介護に関わるビジネスをまとめて紹介

2018年9月14日に厚生労働省は100歳以上の高齢者が6万9千人に上り、48年連続で増加していることを発表しました。日本では高齢化が進み、介護関連のビジネスに対するニーズは今後ますます高くなっていくものと考えられます。

介護関連ビジネスの種類は多岐にわたります。今回は介護にまつわるビジネスについて紹介していきます。資格や資金の準備はどれくらい必要なのか、利用できる助成金はあるのか、といった点についても説明します。

参考:100歳以上、最多6.9万人=48年連続増、女性が88%-厚労省(2018年9月14日、時事通信社)

介護に関わるビジネスの種類

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まずは、介護に関係しているビジネスにどのようなものがあるのか、種類と簡単な概要について紹介します。

居宅介護支援(ケアマネジメント):自宅で自立した生活が送れるよう、利用者の状況に応じたケアプランをケアマネジャーが作成し、サービス提供事業者と連携をする

訪問介護(ホームヘルプ):ホームヘルパーが利用者の自宅を訪れ、食事や風呂、トイレなど日常生活の介護のほか、掃除や洗濯など生活の支援を行う

訪問入浴:利用者の自宅を訪れ、持参した浴槽を使って入浴の介護を行う

訪問看護:利用者の自宅を看護師などが訪問し、主治医の指示に基づいた血圧や脈拍のチェック、リハビリなどを行う

訪問リハビリ:利用者の自宅を理学療法士や作業療法士が訪問し、各種リハビリを行う

デイサービス(通所介護):利用者がデイサービスセンターなどの介護施設を訪れ、日常生活の支援や生活機能の向上に向けたトレーニングなどを受ける。サービスは日帰りで行われ、自宅と施設との送迎も行われる

デイケア(通所リハビリ):利用者が病院や老人保健施設といったリハビリ施設を訪れ、専門家による各種のリハビリが行われる

療養通所介護:常に看護師の観察が必要な重度の要介護者や末期がん患者を対象としたサービス。利用者のためだけでなく、利用者の家族の負担を軽減するという目的もある。利用者は施設を訪れ、生活機能の向上に向けたトレーニングなどを受ける。サービスは日帰りで行われ、自宅と施設間の送迎も行われる

認知症対応型通所介護:認知症の利用者を対象とした通所介護。利用者はデイサービスセンターなどの施設を訪れ生活機能の向上に向けたトレーニングなどが行われる

小規模多機能型居宅介護:利用者が介護施設に通うことを中心に、訪問や宿泊といった選択肢も用意しながら日常生活の支援やトレーニングを行う。なお、1日あたりの利用者数が決められている

複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護):介護施設に通うことを中心に、訪問や宿泊そして訪問看護のサービスを受けることができる。介護と看護が一体となったサービスを提供する

特別養護老人ホーム:利用者は施設に入居して、日常生活を送る。入居できるのは介護を常に必要としている人であり、家に戻ることができるように日常生活の支援やトレーニングを提供する

介護老人保健施設:自宅で生活できることを目指している人が入所し、リハビリ、医療、介護などのサービスを提供する

有料老人ホーム:利用者の自立した日常生活の実現を目指して、利用者は高齢者に配慮した住居と、日常生活のサポートやトレーニングを提供する

グループホーム:認知症の利用者を対象として専門的なサービスを提供する。利用者は少人数で介護スタッフと一緒に共同生活を送ることになる

福祉用具貸与:指定を受けた企業が利用者の状況に応じて必要な用具を貸し、取り付けや調整を行う

特定福祉用具販売:指定を受けた企業が腰掛便座や簡易浴槽など指定された5つの品目を販売する

介護タクシー:介護が必要な人や障害を持った人をサポートするタクシー

参考:公表されている介護サービスについて(厚生労働省)

以上が介護に関わるビジネスですが、これらはあくまでも一部であり、ほかにもさまざまなビジネスが存在しています。同じように見えて実際は大きく異なるものであるため、それぞれの違いはしっかりと把握しておくようにしましょう。

介護関連ビジネスを開業するには

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前述で紹介したビジネスを実際に始めたい場合、どうすればいいのでしょうか。必要な資格や初期投資、人員などについて紹介します。

資格

介護関連のビジネスの中には資格が必要なものもあります。前述のビジネスの中から3つピックアップして紹介します。また、自治体によって要件が異なるため、今回は横浜市を例に紹介します。

デイサービス
デイサービスを開業するのであれば、「管理者」「生活相談員」「看護職員」「機能訓練指導員」「介護職員」が各1名以上必要となります。

管理者とは、業務の管理を行う人のことですが、特別な資格などは必要ありません。

生活相談員に関しては
・社会福祉法第一九条第一項各号のいずれかに該当する者
・介護福祉士
・介護支援専門員
・介護保険施設または通所系サービス事業所において常勤で2年以上かつ勤務日数が360日以上介護などの業務に従事した者
のいずれかを満たす必要があります。

また、看護職員は看護師か准看護師の資格が必要となります。

機能訓練指導員には
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・看護師
・准看護師
・柔道整復師
・あん摩マッサージ指圧師
のうちどれかの資格が必要となります。

参考:通所介護事業 人員及び設備の基準、申請書類一覧、申請書類作成の留意事項と申請書類チェックリスト(横浜市)

訪問介護
次に訪問介護を開業する場合です。訪問介護に関しては「管理者」が1名、「サービス提供責任者」が1名以上、「訪問介護員」が常勤換算で2.5人以上必要になります。

管理者に関しては先ほどのデイサービス同様特別な資格は必要ありません。

一方で、サービス提供責任者と訪問介護員に関してはいずれも、介護福祉士の資格、もしくは指定された研修を修了するなどの要件を満たす必要があります。

参考:人員及び設備の基準、申請書類一覧、 申請書類作成の留意事項と申請書類チェックリスト、訪問介護編(横浜市 介護事業指導課)

居宅介護支援
居宅介護支援に関しては、「管理者」と「介護支援専門員証の交付を受けた介護支援専門員」の配置が必要です。

参考:平成30年度 運営の手引き、居宅介護支援 (横浜市 介護事業指導課)

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初期投資が必要か

介護関連のビジネスで開業する場合、初期投資に関しては事業の形態によって異なります。たとえば、訪問介護など訪問する形のサービスであれば、小さな事務所でも構わないため、比較的初期投資を抑えることができます。

一方で、利用者が訪れるタイプの介護サービスであれば、施設が必要となるため、それなりの資金が必要になります。

また、事業によって必要な人員も異なります。事業によっては、利用者の数によって必要な人員が定められている場合もあるので、注意しなければいけません。

介護ビジネス関連で申請できる助成金

「介護ビジネスを始めたいが、十分な資金がない」という人もいるかもしれません。介護事業に活用できる助成金について紹介します。

人材確保等支援助成金:介護福祉機器の導入や賃金制度の整備を通して、離職率の低下に取り組む事業主を対象とした助成金

キャリアアップ助成金:非正規雇用者のキャリアアップ促進に向けた取り組みを行う事業主を対象とした助成金

両立支援等助成金:仕事と家庭の両立を支援する取り組みを行う事業主を対象とした助成金

65歳超雇用推進助成金:65歳以上への定年を引き上げや、高年齢者の雇用環境の整備などに取り組む事業主を対象とした助成金

参考:
65歳超雇用推進助成金のご案内
65歳超雇用推進助成金の改正のご案内

介護に関してはさまざまなビジネスが展開されており、必要な人員や資格も異なります。もし、介護ビジネスを始めるのであれば、事業を始める際の条件については事前にしっかりと確認し、必要に応じて助成金を活用するなどしましょう。

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執筆は2018年10月2日時点の情報を参照しています。
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