在庫管理を効率化!ABC分析のまとめ

ビジネスをする上で、在庫管理はどのように行なっていますか。「どの商品も在庫が無くなりそうになったら補充する」というルールでしょうか。もしくは「注力していない商品に関しては、在庫が無くなってもすぐには補充しない」など独自のルールがあるかもしれません。以前、在庫管理の具体的な方法を紹介しましたが、今回は在庫管理をより効率的に行う方法を紹介します。

在庫管理の方法は、個人の経験や勘で行うこともあるかもしれません。しかし、長く広くビジネスを展開していくことを考えている場合、体系的な分析方法を活用した在庫管理を検討してはいかがでしょうか。分析方法はさまざまですが、今回はABC分析について紹介します。複数の商品を展開している場合、ABC分析を取り入れることで注力すべき商品がわかり、経営判断の材料となるでしょう。

ABC分析

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ABC分析とは重点分析とも呼ばれ、全商品を一律に管理するのではなく、重要度に応じてABCに分類し管理する方法です。重要度別に分類することで、商品内容の変更や価格、仕入れの見直しなどに活用することができます。ABC分析は在庫管理の他に品質管理や顧客管理などにも用いられます。

具体例

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ABC分析を使った在庫管理について、具体的に紹介します。今回は、売上額を重視するパターンです。他にも販売個数など、重視する指標は状況に応じて変更することができます。

売上データを用意する

まず、商品別の売上データを用意しましょう。売上データはさまざまな方法で用意することができます。たとえばSquare POSレジまたはSquare リテールPOSレジをご利用の場合は、Square データから簡単に売上データを入手することが可能です。

構成割合を出す

今回は売上額を主軸にした分析ですので、分析したい期間を定めて売上金額が高い順に商品を並べましょう。次に各商品の構成割合を計算します。構成割合とは、各商品の売り上げが売り上げ全体のどのくらいの割合を占めているかを示した数字です。構成割合は次の式で求めることができます。

対象商品の売上金額 ÷ 全商品の売上金額 × 100 = 構成割合

分類する

各商品の構成割合を用いて、累積売上割合で以下のように分類します。累積売上割合とは、商品を構成割合の高い順に並べ、上位から売上割合を足したものです。

グループA: 累積売上割合7割までの商品
グループB: 累積売上割合7割〜9割の商品
グループC: 累積売上割合9割〜10割の商品

グループAに属する商品は、全体の売り上げへの貢献度が高い商品となり、売上高を指標とする分析では重視すべき商品ということができるでしょう。全体の売り上げに影響するグループAの商品は、品切れにならないよう在庫管理をし、さらに売り上げを伸ばすようにします。もしくは、現状の売上高を維持させた状態で他の商品の販促に力を入れることも考えられます。一方、優先度の低いグループCの商品は仕入れ数を減らすなどの調整を検討したり、どのようにすれば売り上げを伸ばすことができるかを重点的に考えたりすることができます。

Square POSレジを使えば、登録した商品の在庫数がリアルタイムで確認できる在庫管理機能をご利用いただけます。在庫情報を毎日メールでお知らせしますので、売れ筋商品を切らす可能性も低くなります。

このように売り上げの重要度別にカテゴリー分けし、注力するものとしないものを見える化する方法がABC分析の考え方です。「この商品、なんとなく売れている気がする」という曖昧さを数値化することによって、経営判断材料とすることができます。

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注意点

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ABC分析で見落としがちな特徴を3つ紹介します。

一過性の商品

一過性の商品がグループAに含まれている場合は注意しましょう。一過性の商品とは、特別割引やメディアで取り上げられたことなどによって、一定期間だけ売り上げが好調なものです。たとえば、テレビの健康情報番組で「寒天が健康に良い」と紹介されると、次の日にはスーパーの寒天が売り切れていたり、反対に在庫を増やして寒天特設コーナーが設けられたりします。このように一時的に売り上げの増加が発生する場合もあります。同じ商品の過去の売り上げも確認し、在庫過多にならないよう調整しましょう。

商品同士の関連性

商品同士の関連性にも注目しましょう。グループAに含まれる商品とグループCに含まれる商品の関連性が高いとします。グループCの商品の在庫が無いと、グループAの売り上げに悪影響を及ぼす可能性があります。たとえば、化粧品を取り扱っているお店で、グループAに日焼け止めクリーム、グループCにが専用のクレンジングオイルがランクインしているとします。日焼け止めを購入しようとしたお客様は、専用のクレンジングオイルが無い場合、他のお店に行ってしまうかもしれません。このように商品ごとに関連性がある場合は、グループA、B、Cのランクだけで在庫調整を判断することは難しいといえるでしょう。

単一的な分析

今回、売り上げ高を指標にABC分析を具体的に説明しました。グループAに属する商品も、利益率で並べるとグループBになる可能性があります。実際の在庫管理を行う際には、一つの指標だけでなくさまざまな指標を使って分析するようにしましょう。

分析方法の一つとしてABC分析を紹介しましたが、ABC分析は万能な方法ではありません。さまざまな分析方法を組み合わせたり、異なる指標を使ったりすることで、どの分析方法が自社の商品やサービスに合っているかじっくり検討することが必要です。また、売り上げへの貢献度の低いグループCに属する商品を商品棚から下ろすのではなく、あえて優先的に販売するなど、自社の販売戦略と合わせて柔軟に対応するようにしましょう。

効率的な在庫管理や顧客管理のためにABC分析を活用してみてかいかがでしょうか。

執筆は2017年9月14日時点の情報を参照しています。2021年6月16日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash