お客様に選ばれるネットショップを運営するにはぜひ押さえておきたい基本事項があります。この記事では、ネットショップを運営したい、これから運営してみたいという人が知っておきたいサイト制作、集客、営業のテクニックを紹介します。
目次
ネットショップ制作テクニック
ネットショップ作成サービスの進化は日進月歩の世界です。お客様の好みやトレンドもどんどん変化していきます。すでにネットショップを運営しているという人も改めてネットショップの制作テクニックを復習して、現在運営しているネットショップを見直してみましょう。
どのようにネットショップを作るか
ネットショップを作成する場合、以下の三つの選択肢が考えられます。
- (a)ショッピングモールに出店する
- (b)ネットショップ作成サービスを使って独立したネットショップを作る
- (c)プログラミングをして独自のネットショップを作る
ネットショップを利用した一般的な物販が目的の場合、プログラミングやコンピューター、ネットワークの知識が必要な(c)はハードルの高い選択肢です。(a)や(b)の選択肢を利用する場合、一昔前と比べてさまざまな機能が提供され、柔軟にネットショップを作れるようになっています。
(a)のショッピングモールに出店するか、(b)のネットショップ作成サービスを使うか迷ったら、ネットショップ作成サービスを使うのがコスト面では無難な選択肢です。ショッピングモールには集客を任せられるメリットがある一方、初期費用や運用費用が高くなりがちです。デザイン面での制約も少なからずあります。一方、ネットショップ作成サービスの中には初期費用がかからず、売り上げに応じて数パーセントの手数料がかかるのみの気軽に使い始められるプランを提供しているサービスも少なくありません。デザイン面では、テンプレートを使ってシンプルでクリーンなデザインを簡単に取り込めます。ネットショップ作成サービスを使いつつ、事業の成長に合わせて、有料プランへのアップグレード、ショッピングモールへの出店を検討するとよいでしょう。
無料で開設できるネットショップについては、「無料で開設できるネットショップはどこまで便利に使える?」の記事も参考にしてください。
ネットショップのデザイン
「デザインセンスがない」「デザイナーを雇うお金がない」という人も心配はいりません。ショッピングモールやネットショップ作成サービスを使ってネットショップを作る場合、サービス側である程度の手順やテンプレートが用意されているため、デザインの知識がなくても基本的なネットショップを作れます。
ネットショップ作成サービスの中には無料で使えるさまざまなテンプレートを用意しているサービスもあります。テンプレートに必要な情報を入力していくと、プロが作ったようなネットショップができあがります。ネットショップ作成サービスを選ぶときには、どのようなイメージのネットショップを作りたいのか「シンプルなネットショップにしたい」「若い人をターゲットにしたポップなデザインにしたい」「海外のお客様も対象にグローバルスタンダードなデザインを採用したい」などと想像しながら、必要なテンプレートがそろっているかもチェックしましょう。
また、デザインというと見た目にこだわりがちですが、ネットショップの機能面でのデザインにも注意が必要です。ただし、この点もショッピングモールやネットショップ作成サービスを使えば、サイズの異なる端末で適切にネットショップが表示されるレスポンシブデザイン、関連商品、動線のアレンジなどはほぼ自動的に処理されます。
商品写真や商品説明にはこだわりを
たかが一枚の商品写真、たかが説明文とあなどってはいけません。特に商品写真は最初にお客様の目にとまり、お客様の注意を引く重要な情報です。手持ちのスマートフォンでも工夫次第でプロ顔負けの写真を撮れます。商品写真には十分こだわりましょう。商品単体を詳しく写した写真に加え、どのようなシーンで商品を使うのかといった写真も用意すると、お客様が利用シーンをイメージしやすいでしょう。
商品写真と合わせて重要なのが商品説明です。商品写真で興味を惹かれたお客様はより詳しく商品について知るために商品説明を読みます。お客様の疑問に答えるようにサイズ、重量、原産地、ショップのこだわりなど、情報を詳細に記述しましょう。
カゴ落ち対策
「カゴ落ち」とは、お客様がショッピングカートに商品を残したままネットショップを離れてしまい、購入に結びつかないことを表す用語です。アメリカのマーケティングソフトウェア会社OptinMonsterの調べでは、ECサイトのカゴ落ち率は約70%に上るとも。ネットショップの運営者であれば、カゴ落ちの割合を低くおさえたいところです。
カゴ落ちにはさまざまな原因がありますが、お客様が突然上乗せされた送料・梱包手数料に驚いてしまう、考えていたよりも配送時間が長く驚くといった「驚き」が考えられます。これらの驚きをなくすために、送料や梱包手数料、配送についてはお客様が情報を得やすいようにするのが鉄則です。基本的な対策をしてもカゴ落ちが多いようであれば、カゴ落ちを防ぐためのフォローアップツールの利用を検討してもよいでしょう。
カゴ落ち対策について詳しくは本ブログの以下の記事を参考にしてください。
SEO対策
ショッピングモールに出店しない場合は、検索エンジンの検索結果上位にネットショップが表示されるようにSEO対策をし、お客様にネットショップを見つけてもらう必要があります。SEO対策と聞くと難しく感じる人もいるかもしれませんが、心配はいりません。ネットショップ作成サービスを使う場合、必要事項を入力していけば最低限のSEO対策は自動的に行われます。その上で、商品タイトルや商品説明に適切なキーワードを選んで盛り込んでいきましょう。
さらに、ネットショップの商品ページだけでなく、ブログを開設するなどして「コンテンツSEO」に取り組むのも効果的です。検索エンジンは情報の有用性や更新頻度などから価値のある情報をランキングしているからです。有用なコンテンツを定期的に配信し、コンテンツからお客様にネットショップに興味を持っていただくとよいでしょう。
コンテンツSEOについて詳しくは本ブログの以下の記事を参考にしてください▼
ネットショップの集客に役立つSEO対策とは? コンテンツSEOの始め方と実践の6つポイント
セキュリティー対策
お客様の個人情報やお金を預かるネットショップではセキュリティー対策が欠かせません。ITに詳しくないという人は、この点でもショッピングモールやネットショップ作成サービスといったサービスを使うのが無難です。ネットショップの基本的なセキュリティー対策はサービス側で行われるからです。
ただし、ネットショップの運営に利用する端末のセキュリティー対策は、運営者自身が万全にしておく必要があります。
ネットショップ集客テクニック
ネットショップの運営は、ネットショップができあがったら終わりではありません。お客様にネットショップに来てもらえるように集客にも力を入れましょう。
ネットショップの集客手段
一般的に考えられるネットショップの集客手段を見てみましょう。
- 実店舗からの誘導
- 検索エンジンを使った集客
- ソーシャルメディアを使った集客
ネットショップの集客といっても、実店舗での集客と共通する部分もあります。店舗も営んでいる人であれば、ショップカードにネットショップやソーシャルメディアのURLを記載して、お客様にネットショップの存在を知ってもらいましょう。店舗がないという人も、近隣でチラシを配布する、イベントでショップカードを配布する、お客様の層や事業の種類に応じてメディアに広告を出し、ネットショップにお客様を誘導することが考えられます。
商品を探しているお客様は、特定のネットショップのURLを入力して直接アクセスするのではなく、商品名などで情報を検索し、ネットショップを探すことも少なくありせん。このため、SEO対策は欠かせません。一般的なキーワードでは競合が多いことがほとんどですが、ニッチなキーワードやキーワードの組み合わせで検索結果上位にネットショップを表示させるのも夢ではありません。適切なキーワードを探して、ネットショップやブログに設定し、検索エンジンからの導線を確保しましょう。
SEO対策について詳しくは、「SEO対策でネットショップの集客力をアップしよう!」の記事を参考にしてください。
SEO対策と合わせて力を入れたいのがソーシャルメディア対策です。ネットショップを運営している、運営したいという人の中には事業やプライベートでソーシャルメディアを使っている人もいることでしょう。ネットショップにとって、ソーシャルメディアは商品やサービスの魅力をタイムリーに紹介できる集客ツールともいえます。ソーシャルメディアには文字、画像、動画をベースとしたもの、パブリックなものからプライベートなものまでさまざまメディアが存在します。すべてのソーシャルメディアを使おうとすると本業に割ける時間がなくなってしまいます。事業や商品に合っていて、ターゲットとするお客様が使っているメディアを一つか二つ選んで定期的に投稿をし、コミュニケーションを通じてお客様との関係を築いていくのがおすすめです。ソーシャルメディアを通じてお客様との間に信頼が生まれれば、リピーターになってくれる人も出てくることでしょう。
魅力的なショッピング体験を提供する
ネットショップで買い物をするお客様は値段も重視しますが、いつでもどこでも便利にショッピングをしたいという人も少なくありません。このようなニーズに応えるためには、多様な配送方法や決済方法を用意しておくとよいでしょう。忙しい人であれば、わざわざ銀行振り込みをしに行くよりも、クレジットカードで手軽に決済をしたいはずです。また、在宅時間の短い人は希望した日時に届く配送方法を選びたいでしょう。
ただし、選択肢が多すぎると、お客様は混乱しかねません。決済や配送の選択肢は客層や需要に合わせて提示するようにしましょう。また、お客様からのリクエストがあった場合には、柔軟に選択肢を増やすことを検討するのも重要です。
ネットショップ営業テクニック
ネットショップができあがり、集客対策ができたら、あと一歩です。ここではネットショップでできる営業面での工夫を説明します。
価格設定と利益率
実店舗やネット上の競合店の商品価格を見てみると、とても安い価格で商品を提供している店舗が見つかるかもしれません。値段で対抗するのも一つの手ですが、すべての商品で一番安い価格を提示しようとするのは現実的ではありません。まずは目標とする利益率を設定し、どの商品を主力に稼ぐのか、数値ベースで検討し、値段を設定していくことをおすすめします。また、季節や流行によって市場価格は変わります。設定した価格や利益率は定期的にチェックし、必要であれば価格を見直しましょう。
営業時間や配送日数を明確に
カゴ落ちについての説明でもふれましたが、お客様は突然情報が提示され驚くと、ネットショップを離れてしまいます。お客様が安心して買い物をできるように営業時間や配送日数は明確に表示するようにしましょう。また、営業時間と配送日数は余裕を持って設定することをお勧めします。過度な余裕は配送に時間がかかる印象を与えかねませんが、余裕がまったくないと、ネットショップの運営に支障をきたしかねません。
必要に応じて製造・販売許可を取得
中古品や食品、酒類、化粧品などの販売には許可が必要です。警察や保健所、税務署など対応する組織に相談に足を運び、製造や販売の許可を申請します。ネットショップで扱う商品がこれらに当たらない場合でも、不安があれば相談することをお勧めします。法律に違反すると思いがけず多額の罰金や刑が課せられるだけでなく、事故や健康被害にもつながりかねません。お客様や取引先からの信頼を大事にするという意味でも法律に従ってネットショップを営業するようにしましょう。
許可については最新の情報を入手することをおすすめしますが、「ネットショップでの販売に必要な許可とは。届出先から申請方法までをご紹介」の記事も参考にしてください。
本記事ではネットショップの制作、集客、営業のテクニックについて説明しました。これらのテクニックを知っているのと知らないのとでは、ネットショップの成長スピードに大きな差が出てきます。ぜひ本記事を参考にしながらさまざまな施策を試してみてください。
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執筆は2021年9月6日時点の情報を参照しています。
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