フィットネスジムや英会話教室など、毎月同じ金額を徴収するサービスを展開する事業者にとって便利なのが、予約システムの月額課金機能です。
予約システム上で毎月決まった金額をお客様から徴収でき、予約管理のみならず、売上管理の簡略化にもつながります。この記事では、予約システムの月額課金機能を利用するメリットや決済手数料、導入にあたっての注意点を解説します。
目次
- 予約システムの月額課金機能とは?
- 予約システムの月額課金機能を導入するメリット
- 予約システムの月額課金を導入するデメリット
- 予約システム上の月額課金導入時の注意点
- 月額課金機能のある予約システムとその手数料
・Square 予約
・STORES 予約
・RESERVA
・SelectType
・FreeLesson
予約システムの月額課金機能とは?
課金の方法は主に3種類あります。お客様が商品やサービスを購入する度に支払いを行う都度課金、コンテンツ配信サービスなど継続的なサービスの購入に適した継続課金、そして月会費などを徴収するのに適している月額課金です。
近年さまざまな業態で利用されている予約システムの中には、月額課金機能を提供しているサービスもあります。
月額課金に適した業種
月額課金機能の導入に適した業種としては、主に以下のものが考えられます。
- フィットネスジム
- ヨガ教室
- 英会話スクール
- 料理教室
- オンラインサロン
- 貸会議室
- 学習塾
予約システムの月額課金機能を導入するメリット
予約システムの月額課金機能を導入するメリットには、主に以下のようなことが挙げられます。
継続的な売り上げが期待できる
一度手続きをすれば、あとは毎月自動で課金が行われます。期日までに指定の口座に振り込んだり、受付に現金を持っていったりなど、支払いに伴うお客様の負担が少なく、事業者にとっても継続的な売り上げが期待できます。
予約管理と会費管理が一元化できる
紙の予約台帳に予約情報を記入して、現金で月謝を受け取っている場合、予約管理と売上管理が別々になり、管理業務が煩雑になりがちです。予約システムの月額課金機能を活用することで、ネット上で予約受付と会費徴収が同時に行われます。情報が一元化され、管理業務が簡略化されます。
会費徴収業務を効率化できる
月会費の徴収を、現金や口座振替で行っている事業者も多くいることでしょう。現金の場合は未納のリスクが高くなりがちなこと、口座振替の場合は初期の手続きに時間がかかるなどのデメリットがあります。クレジットカードを利用した月額課金も決済代行サービスによる審査が必要です。審査にかかる日数はサービスによってばらつきがありますが、Squareの決済サービスなら、カードブランドによっては最短で申し込み当日に審査が完了します。
売上管理が効率化できる
クレジットカードを利用した月額課金であれば、決済代行サービスの入金サイクルに従って売上金額が入金されます。また、受け取った現金を金庫で保管したり、金融機関に入金をしに行ったりなど、キャッシュレス決済なら現金管理にまつわる手間も省けるので、売上管理にかかる負担を軽減することができます。
お客様の利便性が向上する
クレジットカードを一度登録すれば、毎月決まった金額が徴収されるので、お客様にとっての負担も少なくなります。また、クレジットカード保有者を対象とした調査によると、保有者の8割が「ポイントを意識している」と回答しています。ポイントやマイルを貯めるために、積極的にクレジットカードによる月額課金を利用したいというお客様もいるでしょう。
参考:クレジットカード利用者の8割以上が意識している「ポイント」、いつ何に使ってる?(株式会社GV)
予約システムの月額課金を導入するデメリット
事業者にもお客様にとっても便利な月額課金ですが、デメリットとしてどのようなことがあるのでしょうか。
決済手数料が必要
予約システムの月額課金機能では、基本的にお客様の持っているクレジットカードに課金を行います。クレジットカードを含むキャッシュレス決済では、決済手数料が発生します。詳しくは後述しますが、決済手数料はサービスによっても異なります。
導入費用や月額利用料が必要な場合も
決済手数料の他には、導入費、月々の利用料がかかるサービスもあります。また、店舗でもキャッシュレス決済を導入したいという場合は、決済端末の購入費用がかかる場合もあります。月額課金機能の導入時には、各サービスの初期費用、月額利用料、決済手数料、そして提供している決済端末の価格も合わせて検討するとよいでしょう。
予約システム上の月額課金導入時の注意点
予約システムで月額課金機能を導入するにあたっては、どのようなことに注意したらいいのでしょうか。三つのポイントを解説します。
セキュリティーに配慮する
お客様のクレジットカード情報など重要な個人情報を扱うことになるため、セキュリティーは最重要項目です。万が一、顧客情報などが漏洩した場合は、お客様に迷惑がかかるだけでなく、店舗やサービスの信用も失いかねません。決済代行サービスを選ぶ際には、クレジットカード業界のセキュリティー基準である「PCI DSS」に準拠しているかどうかを参考にしましょう。「PCI DSS」には四つのレベルがあり、キャッシュレス決済サービスを展開するSquareは最高レベルであるレベル1に準拠しています。
お客様にとってのメリットを示す
月額課金の導入によって、支払手続きが簡素化されるなど、お客様側のメリットを示すことも必要でしょう。また、たとえばヨガレッスンなどで都度課金と月額課金の両方を採用しているような場合は、月額課金にお得感を持たせるなどの工夫が考えられます。
