事業を始めるには、初期投資や運転資金などまとまった資金が必要になります。今回は、起業したい人に向けて、資金調達の方法を紹介します。
自己資金、家族や友人・知人からの支援
はじめに、貯金など自己資金を起業のための資金に充てることが考えられます。自己資金のメリットは、他者にお金を融通してもらうわずらわしさや、資金調達の手続きの煩雑さに悩まされないところにあります。また自分のお金なので、資金を使う際の自由度も高いといえるでしょう。一方、特にまだ社会に出て間もない人などはまとまった金額を自己資金で用意するのが難しいかもしれません。
自己資金と合わせて身近な資金調達の方法として家族や友人・知人といった近しい人たちに事業の資金援助をお願いすることも考えられます。お互いを知った仲なので、人によっては資金援助を頼みやすいかもしれません。自己資金よりも多くの金額をまかなえる可能性も高いです。ただ、これまで良好だった人間関係に金銭トラブルが起きてしまう可能性もあります。資金援助を依頼する際には、資金の用途や返済計画をきちんと説明し、金銭貸借の記録を残し、計画に基づいて返済をするよう心がけましょう。
金融機関からの融資
事業に必要な金額が大きい場合、自己資金や身近な人たちからの援助に加えて検討したいのが、金融機関からの融資です。金額が大きくなるだけに、綿密な事業計画書が必須になります。場合によっては担保や保証人が必要になることもあります。
金融機関からの融資を検討する場合、事業との相性がよさそうな地元の銀行や信用金庫などにまずは相談してみるところから始めてみても良いかもしれません。
「銀行融資のための事業計画書作成ヒント」の記事もぜひ参考にしてみてください。
国や自治体の補助金、助成金
国の起業支援制度として、経済産業省・中小企業庁の「創業・事業継承補助金」「小規模事業者持続化補助金」「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」といった補助金があります。金額は50万円から1,000万円ほどで、対象や補助率といった要件がつきますが、返済義務がないことが最大のメリットといえます。国の補助制度について詳しくは「2018年 起業のための補助金・助成金まとめ」を参考にしてみてください。
また、地方自治体が独自の補助金や助成金を用意していることもあります。若手やシニア、女性といった対象者を限定した助成、融資制度もあり、起業を検討している自治体のホームページや「自治体名+ 起業」といったキーワードで利用できる制度があるか調べてみるとよいでしょう。
クラウドファンディング
近年、広く一般から資金を調達するクラウドファンディングという方法が注目を集めています。資金調達をしたい人がクラウドファンディングのウェブサイト上で事業内容を説明し、資金援助に対する返礼を設定して支援を呼びかけます。クラウドファンディングは商品のプロトタイプを作るための資金調達に利用することもありますが、事業内容によっては起業資金の調達にも利用できそうです。500円、1,000円といった少額からの資金援助を設定することができ、事業を応援したいと思った人たちは気軽に支援ができます。クラウドファンディングを通じて数万円から数千万円と幅広い金額の調達に成功している事業者がいます。
ただし、支援を募るのは簡単ではなく、クラウドファンディングを行っていることを認知してもらうためにソーシャルメディアなどを使ったアピールは必須といえます。
また、支援してくれた人たちをがっかりさせないために、現実的な計画を立て遂行し、支援者に確実に返礼を届けられるようにすることも大切です。
クラウドファンディングのキャンペーンは簡単ではないものの、将来のお客様に創業期から応援してもらえるので、上手く行けば集客にもつながる資金調達方法です。
その他の調達方法
必ず資金調達につながるわけではありませんが、ビジネスプランコンテストに参加してみるのもひとつの方法です。人前で事業計画(ビジネスプラン)を発表し、フィードバックを受けることで事業計画のブラッシュアップにつながり、また受賞すれば事業の認知度もあがるでしょう。
数十万円から百万円ほどの賞金が出るコンテストもあり、資金調達にもつながります。また、IT分野を含む先端技術分野では「アクセレレータープログラム」と呼ばれる投資と起業支援を組み合わせた短期間のプログラムが世界各国にあるようです。この分野での起業を考えている人は詳しく調べてみてもよいのではないでしょうか。
さまざまな資金調達の方法について紹介しました。資金調達の方法はひとつとは限りません。事業と相性のよい方法を組み合わせて最適な資金調達方法を見つけましょう。
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執筆は2018年5月9日時点の情報を参照しています。
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