Eコマース(ネット販売)を始めるにあたり、独自のECサイトやネットショップを持っていなくても、Instagramを活用して販売する方法があります。商品の魅力発信とネット販売を同時にできるInstagramは、ビジネスオーナーなら知っておきたいオンラインツールです。そこで、既にECサイトを持っている場合、持っていない場合の二通りについて、Instagramで商品販売をする方法を紹介します。
目次
- Instagram (インスタグラム)とは
- Instagram (インスタグラム)で商品を販売する方法
- 【ECサイトがある場合】Instagramショッピングを利用しよう
- Instagramショッピングのメリット
- Instagramショッピングのデメリット
- 【ECサイトがない場合】Square リンク決済を活用しよう
- Instagram ショッピングとSquare リンク決済の違い
- Instagramで販売を成功させるコツ
Instagram (インスタグラム)とは
「インスタ」の略称でも親しまれる「Instagram(インスタグラム)」は、写真や動画を中心とした投稿を共有して楽しむことができるソーシャルメディアです。スマートフォンアプリを通じて、きれい、可愛い、格好いいといったポジティブなメッセージを共有しやすいことから、Instagramはおしゃれなイメージの強いプラットフォームとして、10代から20代を中心に幅広い世代に爆発的な人気を誇っています。
Instagramは個人でも企業でも利用することができ、タレントや俳優、ファッションブランドの他、スモールビジネスにとっても商品やサービスの宣伝、イメージ戦略、販売などに有効です。国内のInstagram利用者(月間アクティブアカウント)数は、2019年3月時点で3,300万人に達するなど年々増加中で、ビジネスに利用しやすい新機能も順次追加されています。
参考:Instagramの国内月間アクティブアカウント数が3300万を突破(Facebook)
Instagram (インスタグラム)で商品を販売する方法
Instagramの使い方は、写真や動画を共有するだけに留まらず、
- 有料でビジネス広告を配信する
- カタログ機能を利用し商品のディテールを伝える
- Instagramショッピング機能を使って商品を販売する
など、宣伝や利益を高めるために活用することも可能です。
Instagramで商品販売する際は、まずソーシャルメディアとしての使い方を知っておくと、ユーザー心理を理解しやすくなるでしょう。
Instagramの個人アカウントは、Eメールアドレスがあれば作成可能です。登録したら、好みのアカウントをフォローすると、そのアカウントの投稿が自動的に自分のフィードに流れてくるようになります。他にも「#(ハッシュタグ)」と呼ばれるタグを付けたキーワードを検索したりフォローしたりすることで、そのハッシュタグの付いた投稿を見ることができます。
Instagramを使った商品販売は、ECサイトの有無によって方法が異なります。気になる販売方法は以下で紹介しています。
【ECサイトがある場合】Instagramショッピングを利用しよう
ECサイトがすでにある場合は、「Instagramショッピング」が便利です。
Instagram ショッピングとは
Instagramショッピングとは、Instagram上で見つけた商品をすぐにユーザーが購入できるよう作られた機能です。具体的には、Instagram上で見つけた商品画像についている「商品タグ(※)」をユーザーがタップしていくと、商品購入画面に飛ぶことができる、というものです。日本では2018年に導入された、比較的新しい機能です。
※店舗側がInstagramショッピング機能の設定をする必要があります。
Instagramショッピングが誕生するまでは、Instagramの商品画像からECサイトに誘導する術がなく、ユーザーは以下のようなステップを踏んでECサイトを訪問していました。
- InstagramのプロフィールなどにあるURLからECサイトに飛ぶ
- ECサイト内から目当ての商品を探し出す
ECサイトにアクセスするためにそのURLを見つけないといけなかったり、ECサイトにたどり着いてから目当てのものを探し出したりする必要があると、あまりの手間からユーザーは「じゃあ、いいや」と購入を断念してしまうかもしれません。Instagramショッピングの機能を活用すれば、このような手間が省けて、投稿画像をタップするだけで商品の購入画面に直接飛べるようになります。
Instagramショッピングはこのように、これまでの機会損失を防いで、売上アップに変えていける有力なツールでもあります。
Instagramショッピング機能の導入方法
以下にある7つのステップを踏むと、
- 既存のECサイトとInstagramとの連携
- Instagramショッピング機能の利用開始
を実現することができます。
(1) 利用要件を満たしているかを確認する
(2) 【アカウントが個人用の場合】ビジネスアカウント、またはクリエイターアカウントに切り替える
(3) Facebookのページにリンクさせる(※ページがない場合は新たに作成する)
(4) 販売商品をまとめた商品カタログを作成する
(5) アカウントの審査を受ける
(6) 審査通過後、商品販売開始の設定をする
(7) 商品画像にタグを付ける
Instagramの公式サイトでは上記の手順を細かく噛み砕いて説明しているので、いざ利用をはじめると決めたら参考にしてみてください。
Instagramショッピングのメリット
利用をはじめる前にまずはInstagramショッピング機能のメリットやデメリットも知っておきたい、という人もいるかもしれません。メリットとしては、売り上げ・ECサイトへの流入数のアップといったうれしい効果が期待できます。
売上アップが期待できる
前述のように、ユーザーはInstagram上で見つけた商品の投稿をタップすれば、ものの数秒で購入画面に飛ぶことができます。
購入画面にたどり着くことが難しければ購入を諦めてしまう可能性もありますが、手間をかけずに簡単に購入に進めれば、ユーザーの「購入しよう」という思いにも拍車がかかるでしょう。
一度ECサイトにたどり着いてしまえば、ユーザーは購入予定の商品のほかにも気に入った商品を探し出し、買い物カゴに商品を次々と追加してくれるかもしれません。
このようにECサイトへのアクセスのしやすさは、機会損失を減らし、客単価アップにつなげていくうえでも考慮しておきたい点でしょう。
ECサイトへの流入数のアップが期待できる
どんなに素敵なECサイトがネット上に存在していても、そこにアクセスするための経路がなければ、訪問者も増えにくいでしょう。Instagramショッピングを使えば、Instagramが立派な販売経路となり、ユーザーは投稿から数タップで簡単にECサイトに行き着くことができます。
Instagramショッピングの活用は、より多くの潜在顧客にECサイトの存在に気づいてもらい、アクセスしてもらうための手段ともいえるかもしれません。
Instagramショッピングのデメリット
売上拡大におけるお役立ちツールともいえるInstagramショッピングですが、デメリットとして手間がかかることが挙げられます。前述の設定においてもそれなりの時間を割く必要があるうえに、商品の撮影・投稿文の作成などにもある程度の時間を費やす必要があります。
投稿画像の準備にかける時間はもちろん自由ですが、Instagramは画像が勝負どころだということも忘れてはいけません。ユーザーの目に留まらなければ、ごまんとある画像のなかに埋もれてしまう可能性もあります。アパレルであればコーディネートまで見せたり、マグカップであれば素敵なインテリアの中に置いたり、商品の見せ方はある程度の工夫を凝らしたほうが、ユーザーの目に留まる確率も上がるでしょう。
【ECサイトがない場合】Square リンク決済を活用しよう
ECサイトがない場合、あまり手間をかける時間がない場合には「Square リンク決済」というサービスが便利です。
Square リンク決済とは
Square リンク決済とは、商品ごとにオンライン決済用のリンクが作れる機能です。ユーザーはリンクをクリックするだけで決済画面に進むことができます。
リンクの作成は商品名や値段などを登録するだけで簡単にできる点が特徴で、月額利用料や固定費なく、かかるのは取引ごとの決済手数料のみ(※)です。
※決済手数料は3.60%です。詳しくはこちらからご確認ください。
Square リンク決済をInstagramで利用するなら、商品やサービスを投稿で紹介した上で、
- プロフィールページに決済用のリンクを貼る
- 購入希望者にダイレクトメッセージでリンクを送る
などの使い方が可能です。独自のECサイトを持たずに販売をスタートできるため、低コストでビジネスを運営することができます。サブスクリプション機能もあるので、毎週・毎月など定期的な販売にも活用が可能です。
また、Instagramに限らず、Twitterなど他のソーシャルメディアやブログ、メールマガジンなどでも、Square リンク決済のリンクを使って商品を販売することができるため、販売チャネルを拡大しやすい点もメリットです。
Square リンク決済の始め方
Square リンク決済はSquareの無料アカウントを作成するだけではじめることができます。オンライン決済用リンクの作成からInstagramで活用するまでの流れは以下の通りです。
- Squareのアカウントにログインし、[リンク決済]の項目をクリックする
- [リンクを作成する]をクリックする
- 商品内容(商品名、価格、特定商取引法に基づく表記など)を入力する
- 作成できたリンクをコピーしInstagramのプロフィール欄に貼り付ける、あるいは購入希望者にリンクをダイレクトメッセージ(DM)で送る
詳しい手順は「Square リンク決済をはじめる」からもご確認ください。
Square リンク決済の導入事例
Square リンク決済を商品販売に生かしている事例を紹介します。
ドライフラワー専門店「mukutou」
ドライフラワー専門店のmukutouでは、Square リンク決済を活用することで、Instagramをネットショップのように扱うことができています。
ネットショップも実店舗もあえて開かず、Instagramのメッセージ機能を通じたお客さまとのやりとりで注文と決済を受け付けています。オーナーの宮下恵介さんは、Square リンク決済の気に入っている点について以下のように話しています。
「やっぱり一番はすごく簡単なところです。UIもわかりやすいなと思いました」ーmukutou オーナー 宮下恵介さま
▲mukutouでは予算やシーンに合わせたドライフラワーのカスタムブーケを注文できます
コーヒー焙煎所「角川クラフト ROASTERY & CAFE」
東所沢にあるコーヒー焙煎所角川クラフト ROASTERY & CAFEでは、親会社であるKADOKAWAの社員から集まった「自宅でも角川クラフトのコーヒーが飲みたい」という要望がきっかけに、Square リンク決済を導入しました。社員用のサイトに購入画面に飛べる決済リンクを載せ、コーヒー豆を販売しています。
「リンクはあっという間にできました。最初は自分でも試しに決済をしてみましたが、何の問題もなかったですね。迷いなくできました」ー株式会社角川クラフト 取締役 河田聡さま
▲角川クラフト ROASTERY & CAFEではスペシャルティコーヒー、コーヒー関連グッズを販売しています。
Instagram ショッピングとSquare リンク決済の違い
InstagramとECサイトを連携させることでより多くのお客さまをECサイトに誘導できるツール、Instagram ショッピング。利用するとアクセス数の増加、売上拡大などが期待できますが、求められる条件が多かったり、はじめるまでにさまざまな手順を踏む必要があったりするため、大変に感じる人もいるかもしれません。一方でSquare リンク決済は数分ではじめることができます。
どちらを利用するべきか迷っている人に向けて、二つの具体的な違いを説明します。
利用条件
利用にあたり、クリアしなければいけないことがいくつかあります。
Instagramショッピング | Square リンク決済 |
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●Instagramショッピングを利用できる国にビジネスの拠点がある ●Instagramのショップで販売可能な商品を扱うこと ●販売契約とコマースポリシーに遵守すること ●アカウントの審査を通過すること |
●加盟店審査を通過すること ●特定商取引法に遵守すること |
さらにInstagramショッピングを利用する場合はFacebookページの開設が必要なうえ、商品の情報と画像をFacebook、あるいはECサイトのプラットフォームを通して登録する必要があります。
販売方法
購入手続きは全てECサイト上で完結したい、という場合はInstagramショッピングが適しているかもしれません。InstagramショッピングではInstagramに投稿した画像にタグをつけることで、ECサイトの商品購入ページに飛べるよう設定することができます。購入手続きはあくまでもECサイトで行うことになります。
また、Instagramショッピングを利用するには、Instagramショッピングとの連携が可能なサービスを使ってECサイトを作成する必要があります。たとえばSquareのECサイト作成機能なら、Instagramショッピングとも簡単に連携することができます。
一方、ECサイトの有無問わず、お客さまとやりとりをしながら商品を販売したいと考える人には、Square リンク決済がおすすめです。投稿した画像に「掲載商品の購入を希望の方はDMでお問合せください」というような一文を添え、購入希望の問い合わせが来た際にInstagramのメッセージ上でオンライン決済用のリンクを送ります。直接やりとりをすると、お客さまの商品に対する反応も直に伝わってくるでしょう。
Instagramショッピング | Square リンク決済 |
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購入手続きはECサイト上で行う | ダイレクトメッセージを通じてお客さまに決済リンクを送る |
利用開始までにかかる時間
Instagramショッピングをはじめるにはまず、ECサイトと連動させたい商品の情報や画像を登録しなければいけません。毎日どれだけの時間が割けるかにもよりますが、準備から利用開始までには一週間から一カ月ほどかかると考えておくといいかもしれません。
Square リンク決済ならSquareの無料アカウントを作成し、加盟店審査の結果が届けばすぐにはじめることができます。
Instagramショッピング | Square リンク決済 |
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一週間から一カ月ほど | 最短即日から利用可能 |
手数料
Instagramショッピングの利用自体にコストはかかりません。ただしInstagramに投稿した商品画像を広告として宣伝する際には、広告の規模や期間に応じたコストをその都度支払う必要があります。
Square リンク決済を利用すると、お客さまがオンライン決済用リンクから決済をするたびに3.6%の決済手数料が発生します。導入費用、月額利用料金などはかからず、売上額は決済日の翌営業日に指定口座に振り込まれます。
▼Squareの振込スケジュールはこちらをご確認ください:
»»Squareの振込スケジュール««
Instagramで販売を成功させるコツ
Instagramで商品販売を成功させるためには、投稿を見てくれるフォロワーやファンを獲得することが不可欠です。投稿する際には、検索してもらいやすくするためにハッシュタグを上手に活用し、フォローや「いいね」を多く獲得することで、アカウント自体の認知度も向上させ、まずは「フォローしたくなるInstagramアカウント」を目指しましょう。
Instagram投稿の最大の魅力は、視覚に訴えかけ、多くの情報を盛り込めることです。アクセサリーや服の宣伝をするなら、販売したい商品をただ載せるだけでなく、コーディネートの紹介や利用シーンをイメージさせる演出も鍵となります。同じ服でも、組み合わせ次第で何倍にも楽しめることが伝われば、コーディネートの参考にしたい人がフォロワーになり、やがて販売につながりやすくなると予想されます。
また、投稿のコメント欄や「いいね」の機能を通じてユーザーと交流することも、ファンを獲得しやすくする方法です。商品投稿についての質問に答える、商品機能やカラーバリエーションなどの要望を今後の参考にするなど、真摯な対応はビジネスに良いイメージをもたらします。
オンラインショッピングの利便性にますます注目が集まる中、ソーシャルメディアとしての面白さを生かしながら、ぜひInstagramを商品販売に活用してみましょう。
ECサイト不要でオンライン販売が可能に
Square リンク決済なら会計リンクを作成しSNSやメールで共有するだけ。ECサイトがなくても誰でも簡単ににオンライン販売が可能です。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2020年11月3日時点の情報を参照しています。2024年7月5日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash