財務諸表(決算書)とは?基本財務諸表 、個別財務諸表と連結財務諸表

上場企業を始めとした企業には、財務諸表の作成が義務付けられており、財務諸表を読むことで企業の財務状況を知ることができます。この記事では、財務諸表とは何か、それぞれの書類で何が示されているかを詳しく解説しています。

財務諸表(決算書)とは

財務諸表とは「金融商品取引法の対象になる企業」の決算書のことです。財務諸表の中でも、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書は「財務三表」と呼ばれます。財務諸表は利害関係者(投資家や債権者など)に対して、企業の財政状況や経営成績を開示することを目的に、企業会計の基準に準拠して作成されます。情報の正確さと公平性を保つため財務諸表は、公認会計士または監査法人の監査を受ける必要があります。上場している企業の場合、有価証券報告書を閲覧することで、公式な財務諸表の詳細情報がわかります。

【参考サイト】有価証券報告書はどうやってみられるの

基本財務諸表とは

基本財務諸表には、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書の4種類が存在します。以下で詳しく見ていきましょう。

貸借対照表(B/S)

貸借対照表とは英語でバランスシート(Balance Sheet)と呼ばれることから、B/Sと表記されることもあります。貸借対照表は四半期ごとや半期ごとの各決算期末時点で作成され、企業資産・負債・純資産の金額と内訳を示しています。貸借対照表の形式は左右に分かれており、左側に企業の資産、右側に負債と純資産が記載されています。左側は調達した資金をどのように使用したか、右側はどのように資金を調達したかが書かれているので、左右の合計値は一致するようになっています。

  • 資産:現金、商品在庫、建物、土地、無形の権利など
  • 負債:支払い手形、売掛金、短期・長期借入金など
  • 純資産:資本金、利益過剰金など

損益計算書(P/L)

損益計算書とは、会社の利益を知ることができる書類のことを指し、英語では”Profit and Loss Statement (P/L)”と呼ばれています。1年間の経営成績を表すために作成される書類であり、有価証券報告書や決算短信に掲載されます。損益計算書には、収益、費用、利益が記載されており、企業がどれくらいの利益をどのように得ているのかがわかります。損益計算書の利益区分には以下の5つがあります。

  • 売上総利益
  • 営業利益
  • 経常利益
  • 税引前当期純利益
  • 当期純利益

キャッシュフロー計算書(C/F)

キャッシュフロー計算書とはその名の通り、お金の流れを示した種類のことを指します。上場企業では、決算の際にキャッシュフロー計算書の作成が義務付けられています。
キャッシュフロー計算書では具体的に、企業の活動を以下の3つに分けてお金の出入りを示しています。

  • 営業活動によるキャッシュフロー
  • 投資活動によるキャッシュフロー
  • 財務活動によるキャッシュフロー

キャッシュフロー計算書を読むことで、企業の資金状況がわかります。損益計算書や貸借対照表では把握しきれないお金の動きを確認できるので、投資家の多くも活用しています。

株主資本等変動計算書(S/S)

株主資本等変動計算書とは、貸借対照表の純資産の部にある株主資本の各項目の変動事由を報告するために作成される決算書のことを指します。すべての会社に作成義務があり、この決算書により、変動する資金の理由を知ることができます。株主資本等変動計算書には資本金、新株予約権、資本剰余金、利益剰余金の大きな項目が4つあり、繰越利益剰余金、自己株式などそれぞれのさらに細かな項目が記載されています。

個別財務諸表と連結財務諸表の違い

個別財務諸表とは、1つの企業について作成される財務諸表のことを指します。これに対して、グループ会社など複数の企業を1つの組織とみなして発行した財務諸表のことを連結財務諸表といいます。連結財務諸表は個別財務諸表を合算して作成されます。個別財務諸表と連結財務諸表はどちらも決算時に作成されます。日本では個別財務諸表のみが重視されていましたが、2000年の3月期から連結財務諸表の開示が義務付けられるようになりました。

次のステップ

事業継続と事業拡大

経営が軌道に乗ってきた後は、いかにして事業を継続するかが大切です。事業によっては拡大を目指すこともあるでしょう。事業の継続と拡大について学びましょう。


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