「商品説明」の書き方でネットショップの売り上げアップ! 6W2Hと注意点とは?

ネットショップの売り上げを大きく左右するものの一つが、商品説明の書き方です。商品説明は、ネットショップの商品画像に添えるだけの文章ではなく、実店舗における接客や買い物体験に相当する価値のあるものとして認識する必要があります。特別なスキルがなくてもできる、効果的な商品説明の書き方を、ネットショップの購入者目線で解き明かしていきましょう。

目次



ネットショップの商品説明の役割

商品説明は、その商品がどのようなものか、買うことでどのような体験が得られるのかをお客様に伝え、お客様の購買行動を促す役目を担っています。商品画像と同じくらいお客様の購買行動に大きく影響するため、数あるネットショップの中からお客様に選んでもらうためには、オリジナリティのある紹介文で商品の魅力を伝える必要があります。

魅力ある商品説明の書き方とは

商品説明を書く上で大切なのは、お客様目線に立つことです。その商品を購入することで、お客様が得られるメリットを最大限に訴求します。詳しいポイントは後述しますが、どのようなお客様に向けての商品なのか、しっかりとターゲットやペルソナを設定したうえで、商品説明を書く必要があります。ここでいうターゲットとは、商品を訴求したいお客様の年代や性別などの属性を指します。ペルソナとは、ターゲットからさらに絞り込んで年齢や居住地、年収や趣味嗜好までを細かく設定したものです。ターゲットやペルソナを設定したら、商品がお客様のどのような課題を解決できるのか、お客様にとってのベネフィットは何か、利用シーンなども合わせて紹介するとよいでしょう。また、魅力ある商品説明は、ある程度の文字数も必要です。優れた商品説明は600文字から1,000文字程度がよいといわれています。

ネットショップの商品説明の比較例

優れた商品説明の書き方を知るために、まずは同じ商品についての二つの商品説明の例を比較してみましょう。ネットショップで商品を選ぶ購入者の目線で、どちらの商品説明を読んだ時により「欲しい」と感じるかが重要です。

  ネットショップA ネットショップB
商品 夏の必須アイテム 綿100%の白無地Tシャツ 夏の必須アイテム 綿100%の白無地Tシャツ
価格 2,800円(税込) 2,800円(税込)
キャッチコピー なめらかな肌ざわり&形崩れしにくいこわだり仕様で毎日着たい定番Tシャツ (なし)
本文 1枚は持っていたい、コーディネートの必須アイテム白Tシャツ。オフィスカジュアルにも休日の普段着にも使える、当店の人気アイテムです。

<着心地の秘密はこだわりのステッチ>
洗濯を重ねたTシャツは、柔らかい質感の生地ほどシルエットが崩れ、襟回りや裾が伸びてだらしない印象になりがち。当アイテムでは、開口部と肩回りに用いた特別なステッチで、形崩れの問題を解決しました。着用時は全く目立たないステッチですが、襟や裾の伸びを防ぎ、きれいなシルエットを長く保ってくれます。
肌に吸い付くような柔らかい生地は、オールシーズン着られる綿100%です。日本のメーカーによるデザインを、中国の提携工場で丁寧に仕上げ、日本国内で検品しています。

<計算しつくされた襟ぐりの広さ>
幅広いコーディネートに欠かせない万能な白Tシャツ。デザインとして特に気になるポイントは、襟ぐりの開き具合です。開きが広すぎても狭すぎても、1枚で着る分には様になるものの、合わせられる服が限られます。

そんな悩みにお答えし、同製品は広すぎず狭すぎず、絶妙な開き具合の襟ぐりがポイント。1枚持っているだけで、カジュアルなジャケットやジーンズ、ワンピース、サロペットなどと合わせて、何通りもの着こなしに役立ちます。

<メンズ 、キッズサイズも展開中>
同素材の白無地Tシャツを、男性、子どもサイズも取り扱い中です。男性用は袖口、襟ぐりともにゆったりめのデザインで、メンズライクな着こなしをしたい女性にも好評です。カップルやファミリーでのペアルックにもどうぞ。

(652文字)
柔らかい生地ですが、伸びにくい作りのTシャツです(中国製)。コーディネート例は写真を参照。メンズ 、キッズサイズも販売中。
素材:綿100%

(63文字)
特記事項 5,000円以上のお買い上げで、期間限定10%オフ(6月30日まで)。 (同ページに記載なし)

ネットショップAとBの例を比較すると、同じアイテムの商品説明であるにもかかわらず、受ける印象は大きく異なります。

ネットショップAの例は、着心地や洗濯後の様子、使用シーンなど、実際に購入した後の状況を想像しやすい要素がふんだんに含まれた商品説明です。一方、ネットショップBの本文は十分な情報量がなく、購入に踏み切りにくい商品説明となっています。

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購入者が知りたい商品説明の「6W2H」とは?

より良い商品説明を書くための最重要事項は、「購入者が何を知りたいか」です。知りたい情報が商品説明として掲載されていれば、納得した上で購入の決断ができます。

購入者が最低限知りたい情報は大きく分けて八つあります。それぞれの英単語の頭文字を取って6W2Hと覚えましょう。上述のネットショップAの商品説明の例を6W2Hに分解し、それぞれに盛り込む情報を確認してみます。

6W2H 盛り込む情報
何が
(What)
商品(特徴、材質、機能、サイズ、色柄など) 夏の必須アイテム 綿100%の白無地Tシャツ
いつ
(When)
商品使用のタイミング、生産時期、旬 仕事のある日でも休日でもオールシーズン使える
どこで
(Where)
商品使用シーン、生産地、流通ルート ・オフィス、自宅、休日の外出先で使える
・日本のメーカーがデザイン、中国の提携工場が生産、日本国内で検品
誰が
(Who)
ショップ、バイヤー、メーカー 当店(ネットショップ)、日本のメーカー、中国の提携工場
なぜ
(Why)
開発秘話、仕入れの背景、商品を選ぶ理由 なめらかな肌ざわり&形崩れしにくいこわだり仕様
どのような/どうやって
(How)
使い方、生産方法、商品企画の過程 ・特別なステッチ、計算しつくされた襟ぐりのデザイン
・カジュアルなジャケットやジーンズ、ワンピース、サロペットなどと合わせて、何通りもの着こなしに役立つ
・カップルやファミリーでのペアルックにも
誰に
(Whom)
ターゲット(ペルソナ) 着心地やデザインにこだわるおしゃれな女性
いくらで
(How much)
価格、割引、特典、決済方法 ・2,800円(税込)
・5,000円以上のお買い上げで、期間限定10%オフ

ネットショップの既存の商品説明を6W2Hに当てはめ、情報不足の項目がある場合は、購入者の知りたい気持ちに応えきれていない可能性があります。商品説明を書く際は上の表を参考に、購入者が何を知りたいかにフォーカスし、1項目ずつ箇条書きで情報を整理するところから始めると良いでしょう。

ネットショップや商品の特性により、一部の項目の情報量が多くなることもあります。たとえば旬の果物や特産品の場合は、特に価値のある「いつ」や「どこで」の情報が多くなると予想されますが、他の項目の情報量でバランスを取り、商品説明全体として読みやすく整えれば問題ありません。

ネットショップの商品説明を書く際の15のポイント

商品説明に6W2Hの情報が含まれていれば、購入者は商品の概要をつかむことができますが、ネットショップの売り上げ向上のためにはそれだけでは十分とはいえません。ただの情報の羅列ではなく売り上げに貢献する文章になるよう、以下の15項目のポイントをふまえたうえで商品説明を書き始めましょう。

1. ターゲットやペルソナの設定

ネットショップのターゲット設定からさらに一歩踏み込んで、商品ごとにペルソナを設定することで、より購買意欲を刺激する商品説明を書くことができます。たとえば30代から40代の会社員の男性向けの靴専門のネットショップで、商品Cについてペルソナを「38歳のITエンジニアで、服にかける予算は月1万円から1万5,000円。共働きの妻と3歳の子どもとの3人暮らし。趣味は腕時計コレクション」と設定し、商品用途を「休日に愛車で家族と共に買い物や食事に行く際に履く靴」と想定します。ここまでペルソナを絞れば、魅力が伝わる商品説明の文体や語彙も自ずと決まってきます。

2. 必要な商品データは詳しく

商品の特性に応じて、詳しく書き込むべき情報の種類は異なります。大容量の健康飲料粉末なら、商品説明には成分や飲みやすさなどの他、コストパフォーマンスもアピールする必要があります。しかし、インテリアとしてもおしゃれなパッケージが売りなら、コストパフォーマンスよりパッケージを優先した商品説明となります。ターゲットやネットショップの方向性によっても、商品説明の中で詳しく書くポイントが異なります。

ターゲットとなる購入者からネットショップへの問い合わせを参考に、商品説明をアップデートすることも効果的です。

3. 商品の価値をキャッチコピーに

記事冒頭のネットショップAの例のように、キャッチコピーのある商品説明なら商品の特長が瞬時に伝わります。キャッチコピーは、ネットショップがターゲットに対して最もアピールできる商品特性を端的にまとめたフレーズです。購入者がキャッチコピーに心惹かれれば、商品説明の本文をしっかり読もうとするため、購入に一歩近づくことになります。

4. SEO対策のキーワードも意識

SEOとは「サーチエンジン最適化」の略語で、Googleなどの検索エンジンでの検索結果の上位に自社のウェブページが表示されるように工夫することをSEO対策といいます。たとえば「スマートフォン ケース」の2単語で検索されたときに自社ネットショップの商品ページが上位に表示されるには、ページ内に「スマートフォン」と「ケース」というキーワードが適切な割合で含まれる、文章が読みやすい構造になっているなど、複数の条件を満たす必要があります。全条件をクリアしなくても、ターゲットが検索するキーワードと商品説明を確実にマッチさせるイメージで書き、検索による宣伝効果をアップしましょう。

5. お客様にとってのベネフィットを書く

商品を購入することでお客様が得られるベネフィットについて書くことも大切です。たとえば「落ち着いた色合いのパフスリーブブラウスなので、二の腕が気になる方も華奢見えします」や「このデジタルカメラには手ぶれ補正がついているので、動画撮影初心者の方でも、きれいな映像が撮影できます。運動会での撮影にもぴったりです」といったように、具体的なベネフィットを記すことでお客様を惹きつけましょう。

6. 商品使用で得られる「結果」を書く

普段使いより高級なコーヒー豆を自分用に購入するのは、「そのコーヒーを飲むことで結果的に、日常の中でも特別な時間を感じて満足感を得るため」と考えたとします。ネットショップの商品説明では、購入者が商品から得ると想定される結果を事前に提示します。たとえば、「芳醇なアロマと独自焙煎のコクでぜいたくな休日の朝」といったキャッチコピーがあれば、商品がもたらす価値は一目瞭然です。

7. 嘘がないように注意

商品説明には、基本的にポジティブな表現を使います。しかし過剰な言い回しや根拠のない記述が一つでもあると、商品説明全体が嘘や誇張に見える恐れがあるばかりか、虚偽の説明による悪質な販売となる可能性もあります。

特に「世界一」「最高級」「他のネットショップより高品質」などの比較を伴う表現は、具体的な根拠がない限り使用を控えましょう。ただし、有名な賞の受賞実績などの客観的事実がある場合は、根拠として商品説明に引用するとネットショップのイメージも向上します。

8. 商品の注意点も掲載

機能特性やデザインによっては、注意して使わないと破損やトラブルが発生する商品もあります。商品説明に注意書きがあれば、返品や低評価を防げるかもしれません。あらかじめ「デリケートな素材につき、洗濯は冷水でネット使用」などの文言があることで、誠実で信頼できる商品説明となります。

9. 読みやすさ、レイアウトを工夫

漢字やカタカナ語が過剰に多い、文章が極端に長い・短い、ターゲットに合わない文体、過度な文字装飾(太字、カラーなど)は、商品説明の読みにくさと購買意欲の低下につながります。また、商品説明や画像のレイアウトが適切でない場合、買い物しにくいネットショップという印象になります。同分野で人気のネットショップの商品ページのデザインを分析するなど、購買を促進するレイアウトを研究しましょう。

10. 魅力的かつ使用例がわかる画像を掲載

ネットショップの購入者の視点に立ってみるとわかるように、商品説明の文章と商品画像の両方がそろうことで、商品の魅力が伝わり、購買意欲を後押しできます。正面から見た商品画像だけでなく、裏面や側面、使用例などを含め、最低でも5枚前後の画像があることが望ましく、衣類などの商品では着用時のシルエットやコーディネート例の画像のバリエーションが購入者の重要な判断材料になります。

形状やサイズ感、機能、使用法などがわかりにくい商品は、商品説明の文章で伝わらない部分を画像が補い、画像で伝わらない部分を商品説明が補うという補完関係が成立していると理想的です。

11. レビューを商品説明に利用

ネットショップの商品ページに、購入者が投稿したレビューや星を使った評価が表示されるサイト構造であれば、別の購入者はそれを客観的な意見として購入の判断材料にできます。投稿表示式のネットショップでなくても、商品説明の本文の中で購入者からの声を引用する、雑誌などのメディアに掲載された事実に言及するといった方法も有効です。

例1:リピーターのお客様からは「野菜嫌いの5歳の子どもが『もっと!』と毎日飲んでいます」(33歳、会社員)といった声が寄せられています。

例2:女性誌『ABC』(2021年5月号)の通勤服特集にも掲載された注目商品です。

12. 曖昧なフレーズを避ける

商品を説明する言葉に詰まってしまうと、ついつい「高品質の商品」「今売れています」など、曖昧でありふれたフレーズを使ってしまいそうになります。「高品質の商品」「今売れている商品」なのであればその根拠や理由を示し、お客様が「なるほど」と思えるような商品説明をするようにしましょう。

13.お客様に語りかける

実店舗で接客するように、「お客様に語りかける」ような商品説明を書くのも有効な手段です。商品のターゲットやペルソナがどのような言葉遣いを好むのかを想像し、お客様との距離をぐっと縮めるような商品説明文を作成しましょう。

14.商品ストーリーを語る

商品の誕生にまつわるストーリーもお客様を惹きつける魅力の一つといえるでしょう。誰がどのような思いで作った商品なのかを語ることで、お客様の共感を得ることができるかもしれません。

たとえば「雹の被害でキズがついてしまい、一般流通に乗せられなくなったりんご。甘くてジューシーなのに、キズのせいで捨てるのはもったいない!と、ジュースとコンポートを作りました。りんご農家が心を込めて作ったジュースとコンポートのギフトセットをお楽しみください」といったように、商品が生まれた背景を語るのも一つの手です。

15.擬音で感覚を刺激する

擬音を用いて臨場感のあるシーンを想起させ、感覚を刺激するのも有効です。たとえば「ガブっと噛めば肉汁がジュワ〜っとあふれ出す、手作りソーセージ」や「サラサラしたシルク素材の下着で、夏でもペタッと肌にくっつかない」など、擬音を使った商品説明文にも挑戦してみましょう。

以上のように、ネットショップの商品説明はいくつかのポイントを押さえた書き方により、購入者の疑問や不安を解消し、購買意欲に働きかけることが可能です。商品説明は一度書いて掲載すればネットショップ上で多くの購入者に読んでもらえるため、時間をかけてでも丁寧に作成する価値があります。ネットショップに掲載済みの商品説明も6W2Hに分類し、15の注意点をクリアしているか確認し、売り上げアップにつなげましょう。

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執筆は2021年6月28日時点の情報を参照しています。2023年4月28日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash