ネットからe-Taxで確定申告!必要な事前準備をおさらいしよう

確定申告といえば、必要書類をかき集めて、期限内に税務署で申告するイメージを持つ人も多いかもしれません。しかしながら昨年からは電子申告としても知られるe-Taxでスマートフォンからの申請も可能となり、時間や場所を問わず確定申告が行えるようになりました。さらに以前とは異なり、マイナンバーカードがなくてもe-Taxが利用できるようになったことから「今年はネットから申請しようかな」と考える事業主も増えているのではないでしょうか。この記事では、e-Taxのメリットを振り返りながら必要な物や申請方法を紹介します。

e-Taxのメリットとは

税務署に足を運んだり郵送で書類を送ったりしなくても、インターネット上で申告書類の作成から提出まで完了できるe-Tax。忙しいビジネスオーナーにとって最もうれしい特長は、時間に縛られず提出ができるという点でしょう。税務署は平日の限られた時間しか開いておらず、「なかなか時間が作れず先延ばしにしていた……」という人には、24時間ネットから提出可能なe-Taxがおすすめです。

加えて、「確定申告はいつまでに行えばいい?」では3つの提出方法を紹介しましたが、e-Taxはなかでも申請期間が長いのが特徴的です。

税務署での提出・郵送での提出は申請期間が2月中旬から3月の中旬までとおおよそ一カ月間であることに対して、e-Taxは1月上旬から3月半ばまでと二カ月半ほど設けられているうえ、国税庁のサイトによれば、1月、2月に提出を終えると、2、3週間ほどで還付申告も処理されるようです。

参考:e-Taxならこんないいこと(国税庁)

そのほかにも以下のようなメリットが挙げられます。

  • 源泉徴収票などの添付書類を提出しなくて済む
  • 送信したデータの控えはPDFで保存できる
  • パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からでも申請ができる

参考:税務署でIDとパスワードを取得していつでもどこでもスマホで申告(国税庁)

また、青色申告を行なっている場合に留意しておきたいのが、2018年の税制改正です。変更点としては以下が挙げられます。

・基礎控除額が38万円から48万円に
・電子申告を行わない場合の青色申告特別控除額……55万円
・電子申告を行なった場合の青色申告特別控除額……65万円

参考:青色申告特別控除額・基礎控除額が変わります!!(国税庁)

以前までは基礎控除額と青色申告特別控除額を合わせて合計103万円の控除が受けられましたが、改正により、電子申告を行うと合計控除額が113万円に引き上げられます。このように電子申告を行なった場合、青色特別控除額が従来に比べて10万円上がります。青色申告をするなら、電子申告で節税効果を最大化してみてはいかがでしょうか。

マイナンバーカードがなくても利用可能。e-Taxの事前準備をおさらい

2019年以前まではe-Taxを利用する場合、本人確認の手段としてマイナンバーカードの取得が必須でした。しかしながらマイナンバーカードの発行には一カ月ほど時間がかかるため、確定申告シーズンに入ってから作るとなると、提出期限日までに間に合わず、e-Taxを断念していた人もいるかもしれません。

冒頭でも触れた通り、2019年からはマイナンバーカードを持っていなくてもe-Taxが利用できるようになりました。その場合、税務署であらかじめに発行したIDとパスワードを本人確認の手段として利用します。

参考:マイナンバーカード交付期間(地方公共団体情報システム機構)

この変更に伴い、e-Taxの利用方法は、マイナンバーカード取得者のための「マイナンバー方式」と、マイナンバーを持っていない人のための「ID・パスワード方式」の二つに分かれました。どの方式を選ぶかによって確定申告の書類作成に取り掛かる前の事前準備が異なるので、希望する申請方法を読み進めてみてください。

まずは利用環境を確認しよう

いずれの方式でも、パソコン、スマートフォン、タブレット端末から申請が可能です。まずは利用環境が整っているかを確認しておきましょう。

パソコンで行う場合

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スマートフォンで行う場合

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参考:ID・パスワード方式とは(国税庁)

マイナンバーカード方式の事前準備

マイナンバーカードをすでに取得している場合に利用できる「マイナンバーカード方式」で申告をする際は、本人確認として以下を用意しましょう。

  • マイナンバーカード
  • ICカードリーダライタ(※)
  • 利用者クライアントソフト

※2019年以前まではマイナンバーカードに組み込まれている電子証明書の読み取りに、ICカードリーダライタが必要とされていました。しかしながら2019年以降は、NFC対応のスマートフォンで電子証明書が読み取れるようになり、対応しているスマートフォンさえあればICカードリーダライタは不要となりました。手元のスマートフォンがマイナンバーカードに対応しているかはこちらから確認しましょう。

スマートフォンがNFCに対応しておらず、ICカードリーダライタを購入する場合
マイナンバーカードの電子証明書を読み取れないスマートフォンをお持ちの場合は、ICカードリーダライタを購入する必要があります。ただし、なかには電子証明書の読み取りに対応していないICカードリーダライタもあるので、注意が必要です。購入する前に対応機器をこちらから確認しておきましょう。

利用者クライアントソフトとは?
NFC対応のスマートフォン、あるいはICカードリーダライタでマイナンバーカードの電子証明書を読み取るためには「利用者クライアントソフト」が必要です。パソコンやスマートフォン、タブレット端末など、申告をする機器によってダウンロードするソフトが異なります。必要なソフトはこちらからダウンロードしておきましょう。

ID・パスワード方式の場合

マイナンバーカードを取得していない場合に利用するのが「ID・パスワード方式」です。必要なものは以下です。

  • ID・パスワード方式の届出完了通知

ID・パスワード方式の届出完了通知とは、確定申告書等作成コーナーから書類を作成する際に入力する、IDとパスワードが書かれた通知書です。このIDとパスワードを入力することで本人確認が完了します。

2018年1月以降に確定申告を行なっている場合は、すでにこの通知を受け取っている可能性があります。控えなどを確認してみましょう。もし手元にない場合は、運転免許証などの本人確認書類を持参のうえ、税務署で発行してもらいましょう。

また、「ID・パスワード方式」はあくまでも暫定的な対応です。来年の確定申告に間に合うよう、早めにマイナンバーカードを取得しておくのが賢明でしょう。

参考:
ID・パスワード方式とは(国税庁)
ID・パスワード方式を利用するには、どうしたらよいですか?(国税庁)

e-Taxで確定申告をするには

事前準備が整ったら、以下にアクセスをし、書類を作成しましょう。

国税庁 確定申告書等作成コーナー(国税庁)

書類を作成するうえで必要となるものは確定申告に必要な書類とはで紹介をしているので、全て揃えたうえで取り掛かりましょう。

また、不明点がある場合は、ヘルプデスクに問い合わせてみるのも一つの手です。連絡先はこちらをご参照ください。また、電話をかける前に、国税庁が最もよく受ける質問をまとめた「お問い合わせトップ10」を確認してみるとすぐに答えが見つかるかもしれません。

近年ではパソコンやスマートフォン、タブレット端末などで、場所や時間を問わず行えるようになった確定申告。2019年以降はマイナンバーカードがなくても利用が可能となったことから、より幅広い層が利用できるようになりました。税務署に足を運ぶ時間がない場合は、週末に自宅から、あるいはふとできた空き時間にでも申告ができるe-Taxを活用してみてはいかがでしょうか。


続けて読もう!確定申告の誤りを修正する方法

(1)確定申告はいつまでに行えばいい?
(2)確定申告に必要な書類とは?
(3)e-Taxで確定申告を行う方法
(4)確定申告の誤りを修正する方法

執筆は2019年12月30日時点の情報を参照しています。
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