減らせます。必要な専門技術や販売スキルは実践を通して習得できるので、最初から完璧を求めずに補いながら成長する姿勢が重要になるでしょう。
ファッション関係のスキルや経験は有利
服飾デザインやパターンメイキング、トレンドの洞察などの知識、販売の実務経験などがあると強みになります。アパレル業界は流行の移り変わりが早いため、常にトレンドを把握して商品改良や提案を行う力が求められます。実務で得たノウハウを生かせば、コスト管理や品質向上にも対応しやすくなります。知識や経験不足でも学びながら成長は可能ですが、スタート時点で知識があるとスムーズに商品づくりへ進められます。
実店舗は必須ではない
ブランドとしての認知を高めるには必ずしも店舗を構える必要はありません。オンラインショップやSNSを活用すれば、場所を選ばずに多くの人に商品を見てもらえます。コストを抑えつつはじめられるため、初期投資を大幅に抑えられるのが利点です。一方で実物に触れてもらう機会を設けたい場合は、イベント出店やポップアップストアなどを利用することになります。オンラインとオフラインを組み合わせるハイブリッド型も可能で、どちらに重きを置くかは目指す方向と資金状況で変わります。
開業資金の準備
アパレルブランドを立ち上げる際には、生産コストや仕入れ費用、販売に関わる経費などを考慮して資金を準備する必要があります。商品が売れるまでの運転資金や広告費も確保しておくと安心です。自己資金や融資、クラウドファンディングなど資金調達手段を検討し、早めに動くと安定したスタートを切れます。
アパレルブランド立ち上げの流れ
アパレルブランドを立ち上げるおおまかな流れを説明します。順序を把握しておけば、大きな見落としを防ぎつつ、目指すブランド像に向かって着実に進められます。
ブランドのコンセプトを設定する
ブランド名やロゴ、ターゲット層、オリジナル商品の有無など、ブランドの方向性を丁寧に検討します。エシカルファッションに特化するのか、カジュアルな日常着を中心にするのかなど、ブランドに特徴があると差別化しやすいでしょう。オリジナル商品の有無もブランドの個性を左右し、差別化を図るための象徴になります。コンセプトが一旦明確になれば、価格設定やプロモーション方針も自ずと考えやすくなります。
資金を準備する
ブランドをはじめる前に、どの程度の資金が必要になるか綿密に試算します。商品の企画、仕入れ、生産にかかる費用だけでなく、在庫を保管するための費用やマーケティング費用、発送費用などもまとめておきます。自分の貯蓄だけで不足する場合は、融資や助成金などを活用することも検討します。小規模なビジネスからスタートして在庫を必要最小限に抑えながら、売り上げが増えたタイミングで拡大する方法もあります。
開業届や商標登録などの手続きをする
個人事業主か法人かを選択し、個人事業主なら開業届を提出し、法人なら登記申請します。名前やロゴを守るためには商標登録も検討しておくと安心です。のちにトラブルが起きる可能性を減らすために、権利関係はきちんと整理しておきましょう。
販売を開始する
手続きや商品準備が整ったらいよいよ販売に移ります。SNSや広告を活用してオープンを告知し、ターゲット層にアピールすると効果的です。合わせて、限定セールやキャンペーンを用意すると、初期段階での売上獲得や認知度向上につながるでしょう。
早い段階で顧客の反応を迅速につかみ、今後の商品展開やプロモーションにフィードバックを反映させることも重要です。開始直後の印象が、その後のブランドイメージを左右するといえます。
アパレルブランドの販売方法
アパレルブランドを売り出す方法として、ネットショップによるオンライン販売や、フリマアプリやイベントへの出店など、多彩な選択肢があります。個々の特徴を理解して使い分けると、集客効果を高めやすいです。
ネットショップを開く
ネットショップは比較的低コストで開業でき、運営もしやすい方法です。プラットフォームを選ぶ際は、決済方法や商品の登録のしやすさなどを考慮します。特にSEO対策やSNS連携がうまく行くと、多くの人の目に触れる機会が増え、売上向上につながりやすいでしょう。
ネットショップでは顧客や売り上げのデータを分析しながら改善し、成果を数値化して次の戦略に生かしていきます。多言語対応や海外発送が可能であれば、市場がさらに広がるでしょう。顧客からの問い合わせには迅速かつ丁寧に対応し、信頼を獲得することが継続的な売り上げに結びつきます。
フリマやイベントに出店する
フリマやイベントへの出店は、店舗を構えずに多くの人と直接触れ合える機会です。実物を見てもらえるため、質感やサイズ感を正確に伝えられ、オンライン販売だけでは得られないリアルな意見を収集できます。出店費用は比較的低めであることが多く、ビジネス規模に合わせて挑戦しやすいのもメリットです。人との交流を通じてブランドイメージを直接伝えられ、リピーターを増やすきっかけにもなります。
実店舗を構える
実店舗を自分のコンセプトに合わせて作り上げることで、ブランドの世界観を直接表現できます。お客さまが試着したり、生地感やサイズ感を直接確認ができたりするのは実店舗の大きな強みで、購入ハードルを下げることにつながります。インテリアやBGM、スタッフの制服などの演出も、理想の世界観を表現するうえで役立ちます。物件の家賃や光熱費、スタッフの人件費などコストはかかりますが、その分ブランドの世界観を体感してもらう価値は大きいでしょう。
開業資金はどう準備する?
開業に必要な資金はブランドのコンセプトや規模によって異なります。どの手段を選ぶか検討する際は、返済計画や今後のキャッシュフローを見据えることが大切です。経営の安定を図るために早い段階での資金計画に取り組みましょう。
自己資金を貯める
自力で自己資金を貯める場合、低リスクで着実にスタートできます。利息や審査の負担がなく、返済義務も発生しません。時間がかかるというデメリットはあるものの、しっかりと資金を蓄える過程でビジネスに対する覚悟や計画性が高まりやすいといえます。出費を見直したり、別の収入源を確保したりしながら、開業準備を進めると安心でしょう。負担を最小限に抑えつつ、堅実にブランドをスタートしたい人に向いています。
金融機関の融資を受ける
銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受ける場合、審査を通過するためにしっかりとした事業計画書の作成が求められます。資金の返済計画や見込まれる収益、マーケティング戦略を明確に示すことで、融資を受けられる可能性が高まるでしょう。
まとまった資金を一度に確保できる一方で、利息負担や返済スケジュールが生じるため、初期の販売動向を慎重に見極めながら経営する必要があります。開業前の融資が難しい場合は、実績を積んだ後に融資を受ける方法もあります。
クラウドファンディングを使う
アパレルブランドのコンセプトやストーリーに魅力があれば、クラウドファンディングを通じて資金と同時に支援者を集められます。プロジェクト内容がSNSやメディアを通して拡散することで、早期にブランドを知ってもらえる利点もあります。短期間で目標金額を集める場合は、PR活動を集中的に行う必要があります。
自治体などの助成金・補助金を活用する
新規事業や地域振興を目的とした助成金・補助金制度を利用すると、自己負担を軽減できます。自治体によっては創業支援や女性起業家向けなど、条件に応じた制度が整備されていることがあります。申請には書類の提出や審査が必要ですが、採択されれば開業費用の一部をカバーできるため、資金面での負担が大きく減ります。また、台東区デザイナーズビレッジなどファッション分野での起業を支援する施設を自治体が運営している場合もあります。こうした施設を利用することもコストを削減する方法の一つです。
Squareでアパレルブランド立ち上げを成功させよう
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Square リンク決済ならオンライン販売はもっと簡単
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まとめ
アパレルブランドを成功させるためには、資金やコンセプト、販売方法など多角的な視点を持って準備する必要があります。ターゲットにしっかり訴求できる商品とブランドイメージを描き、オンライン・オフラインそれぞれの特徴を生かした販売戦略が求められます。新しいビジョンをかたちにする準備が整ったら、実際に行動を起こして理想のブランドを築き上げてみましょう。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2025年4月17日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash