「お会計する瞬間ってビジネスを成り立たせるうえですごく大事な瞬間であり、かつオペレーション上もいろいろミスが起こりやすい場面だったりするじゃないですか。そこを効率的に正確にできるのは店にとってもありがたいなと思っています」ー伊良コーラ エグゼクティブ・ディレクター 藤原直人さま
知る人ぞ知る、「クラフトコーラ」。これは「手作りのコーラ」を意味する言葉である。
「世界初のクラフトコーラ」という看板を背負うのが、都心で二つの店舗を運営するクラフトコーラ専門店、「伊良(いよし)コーラ」だ。生みの親は、海外旅行に出かけるとつい各地のコーラにそそられてしまう、大のコーラ好き「コーラ小林」こと小林隆英さん。いつしか彼のコーラに対する愛は、「飲みたい」から「作りたい」に変わっていた。そうして小林さんは日々会社員として働く傍ら、コーラ作りに没頭しはじめる。
独自のクラフトコーラを生み出すうえで彼が参考にしたのは、和漢方職人であった祖父の工法。ナツメグやバニラ、シナモンやコーラの実など、12種類以上のスパイスが織りなすちょうどいい塩梅は、何度も何度も試行錯誤を重ねたうえで得たものだ。
2018年からは晴れて毎週末青山で開催されるファーマーズマーケットで「伊良コーラ」の提供を始め(※)、2020年2月には祖父の漢方工房があった新宿区・下落合に総本店をオープン。2021年4月29日には、若者の聖地でもある渋谷・キャットストリートに二店舗目をオープンさせている。
※2021年5月現在、実店舗での販売が中心となっています。
伊良コーラがキャッシュレス決済サービスに選んだのはSquare。渋谷店に関しては、現金を一切扱っていない。この記事では渋谷店をオールキャッシュレスにした経緯や、オールキャッシュレスを叶えた決済端末Square ターミナルの感想、Squareで効率化できたことなどについて、エグゼクティブ・ディレクターの藤原直人さんにお話を伺った。
業種 | 飲食料品の小売業 |
業態 | クラフトコーラ専門店 |
利用しているサービス | Square ターミナル、Square POSレジ、Square データ(売上レポート) |
導入を検討した理由 | ・一台で会計もレシートの印刷も完結するため ・無線で利用場所を問わないため ・内装に溶け込むデザインとコンパクトさ |
Squareが役に立っている点 | ・会計をストレスなく行える ・従業員トレーニングにかかる時間が短縮できた ・一つのアカウントで二店舗ともの売上状況を確認できる ・オーダーシートの発行でお渡しミスを防げる |
▲エネルギッシュでハキハキとしゃべる、エグゼクティブ・ディレクターの藤原さん
もともと下落合にある総本店ではSquare リーダーを導入して、キャッシュレス決済を受け付けていた伊良コーラ。二店舗目となる渋谷店では冒頭にもある通り、現金を一切扱わないという野心的な試みに乗り出した。オールキャッシュレスにすると決める前に、総本店である実験を行ったという。
「総本店のほうでキャッシュレス推奨のお声がけをはじめてみたんです。キャッシュレスを推奨することでどれくらいの人が対応できる・できないのかを見るためにですね。推奨してみたことで、新店(渋谷店)ではキャッシュレスでもいけるな、と感じました。それもSquare上の数字を見て、判断したという感じです。それであまりにも現金が多かったら渋谷でも……って話になったと思うんですけど」
キャッシュレス決済と現金決済の比率は、Square POSレジでお会計を受け付けると、自動で集計される。いつもレジにいるとは限らない藤原さんは、パソコンからSquareのアカウントにログインして、キャッシュレス決済と現金決済の比率を見比べていたそう。実験結果をもとにはじめた渋谷店でのオールキャッシュレスの試みは、どのような反応を集めているのだろう。
「渋谷のキャットストリートを歩いてる人って基本的にはクレジットカードとかPASMO、Suica……何かしら絶対に持ってるので。ICカードの残高がちょっと足りないということはありますけど。スタッフから『現金使えないんです』とお伝えすると『むしろありがたいです』と言ってくださる人のほうが多い印象はあるかもしれないです」
オールキャッシュレスを実現するうえで導入したのは、レシートプリンターとPOSレジが一台に内蔵されているSquare ターミナル。小林さんと相談のうえ、総本店で使用している手の平サイズのSquare リーダーから切り替えることに決めた。
「総本店でSquare リーダーを使っていたころから、スピーディでシンプルに対応できるところは魅力的に感じていました。ただオールキャッシュレスにするっていう我々のチャレンジと、新しい決済端末(Square ターミナル)を使ってみるというチャレンジが自分たちにとってもおもしろそうだな、という話になりました。Square ターミナルはタッチ決済もクレジットカード決済も、レシートやオーダーシートの印刷も全てオールインワンで使えるところが、すごくいいなと思っていて。この一台さえあればなんでもできるということでSquare ターミナルを使うことになりました」
実際に使ってみたうえで、気に入っている点も教えてもらった。
「なんらストレスなく、お会計からレシートを出すまで完結できるのが一番の魅力ですかね。シンプルで、楽。
お会計する瞬間ってビジネスを成り立たせるうえですごく大事な瞬間であり、かつオペレーション上もいろいろミスが起こりやすい場面だったりするじゃないですか。そこを効率的に正確にできるのは店にとってもありがたいなと思っています。
朝来たときに充電を確認してログインすれば、すぐに使えるのもいいなと思いますね」
そのほかにもコンパクトで無線というつくりは、伊良コーラの店舗とも相性がいいように感じているそう。
「店舗空間はすごく大事にしています。たとえば何をどこに置くかとかですね。そういう意味でもSquare ターミナルは邪魔をしないというか。ごちゃごちゃしているよりは、あれを一個ポンと置いておけばいいのはありがたいです。iPhone一個分くらいの大きさで、場所を問わずどこでも使えるじゃないですか。オペレーション上、スペースを占拠されないという意味でも気に入っています」
カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台
全画面タッチディスプレイ、レシート印刷機能、ワイヤレスで持ち運び可能、スタイリッシュなオールインワン決済端末「Square ターミナル」でキャッシュレス決済を始めよう。
どこにいても売上データが確認できる
エグゼクティブ・ディレクターとして、総本店と渋谷店の売上状況を把握することも藤原さんの役目。そのためには店舗ごとの売上情報が確認できるSquareの売上レポート(※)を頼りにしているそう。
「基本的に売上情報はデータ上で見てる感じです。当然一番は、どの商品がどれくらい売れていたのかということと、全体でお客様がどれくらい来たかというところです。iPhoneにSquareのアプリを入れてるので、いつでも見れますしね。どっちの店舗にどんなお客さんが来て、どの商品の売れ行きがいいのか悪いのかを見ていかないといけないので、それもレポートで追っています。
週末は渋谷店にいることも多いので、そこで『じゃあ総本店、どうなってるんだろう』という情報を渋谷にいてもクイックに見れるのはありがたいですね。スピーディにサマリーのCSVをはきだせるのもありがたいです」
※Square ターミナルを使う、あるいはSquare POSレジでお会計を受け付ければ、Squareのアカウントにログインするだけで売上情報がリアルタイムで更新されます。商品別売上や店舗ごとの売り上げなども自動で集計されます。詳しくはこちらからご確認ください。
余計なところに時間を割かない
平日であれば、お会計もドリンクづくりも基本的には一人のスタッフが担当する。ただ休日の忙しい時間帯になると、行列をつくるお客様にスピーディに対応するためにも「お会計をする人」「ドリンクを作る人」と複数人でまわすこともある。切れ目なくお客様がやってくる時間帯に特に役立っているのは、オーダーシートを発行できる機能だという。
「休日ちょっと混み始めたときに『ドリンク、どれが誰のだかわからなくなっちゃう』とかあるじゃないですか。そういうときにもSquare ターミナルから出てくるオーダーシートとお客様に渡すレシートの番号が紐づいてるので、お客様とのコミュニケーションはスムーズにできてるかなと思います」
ドリンクを作り終わったら、オーダーシートにある番号でお客様を呼ぶ。同じ番号が記載されたレシートを持つお客様が、カウンターまで飲み物を取りに来る。レシートとオーダーシートの「番号」を活用すれば簡単にこの流れができ、お渡しミスもないという。
活用方法によってオペレーションの向上や効率化が図れる点は、藤原さんがSquareを使ううえで気に入っている特徴でもある。「やっぱりいかに作業を効率化して、その分の時間を使ってどうお客さんとコミュニケーションをとるかとか、お客様にクオリティの高い商品を提供するかっていうのが、店舗において一番大事なことだと思います。余計なところに時間とストレスを割かないというか。Squareにはそこの一助になってもらえているのですごくありがたいです」
「余計なところに時間を割かない」という点でいうと、従業員のトレーニング時間の短縮も話にあがった。
「決められたボタンを押してお会計まで進んで、どうぞっていうだけの話なので。新しく入ったスタッフでも端末を使いこなすのは早いです。レジ操作の仕方を手取り足取り教える必要はないですね」
2024年までは伊良コーラを海外に
目指すは、「コカコーラ・ペプシ・伊良」。2024年にはニューヨークのブルックリンに出店する、という目標も立てている。伊良コーラにとって、2021年はどんな年になるのだろう。
「当然世の中の状況によってアップデートはしていくんですけど、常に模索しながらいろんなプランニングをしつつ、挑戦し続けるということを忘れちゃいけないと思っています。現状維持っていうスタンスをとることは我々のなかで全くなくて。渋谷店をどう進化させていくか。次にどういうところに出店できるんだろう、みたいなことを日々考えてディスカッションしています。それをとにかくスピーディに実行していく一年にはしていきたいとは思ってますね。
代表の小林の思いであり、我々メンバーの思いでもあるんですけど、常に人をワクワクさせたいというのがあります。我々がどういうことをしたらたくさんの人にワクワクしてもらえるんだろう、っていうことは考え続けたいです。伊良コーラをより知ってもらうためにリアルな店舗をかまえることはすごい大きいと思うので、実店舗からの発信は今後も大事にしていきたいなと思ってます」
「なんらストレスなく、お会計からレシートを出すまで完結できるのが一番の魅力ですかね(Square ターミナルについて) 」ー伊良コーラ エグゼクティブ・ディレクター 藤原直人さま
Squareが実現したこと
ストレスなくお会計が行える
伊良コーラ渋谷店では現金の扱いがないため、たった一台の決済端末でお会計からレシート・オーダーシートの印刷までを完了させることができています。画面の指示通りにタップして操作するシンプルなレイアウトのおかげで、従業員トレーニングにかける時間を大幅に削減できています。
売上データをあらゆる方法で活用できる
伊良コーラでは渋谷店をオールキャッシュレスにすると決める前に、総本店でキャッシュレス決済推奨試験を実施しました。推奨することによってキャッシュレス決済比率はどれくらい増加したかなどの売上データは、Squareの売上レポートから簡単に確認することができました。結果をもとに、渋谷店ではオールキャッシュレスに踏み切ることができました。また、店舗ごとの売り上げも同じくSquareの売上レポートから確認できるため、店舗にいなくても売上状況を把握することができています。
注文された商品をミスなく提供できる
伊良コーラでは忙しい時間帯になると、Square ターミナルからオーダーレシートを印刷しています。オーダーレシートとお客様に渡すレシートには同じ番号が記載されているため、(1)ドリンクを作り終わったら、オーダーシートにある番号でお客様を呼ぶ、(2)同じ番号が記載されたレシートを持つお客様が、カウンターまで飲み物を取りに来る 、という流れを作ることで、バタつく時間帯でもミスなくドリンクをお渡しすることができています。
Squareでは、キャッシュレス決済が受け付けられる決済端末に加えて、POSレジや売上レポート機能など、飲食の小売り業務に役立つサービスや機能を多く提供しています。
この事例に登場したSquareのサービスは:
▲自宅で楽しめるシロップの販売も
▲飲み終わったパッケージはポストに扮したゴミ箱に投函