現金管理にかかるコストや手間について考えてみませんか

現金は取引ごとの手数料がかからない決済手法ですが、実は管理には多くのコストや手間が隠れています。今回は、現金管理にまつわるコストについて説明し、改善策を紹介します。

現金は本当に便利でオトク?

政府・民間企業ともにキャッシュレス決済の普及を推進していますが、2016年時点で日本のキャッシュレス比率は2割ほどで、現金が主要な決済手段のようです。世界を見渡してみると、ドイツは日本以上にキャッシュレスの比率が低いです。

参考:キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識(経済産業省)

現金が好まれる背景には、目に見えるかたちでお金がやりとりされるため信用できるという心理が事業者側にもお客様側にもあると考えられます。また、使い過ぎの心配から現金を好む人もいるでしょう。さらに、現金決済では外部に支払う手数料がかからずお得である、すぐに現金が手元に入り資金繰りの面で安心だと考える経営者も少なくないようです。

しかし、今一度現金について考え直してみると、必ずしも現金が安心・便利だというわけではないようです。Squareが日本の中小規模事業者および消費者を対象に実施した「現金のコスト意識とキャッシュレスに関する調査」では、現金の集計や銀行への入金に年間147時間を割いていることがわかりました。人件費に換算すると日本全体で約8,861億円にのぼります。

では実際に現金を扱うことでどのようなコストや手間がかかるのでしょうか?業務や経営への影響と合わせて具体的に見てみましょう。

現金管理による業務や経営への影響

alt text

目の前に現物があることから「現金は信用がおける」と考える経営者も少なくありません。一方、目に見える物理的な存在であるがゆえ、盗難にあってしまったら最後です。手元に置いている間は厳重な盗難対策が必要になり、安全に管理するためには銀行口座に入金しなければなりません。銀行口座に入金するには、少なくない現金を銀行まで持ち運ぶ必要があります。盗難対策費用や現金を扱うための人件費がかかる上、盗難にあわないか心配しながら現金を保管したり持ち運んだりするのは大きな心理的なコストとなるでしょう。

また、現金のやりとりは自動的にデータとして残らないため、情報を管理する手間がかかることも考慮しておかなければいけません。クレジットカードなどの支払いと同時にデジタルな情報が残る決済手段であれば、履歴がシステムに残り、情報は機械的に処理できるため経理作業の負担が減ります。一方で現金を扱う場合は手入力によるデータ管理といった作業に手間がかかる上、人の手による作業にはミスがつきものです。最終的には税理士などプロに処理を依頼にするにしても、お客様から渡された現金をレジに入力するのは現場の従業員です。

さらに、金銭的・心理的なコストだけでなく、ただでさえ人手不足が深刻な現在、現金管理に時間を割いていては他の業務に時間を割けなくなってしまうという問題もあります。

そのほか、特定業種になりますが、食料品を扱う小売店や飲食店、理容や美容に関わる業種では、衛生面から不特定多数の人の手を経た現金に触れる回数は極力減らしたいというニーズもあるでしょう。

このように、一見便利に見える現金ですが、扱いにはさまざまなコストが隠れています。現金管理にかかるコストや手間はクレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済の導入によって改善が期待できます。クレジットカードの導入を例に、具体的にどのような改善を期待できるのか見てみましょう。

SquareのPOSレジなら高機能なのにずっと0円

キャッシュレス決済、在庫管理、顧客管理、スタッフ管理など、店舗に必要な機能をすべて搭載

改善のアイデア

alt text

現金管理にかかるコストをなくすには現金を扱わないのが一番です。物理的に現金が盗まれる心配がなくなりますし、デジタルな情報が残る決済手段を導入することで経理作業の負担も減ります。

実現的な方法として、クレジットカード決済の導入があります。とはいっても一気に明日からクレジットカードのみにするというわけにはいかないでしょう。まずはクレジットカードでの支払いを受け付けるところから始めてみてはいかがでしょうか。現金を使わない決済の扱いに慣れながら、徐々に現金決済の量を減らす中で、メリットを感じられるはずです。

クレジットカード決済を導入するというと、決済端末や情報を管理するシステムに多額の初期コストがかかり、さらに人材の教育、運用コストもかかるのではと心配になるかもしれません。ひと昔前まではそうでしたが、現在はSquareをはじめ、スマートフォンやタブレットに小型のカードリーダーをつけてクレジットカードでの支払いを受け付けられるサービスが普及し、コストを抑えてすぐにクレジットカード決済を導入できるようになりました。Squareの場合、連動するPOSレジシステムを利用すれば、クレジットカードと並行してこれまで決済手段として受け付けていた現金を取り扱い、同時にデータの管理もできます。

資金繰りについても心配はありません。Squareでは最短で翌営業日に入金されます。目の前ですぐに受け取れる現金の方が入金を早く感じられるかもしれませんが、業務終了後または翌日銀行に入金しにいくことを考えると、銀行口座に入金されるまでのスピードは大きく変わりません。さらに現金を銀行まで持っていく手間、盗難の心配などがなく、どちらが安心かは一目瞭然です。

クレジットカード決済には現金管理にかかるコストや手間を減らす以外のメリットもあります。クレジットカードでの決済を受け付けていれば、たまたま現金を持ち合わせていなかったお客様もカードさえあれば商品やサービスを購入できます。高額の支払いをするお客様は現金ではなくクレジットカードでの支払いを好むでしょう。Squareの調査によると、クレジットカードでの支払いができず購入を諦めた経験があるお客様は22.9%にものぼります。クレジットカード決済を導入することで、販売機会の損失を抑え、売り上げを増やせるでしょう。

前述のSquareの調査では、お客様の好む決済方法について、経営者と従業員では認識にギャップがあることがわかりました。クレジットカードでの支払いについて、従業員の54.8%が「お客さまが好む支払い方法」とし、経営者の39.1%との間に開きがありました。経営者が考えている以上にお客様は実はクレジットカードでの決済を求めているようです。

クレジットカード決済を導入すると、現金管理にかかるコストや手間を減らしながら、売り上げの増加にもつながる可能性があります。これまで導入を迷っていたという経営者はこの記事をきっかけに導入を検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事

【豪州発】現金にかかる膨大な時間
軽減税率対応するなら、Square POSレジ

執筆は2018年12月26日時点の情報を参照しています。
当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いせん。
Photography provided by, Unsplash