柔軟な料金体系を検討する
たとえば「週1回のレッスンを月に4回」で月額制としているような場合、お客様の中にはもっとレッスンを受けたいと思う人もいるかもしれません。お客様のニーズに合わせて、複数の月額料金を用意したり、月額課金の定額制と都度課金の併用を可能にしたりするなど、柔軟な料金体系の検討も必要でしょう。
月額課金機能のある予約システムとその手数料
予約システムのうち、月額課金の機能が利用できるものと、各社の決済手数料を紹介します。
対象業種 | 決済手数料 | 対応しているカード | 入金サイクル | |
Square 予約 | 各業種 | 3.75% | Visa/Mastercard/ American Express/JCB/Diners Club/Discover/JCB | 最短翌営業日 |
STORES 予約 | 各業種 | 4.9 %+99円(1件あたり) | Visa/ Mastercard/ American Express | 翌月25日(25日が土日祝日の場合には翌営業日) |
RESERVA | 各業種 | 4.9% | Visa/Mastercard/American Express /JCB/Diners Club | 月末締め、翌月末 |
SelectType | 各業種 | 無料プラン:5.6% | Visa/Mastercard/ American Express/Diners Club/Discover/JCB | 4営業日前までに処理された売上が、毎週選択した曜日に入金。ただし、JCB、Diners Club、Discoverは、30日後に入金。 |
FreeLesson | スクール | ベーシックプラン:3.0%(Visa/Mastercard) 3.6%(American Express/Diners Club/Discover/JCB) | Visa/Mastercard/ American Express/Diners Club/Discover/JCB | 月末締め、翌月末 |
Square 予約
幅広い業種・業態に対応しているSquare 予約(は、無料で導入でき、月額課金にも対応しています。予約と同時に利用料金の支払いを済ませる事前決済の決済手数料は3.6%、月額課金の決済手数料は3.75%と、ほかのサービスと比べてリーズナブルです。事前決済でも月額課金でも、入金は最短で翌営業日で、振込手数料が無料なのも大きなメリットです。
STORES 予約
180を超える業種に対応しているSTORES 予約は、決済手数料の4.9%に加えて1件あたり99円の手数料がかかります。無料プランでも、クレジットカードへの月額課金、事前決済、顧客管理などの機能を利用することができます。有料プランでは、メルマガやダイレクトメールの配信、レビュー受付設定などの機能があります。
RESERVA
RESERVAは、シンプルな操作性が特徴の予約システムです。月額課金の機能を利用するには、レゼルバペイメントの申し込みが必要です。決済手数料は、カードブランドに関わらず、一律4.9%です。毎月1日にお客様が登録したクレジットカードから引き落とされます。
SelectType
SelectTypeは、フィットネス、飲食店、医療施設、美容などさまざまな業種に対応している予約システムで、決済サービスStripeを利用してのオンライン決済が可能です。利用にあたっては、Stripeのアカウントを作成し、SelectTypeアカウントと連携する必要があります。決済手数料は、無料プランで5.6%、月額1,650円(税込)のベーシックプランで4.9%です。
FreeLesson
FreeLessonは、スクールに特化した予約システムです。1カ月無料のトライアルプランはありますが、基本的には有料のサービスとなっており、初期費用で132,000円、月額利用料が33,000円必要です。月謝徴収などのクレジットカード決済にはPAY.JPとの契約が別途必要となります。PAY.JPの決済手数料はプランとカードブランドによって異なり、クレジット決済金額が250万円以下の事業者向けのベーシックプランではVisa、Mastercardは3.0%、American Express、Diners Club、Discover、JCBは3.6%となります。
予約システムの月額課金機能は、お客様の利便性を高め、なおかつ売上管理の効率化も図ることができ、事業者の負担を減らす便利な機能です。月会費制や月謝制のサービスを展開している事業者は、ぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。
予約管理はSquare 予約で
Squareの予約管理は無料から導入でき、事前決済はもちろん、有料プランの場合はキャンセル料も取れるので、ノーショー対策もできます。専用アプリでも、お使いのブラウザでも、場所を問わず、どこでも予約の状況を確認、調整できます。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2022年4月6日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に一部情報を更新しています。
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