2017年度は44年ぶりに有効求人倍率が高水準になりました。求職者にとっては明るい状況である一方、企業は賃金上昇や人手不足などの課題を抱えています。
特に、飲食店では7割を超える企業が非正社員の人手不足を感じているようです。
参考:人手不足に対する企業の動向調査(2018年4月)(帝国データバンク)
そのような中、飲食店で外国人アルバイトスタッフを目にすることが多い人もいるのではないでしょうか。
今回は、飲食店で外国人アルバイトスタッフを採用する際のポイントについて説明します。
飲食店が外国人アルバイトスタッフを採用するメリット
飲食店が外国人アルバイトスタッフを採用するメリットは、ただ単に人手不足を補えるというだけではありません。実際に、どのようなメリットがあるのかを紹介します。
インバウンド対策
2020年東京大会を2年後に控え、外国人観光客は年々増加しています。政府は、2020年の訪日外国人観光客を4,000万人にすることを目標に掲げています。
このような流れの中、飲食店にも多くの外国人観光客が訪れることが予想されるため、メニューの外国語表記や外国語での接客対応などの対策が不可欠といえるでしょう。外国人アルバイトスタッフの語学力を活かせるため、インバウンド対策にもつながります。
職場の活性化
さまざまな文化や習慣をもつスタッフが一緒に働くことで、職場の活性化が期待できます。新たなメニューのアイデアが出てきたり、スタッフ同士のコミュニケーションの見直しができたりするかもしれません。
外国人アルバイトスタッフを採用する際に確認すべきこと
外国人アルバイトスタッフを採用する際に確認すべきことを説明します。
在留資格の確認
来日している外国人は基本的に在留資格を証明する「在留カード」を持っています。在留資格を持たない人の採用は法令違反となるため、採用時には必ず確認するようにしましょう。在留資格にはいくつか種類があり、種類によっては就労ができない場合があります。就労可能な場合は、在留カードの裏面に資格外活動許可欄に「許可」と記載されています。
・永住者、定住者、日本人の配偶者や永住者の配偶者など
就労制限はなく、職業や労働時間などに制限はありません。
・留学生、家族滞在
地方入国管理局で「資格外活動許可申請」の許可を得られれば、1週間の就労時間の合計が28時間までなら就労可能です。留学生に限って、在籍する教育機関が夏休みなどの長期休業期間中は1日8時間までの就労が可能です。中には、複数のアルバイトを掛け持ちしている留学生がいるかもしれません。就労時間の合計が上限を超えた場合は罰則の対象となるので、必ず確認するようにしましょう。
・短期滞在、研修、文化活動
原則として就労することができません。
在留資格についての詳細は、厚生労働省のウェブサイトをご確認ください。
参考:外国人の方を雇い入れる際には、就労が認められるかどうかを確認してください。(厚生労働省)
労働条件を明示
在留資格で就労可能であることを確認し、採用を決めたら、採用者に対して労働条件を明示する必要があります。事前に労働条件を記した書類を作成しておき、本人に目を通してもらい、不明点がないように丁寧に説明を行います。
労働条件として主に、次の点を記載します。
・業務内容
・労働契約の期間
・始業時間や終業時間、休憩時間、休日
・所定労働時間を超える労働の有無
・就業場所
・時給
・雇用保険の適用
厚生労働省の「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」を参考にすることで、記載漏れがなく作成することが可能です。
採用後のミスマッチや早期離職を防ぐためにも、しっかりと対応しましょう。
労働契約書の署名
労働条件について採用者の理解を得られたら、労働契約書への署名にステップを進めます。労働条件を踏まえた労働契約書を作成しておきましょう。
労働契約を結んだら、採用した外国人アルバイトスタッフの氏名や在留資格、在留期間などを職業安定所(ハローワーク)に届け出る必要があります。
参考:「外国人雇用状況の届出」は、全ての事業主の義務であり、外国人の雇入れの場合はもちろん、離職の際にも必要です!(厚生労働省)
コミュニケーションの取り方
採用後に気をつけたいことは、外国人アルバイトスタッフとのコミュニケーションです。中には、日本語が得意ではないスタッフもいるでしょう。ここでは、外国人アルバイトスタッフとのコミュニケーションのヒントを紹介します。
積極的に話しかける
日本でのアルバイトに慣れていないスタッフの中には、自分から積極的にお客様や同僚に話しかけられない人もいるかもしれません。職場に馴染めず、疎外感を抱かないようにするためにも、最初は積極的に話しかけるようにしましょう。コミュニケーションをとることによって、信頼関係が構築されるだけでなく、スタッフの接客能力の向上にもつながります。
母国語のマニュアルを用意しておく
特定の国出身のスタッフが多い場合、仕事内容をスムーズに教えるためにも、母国語に翻訳したマニュアルを用意しておくこともひとつの方法です。母国語のマニュアルがあれば、休憩時間や帰宅後に仕事内容の復習をすることも可能です。すでにいるスタッフの協力を得て作成してみてはいかがでしょうか。
また、日本語での注文をスムーズに受けるために、Square POSレジをを活用する方法もあります。POSレジなら、メニューの写真を選ぶだけで注文を受けることができるため、日本語に不安があるスタッフでもスムーズな対応が可能です。ぜひ導入を検討してみてください。
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執筆は2018年8月6日時点の情報を参照しています。
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