キャッシュレス決済の導入を検討している、Squareへの乗り換えを考えているという人に向けて、事例を交えながら決済手数料や導入費用、固定費など、Squareの料金体系について詳しく解説します。
目次
- Squareの料金体系
- Squareを導入するメリット
・1. 最短翌営業日入金
・2. 店舗でもオンラインでも使える
・3. 使えば使うほど経費削減になる - 事例1:お店でSquareを導入したいです
- 事例2:オンラインでSquareを導入したいです
- まとめ
Squareの料金体系
Squareを導入するときに気になる、決済手数料・導入費用・固定費用についてまずご紹介します。
Squareの決済手数料
Squareの決済手数料はシンプルな構成になっています。たとえば、対面決済の場合、決済手数料は3.25%または2.5%です。この「3.25%または2.5%」についてもう少し詳しく見ていきましょう。
■年間キャッシュレス決済金額が3,000万円未満の場合
「SMBアクセプタンスプログラム」(※)と呼ばれるプログラムの対象になります。対象者は、Visa・Mastercardの対面決済の決済手数料が2.5%、その他の決済手段が3.25%になります。
※SMBアクセプタンスプログラムの対象事業者は、下記の基準を満たす必要があります。
・日本政府が定める「中小企業」の定義に当てはまること
・上場企業や企業グループに属していないこと
・Visaを新規で受け付けること
■年間キャッシュレス決済金額が3,000万円以上の場合
クレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済を含む、すべての対面決済の決済手数料が3.25%になります。ただし、さらにお得なカスタム決済手数料でご利用いただける可能性があります。詳しくはこちらまでお問い合わせください。
業種や販売する商品によって決済手数料が変わることはありません。シンプルな分、コスト管理も簡単です。決済手数料についてのさらに詳しい情報はこちらをご確認ください。
Squareの導入費用
Squareは対面決済と非対面決済(オンライン決済)の両方を提供しています。対面決済の場合、導入には決済端末が必要です。この決済端末の購入費用が導入費用にあたります。詳しくは事例1の「お店でSquareを導入したいです」で説明しています。
一方、オンライン決済の場合、導入費用はかかりません。詳しくは事例2の「オンラインでSquareを導入したいです」で説明しています。
Squareの固定費用
Squareの利用に際して、アカウントの作成・維持・解約に費用はかかりません。また、振込手数料や取消手数料、明細出力手数料もありません。有料プランのある機能やサービスを利用する場合には月額利用料がかかりますが、有料プランに申し込まない限り固定費用は発生しません。また、ほとんどの有料プランにはお試し期間があります。興味のある機能・サービスをまずは試してみてから、有料プランを申し込むかどうかを決めることができます。
Squareを導入するメリット
Squareを導入するメリットを具体的に見ていきましょう。
1. 最短翌営業日入金
キャッシュレス決済で一番気になるのが、キャッシュフローではないでしょうか。月末締めの翌月末払いだと、売上日から入金日まで1カ月以上開くことになります。仕入れや給与の支払いなどで先に出ていくお金が多いと、入金サイクルは短ければ短いほど、ビジネスの安定につながるでしょう。
Squareでは、三井住友銀行またはみずほ銀行の口座なら翌営業日に、それ以外の口座では週に一度入金されるので、現金とほとんど変わらない感覚でキャッシュレス決済を受け付けることができます。
2. 店舗でもオンラインでも使える
Squareは店舗での対面決済に加えて、クラウド請求書やネットショップなど、オンラインで使える決済手段も提供しています。お店での決済にはA社、法人顧客の請求書払いにはB社の銀行振込、通販の支払いにはC社など、複数の決済方法を利用していると、売上管理だけでも膨大な時間がかかってしまいます。Squareならこれらをすべて1カ所で管理できます。
3. 使えば使うほど経費削減になる
キャッシュレス決済をはじめ、店舗経営に役立つ多様な機能を提供しているのが、Squareの特徴です。そして、ほとんどの機能が無料なのも嬉しい点ではないでしょうか。
上記の機能を別々に導入した場合、それぞれに導入費用と固定費用がかかりますが、Squareならそうした費用をカットできます。また、申込手続きなども必要ありません。Squareの管理画面にログインし、使いたい機能を試してみるだけです。売り上げも、スタッフのシフトも、顧客情報も、まるごとSquareで管理できるので効率的な店舗運営に役立つでしょう。
次項からは、店舗でSquareを導入した場合とオンラインでSquareを導入した場合、それぞれの事例別に費用を紹介していきます。
事例1:お店でSquareを導入したいです
店舗の対面決済でSquareを導入する場合、かかるコストは下記の2点だけです。
(1) 決済端末の購入費用
(2) 決済が発生した際の決済手数料
下記のような費用が発生することはありません。
- アカウント作成費用
- アカウント維持費用
- 月額利用料
- トランザクション料
- 振込手数料
- 解約費
Squareでは、Square リーダー(4,980円)、Square スタンド(29,980円)、Square ターミナル(39,980円)、Square レジスター(84,980円)の4種類の決済端末を提供しています。予算や目的に合わせて選ぶことができます。
導入にかかったのは決済端末の費用のみ
具体的な例とともに、費用を計算してみましょう。ここでは、コーヒーや軽食を出す喫茶店について考えます。
都内某所にある「コーヒー四角」では、現金オンリーから心機一転、キャッシュレス決済の導入に踏み切ることにしました。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square ターミナルの購入費用 | 39,980円 |
電話サポートの費用 | 0円 |
合計 | 39,980円 |
コーヒー四角のマスターが選んだ決済端末は、Square ターミナル。4万円近くかかるので高額なように思えますが、Square ターミナルにはPOSレジを操作するタッチスクリーンとレシートを印刷するプリンターが搭載されています。タブレット端末やレシートプリンターを別々で買うよりも、お得な買い物だと考えて購入を決めました。
▲Square ターミナルは持ち運びが可能な決済端末。座席での決済も可能です。
また、決済端末を選ぶ際に、マスターは詳しく話を聞こうとSquareのサポートに電話しました。サポートは有料という決済サービスもありますが、Squareなら電話でもメールでも無料でサポートを受けることができます。
コーヒー四角がSquareを導入するのにかかったのは、決済端末の購入費用39,980円のみです。Square リーダーなど、もっとリーズナブルな決済端末を選ぶことでさらに導入費用を下げることも可能です。
決済手数料は2.5%か3.25%!
対面決済の場合、Squareの決済手数料は年間のキャッシュレス決済額によって変わります。
年間キャッシュレス決済額が3,000万未満の事業者(※1)は、VisaとMastercardの決済手数料が2.5%、その他の決済手段が3.25%になります(※2)。コーヒー四角はこれまでキャッシュレス決済を受け付けたことがなかったため、この条件に当てはまります。
※1 日本政府による「中小企業」の定義に当てはまること、上場企業や企業グループに属していないこと、年間キャッシュレス決済の総額が3,000万円未満であること、Visaを新規で受け付けることが条件になります。
※2 Squareで決済を受け付けられるクレジットカードブランドは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverです。電子マネーは、Suica、PASMO、Kitaca、TOICA、manaca、ICOCA、SUGOCA、nimoca、はやかけんを含む交通系IC、QUICPayとiDです。QRコード決済はPayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY、メルペイ、WeChat Pay、Alipay+です。
現金オンリーで機会損失をしていた!?
少し時をさかのぼって、コーヒー四角がキャッシュレス決済導入を決意した理由を振り返ってみましょう。
お会計時に「現金だけです」と伝えると、お客さまが困った顔を見せる機会が増えたことにマスターは気付いていました。「うちはお客さまにとって不便なお店になっているのかも!?」と思ったマスターは、キャッシュレス決済の需要を少し調べてみることにしました。
- 生活者の9割以上がキャッシュレス決済を経験1
- 5割弱がキャッシュレス決済が利用できないとわかって利用をやめたことがある2
調べると上記のようなデータが出てきます。飲食店の経営者として気になるのは、お客さまが利用をやめてしまうことです。知らないうちにお客さまを逃していたのかもしれない、そして既存のお客さまもキャッシュレス決済が使える他のお店に流れてしまうかもしれないと危機感を抱いたマスターは、キャッシュレス決済の導入を決意します。
1カ月の決済手数料はいくら?
さて、キャッシュレス決済の導入からしばらく経ちました。コーヒー四角では、単価が1,000円前後ということもあって、SuicaやQRコード決済を利用するお客さまも多いようです。月の売り上げである100万円のうち、約5割のお客さまがキャッシュレス決済を利用していました。
[VisaとMastercardによる決済手数料]
100万円×25%×2.5%=6,250円
[その他の決済手段による決済手数料]
100万円×25%×3.25%=8,125円
[決済手数料の合計]
6,250円+8,125円=14,375円
1カ月の決済手数料 | 14,375円 |
振込手数料 | 0円 |
取消手数料 | 0円 |
合計 | 14,375円 |
※この計算はあくまで目安であり、正確なものではありません。
表にある「取消手数料」が気になるかもしれません。これは決済をキャンセルした際に発生する費用です。サービスによっては有料なこともありますが、Squareでは費用はかかりません。初めてのキャッシュレス決済だと、「間違えたらどうしよう」と怖くなるかもしれません。キャンセルに追加費用はかかりませんので、間違いに気付いたらこちらを参考に払い戻し処理をしてください。
人件費削減に貢献!?
キャッシュレス決済を導入したことで、毎月、決済手数料がかかるようになりましたが、実は減っている費用もあります。人件費です。紙の伝票を使っていたコーヒー四角では、慣れているアルバイトスタッフでも閉店後のレジ締めに45分はかかっていました。
しかし、キャッシュレス決済に合わせて無料のSquare POSレジも活用し、さらに現金そのものも減ったことで、レジ締めの時間が15分に短縮されました。アルバイトスタッフが早く帰れるようになった分、人件費が減りました。
(45分−15分)×30日=900分
900分、つまり月々15時間分の人件費負担を削ることができています。
15時間×時給1,200円=18,000円/月
1年間だと、20万円以上の削減になります。また、今までは閉店後に帳簿を付けたり、現金をATMに入金しに行ったりしていましたが、こうした業務も一気に減ってマスターも時間に余裕ができるようになりました。
1年間の費用はいくら?
コーヒー四角がSquareを導入して1年間が経ちました。1年間でいくらかかったのでしょうか。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square ターミナルの購入費用 | 39,980円 |
電話サポートの費用 | 0円 |
1年間の決済手数料 ※キャッシュレス決済比率50%で計算 |
14,375円×12カ月=172,500円 |
振込手数料 | 0円 |
取消手数料 | 0円 |
合計 | 212,480円 |
※この計算はあくまで目安であり、正確なものではありません。
Squareの料金体系がとてもシンプルなことに気付いたかもしれません。カード情報を読み取るのに必要な決済端末さえ購入しておけば、あとは決済が発生したときの決済手数料のみです。最小限のコストでキャッシュレス決済を導入したいというお店にぴったりではないでしょうか。
事例2:オンラインでSquareを導入したいです
オンライン決済でSquareを導入する場合、かかるコストは1点だけです。
(1) 決済が発生した際の決済手数料
決済端末が必要ないため、無料のSquareアカウントを作成すれば、すぐにでも導入できます。
Squareはオンライン決済として以下の方法を提供しています。
- メールで送れるSquare 請求書
- ネットショップの作成・運営ができるSquare オンラインビジネス
- リンクを共有するだけで決済ができるSquare リンク決済
ビジネスニーズに合わせて選ぶことができます。また、複数の方法を組み合わせることも可能です。
導入費用ゼロ円!
具体的な例とともに、費用を計算してみましょう。前述の喫茶店・コーヒー四角の2階にはブロック夫妻が経営する「英会話教室ブロック」が入居しています。コロナ前は対面がメインでしたが、コロナ禍をきっかけにオンラインに移行しました。
英会話教室ブロックでは月謝の徴収に課題を抱えていました。銀行振込を利用していますが、なかにはうっかり忘れてしまう生徒もいます。期日まで振り込まれているかどうかを確認し、振り込まれていない場合は個別に連絡する……という作業に毎月追われることになります。
コーヒー四角からSquareのことを聞き、思い切ってSquare 請求書を導入することにしました。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square 請求書の導入費用 | 0円 |
合計 | 0円 |
英会話教室ブロックがSquare 請求書の導入にかかった費用は0円です。
決済手数料は3.25%!
Square 請求書の使い方は簡単です。
①請求書のタイトルや請求額、支払期限などを入力し、各生徒のメールアドレスに送付
②Square 請求書を受け取った生徒は、メールの画面にある「カードで支払う」をクリックし、クレジットカードで月謝を支払う
③英会話教室ブロックと生徒の両方に支払い完了のメールが届く
Square 請求書はVisa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverの6ブランドに対応しています。生徒がどのクレジットカードで決済をしても、英会話教室ブロックが負担する決済手数料は3.25%です。
1カ月の決済手数料はいくら?
Square 請求書の導入から1カ月が経ちました。英会話教室ブロックの生徒は全部で30人、月謝は1カ月15,000円です。
15,000円×30人×3.25%=14,625円
1カ月の決済手数料 | 14,625円 |
振込手数料 | 0円 |
請求書の作成・送信費用 | 0円 |
合計 | 14,625円 |
クラウド請求書サービスの中には、「無料で作成できるのは月5通まで」といったところもありますが、Square 請求書なら何通の請求書を作成しても送っても、費用はかかりません。
定期送信で自動化に成功
Square 請求書には「定期送信」という機能があります。英会話教室ブロックでは月謝の金額が決まっているため、この機能を使って同じ内容の請求書を毎月30日に送信しています。支払期限の前日にリマインダーが送られるように設定したことで、支払遅延が起こることはほとんどなくなりました。
これまでは、期日までに振り込まれているかどうか、30人分の銀行振込を確認する必要がありました。定期送信とリマインダー機能を活用することで、月謝の請求から支払確認まで、手間が全くかからなくなりました。
1年間の費用はいくら?
英会話教室ブロックがSquareを導入して1年間が経ちました。1年間でいくらかかったのでしょうか。
Squareのアカウント作成費用 | 0円 |
Square 請求書の導入費用 | 0円 |
1年間の決済手数料 | 14,625円×12カ月=175,500円 |
振込手数料 | 0円 |
請求書の作成・送信費用 | 0円 |
合計 | 175,500円 |
※この計算はあくまで目安であり、正確なものではありません。
導入費用、維持費用を全くかけずに、月謝回収を円滑にできました。支払確認に時間がかからなくなった分、余った時間で新しい企画の準備をしています。インバウンド対応をしたいお店向けの接客英語ワークショップです。ワークショップの支払いは、「Square リンク決済」を使う予定です。
まとめ
- オンライン決済なら導入費用は0円。対面決済なら、決済端末の購入費用のみ。
- 日々の運用にかかるのは決済手数料のみ。対面決済の決済手数料は年間のキャッシュレス決済額によって異なる。
- アカウントの作成、維持、解約の費用はなし。売上金の振込手数料、決済の取消手数料も0円。
「色んな手数料がかさむんでしょ」「月々の固定費が高いのでは」という印象が覆ったのではないでしょうか。Squareなら、日々かかるのは決済手数料だけ。シンプルにコスト管理ができます。
お会計をすべてSquareで
決済受付、商品登録、価格設定、業務管理など、1台ですべてに対応できる「Square レジスター」。POSレジ搭載で、箱から出してすぐに使えます。お客さま用とスタッフ用の2画面が、スピーディーなお会計を実現します。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2023年4月28日時点の情報を参照しています。2024年11月1日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash