美容室にとって、ビジネスの成功の鍵となるのが「リピーターをどれだけ多く獲得できるか」ではないでしょうか。この記事では、リピーターを増やすための顧客管理方法とお客様カルテの作り方について紹介します。
目次
- 美容室の顧客管理とは
- お客様カルテを作るメリット
・コミュニケーションがスムーズになる
・お客様のニーズや美容室の改善点がわかる
・再来店を促すことができる - お客様カルテの作り方
・紙で管理
・アプリで管理
・予約システムで管理 - お客様カルテに入力すべき項目
・個人情報
・髪質
・体質
・好み
・施術内容 - よいお客様カルテを作るポイント
・お客様の情報を詳細に記録する
・カウンセリングや施術内容を詳しく記録する
・アフターカウンセリングの内容を記録する
・お客様のリクエストを記録する
美容室の顧客管理とは
美容室でリピーター獲得の肝となるのが、顧客管理です。カルテにお客様の氏名や年齢、生年月日、住所などの基本的な情報から、施術内容、髪質、ヘアスタイルの好みなどの情報までを記入して管理しておけば、適切なタイミングで再来店を促すダイレクトメールを郵送、もしくはEメールで送ることができたり、施術時などの会話に生かしたりできます。
お客様カルテを作るメリット
一人ひとりのお客様の情報をカルテとして管理するメリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。
コミュニケーションがスムーズになる
カルテから名前や住所、施術履歴、ヘアスタイルに関する希望などを把握することができ、施術の際の会話に生かすことができます。再来店のお客様には前回の施術内容の感想を聞いたり、別のメニューの提案をしたりすることも可能です。また、お客様の情報をスタッフ間で共有することで、どの美容師が担当になってもお客様とのコミュニケーションを円滑に進めることができます。お客様としても、何度も同じことを説明する必要がないため、お店に対する好感度アップにもつながります。
お客様のニーズや美容室の改善点がわかる
アンケート付きのカルテ入力をお願いしている美容室であれば、アンケート結果からお客様の求めていることを把握することができます。また、お客様との会話などから得たニーズや美容室へのリクエストなどを、カルテに入力してスタッフ間で共有することで、よりよい美容室の運営につなげることができるかもしれません。
再来店を促すことができる
カルテに記載された施術履歴や個人情報から、前回の施術からの適切な時期を見計らって再来店を促したり、キャンペーンの情報を送ったり、誕生日のお祝いメッセージを送ったりすることが可能です。お客様のメールアドレスや携帯電話番号があれば、ダイレクトメールをメールやSMSで送ることもできるので、郵送のダイレクトメールに比べて安価に販促活動が行えます。
お客様カルテの作り方
お客様カルテの作り方は、主に三つの方法が挙げられます。
紙で管理
ワードやエクセルなどで氏名記入欄などを作ってプリントアウトし、お客様に記入してもらったものをファイリングして管理します。カルテのテンプレートがダウンロードできるサイトを利用してもいいかもしれません。お客様の数が増えてくると書類も増えるので、個人情報を含む書類を安全かつ長期間保管できる場所の確保が必要になるのはデメリットといえるでしょう。
アプリで管理
美容室に特化したカルテアプリや顧客管理アプリもあります。タブレットなどでカルテ入力ができるので、ペーパーレス化ができ、データで情報管理を行いたい美容室には便利でしょう。カルテアプリの中には、髪のうねり具合など文章で記録しづらいことをイラストで描いて記録できたり、写真で記録できたりするものもあります。
予約システムで管理
予約システムの中には、顧客管理ができるサービスもあります。お客様がスマートフォンやパソコンからオンライン予約をした際、予約時に入力した情報をそのまま反映させることができるので、来店時のカルテ入力などが不要になります。電話予約や飛び込みのお客様には紙やタブレットなどで初回のカルテ記入をお願いし、後からスタッフの手で顧客管理のデータを入力する必要がありますが、予約管理と顧客管理が同じシステムの中で行えるので、これから予約システムを導入しようと考えている美容室は、顧客管理の機能がついているものを選ぶとよいでしょう。
お客様カルテに入力すべき項目
お客様カルテを作成する際には、どのような項目を設定すればいいのでしょうか。
個人情報
氏名、電話番号、メールアドレスなどの個人情報は必須項目ですが、詳細な個人情報を求められることに抵抗感を覚えるお客様もいます。ホームページにプライバシーポリシーを掲載したり、お客様に記載をお願いするときに個人情報の取り扱いについて説明したりするなど、細心の注意を払って個人情報を扱っていることを伝えるようにしましょう。
髪質
お客様の髪質は美容室にとっては重要な情報です。たとえば「猫っ毛でパーマがかかりづらい」「クセが強く、縮毛矯正パーマがすぐに取れてしまう」という情報を記録しておけば、前回と違う美容師が施術を担当する場合に役立ちます。また、お客様の髪質を生かしたヘアスタイルやヘアケアの提案を行うことも可能になるでしょう。
体質
お客様の中にはアレルギーを持っている人もいます。アレルギーに関しては、施術前に聞き取りを行なって、使用する薬剤の中にお客様のアレルゲンになるようなものが入っていないかを確認する必要があります。また、「シャンプーの際の首が辛い、気分が悪くなる」というお客様も少なからずいるので、適宜対応できるよう聞き取りを行うとよいでしょう。
好み
お客様のヘアスタイルに関する好みやライフスタイルについても、施術時の会話などから引き出しておくとよいでしょう。また、来店時の服装の雰囲気や髪型などについてもメモを残しておくと、再来店してくれたお客様に対していろいろな提案が行えるようになるかもしれません。
施術内容
お客様が来店時にどんな施術をオーダーしたのか、以下の項目を記録しましょう。
- どんなヘアスタイルにしたのか
- 今後のヘアスタイルのプラン
- 使用した薬剤の名前
- お客様の感想
同じ長さを維持したいお客様やパーマをかけたお客様などは、次回の施術のタイミングが把握しやすいので、ダイレクトメールなどで再来店を促すことができます。
よいお客様カルテを作るポイント
お客様に再び選んでもらえる美容室になるためにも、よりよいお客様カルテの作成は必須です。ここでは、よいカルテを作成するためのポイントを紹介します。
お客様の情報を詳細に記録する
お客様カルテ作成の目的は、お客様に満足のいく施術を受けてもらい、再来店につなげることです。そのために、上記で紹介した「お客様カルテに入力すべき項目」はなるべく詳細に記入することを心がけましょう。会話の内容も記録しておけば、次回来店時の会話のきっかけを作ることができます。たとえば「前回お話しされていた映画を私も見ました」などと話しかけられれば、お客様は「会話を憶えていてくれた」と喜んでくれるかもしれません。
カウンセリングや施術内容を詳しく記録する
カウンセリングでは、お客様の髪質や髪の悩み、希望するスタイルなどを聞き取ります。また、「職業柄ヘアカラーはできない」「忙しいので、なるべく手のかからない髪型がよい」など、お客様のライフスタイルによってはさまざまな制約もあるため、カウンセリング時に聞き取った内容は詳しく記録しておくとよいでしょう。
また、どんなヘアスタイルに仕上げたのか、使用した薬剤などもあわせて記録しましょう。お客様の中には「前回と同じで」とオーダーする人もいるかもしれません。その時に「前回の内容がわからない」となると、お客様の気分を害することもあるでしょう。
アフターカウンセリングの内容を記録する
アフターカウンセリングでは、スタイリングの最後にお客様の感想を聞き、スタイリングのアドバイスや次回に向けた提案を行います。
- 今回の施術内容の感想
- 自宅での再現方法とコツ
- 次回以降のヘアスタイルの提案
- 次回の予約時期の提案
アフターカウンセリングの内容を記録しておくことで、再来店時の施術に役立ちます。
お客様のリクエストを記録する
新規来店のお客様に対しては
- 美容室を変更した理由
- 美容室を選ぶ基準は何か
- 美容室ではどう過ごしたいか
などのリクエスト項目を聞き取り、お客様カルテに記録するといいでしょう。たとえば「美容室では雑誌を読んで静かに施術を受けたい」と思っているお客様に対して、必要以上に話しかけてしまうと、再来店してもらえなくなることも考えられます。お客様と美容室側のミスマッチを防ぐためにも、リクエスト項目のお客様カルテへの記入は必須といえます。
お客様の情報を記録し、適切に利用することで売り上げのアップにもつなげることができる顧客管理。美容室であれば、予約システムと一緒に利用できるものが便利です。
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*執筆は2022年5月2日時点の情報を参照しています。2022年5月10日に一部情報を更新しています。
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