場所は都心部の主要駅からアクセスしやすい目黒区。JR山手線目黒駅の西口を出て、目黒通りを3分ほど進むと右手に現れるのが、今回お話を聞いたひでまる救急クリニックだ。ビル内の1階と2階のスペースを確保して、発熱外来と一般診療に分けてコロナ禍に対応している。
開院は2021年の1月。Squareのキャッシュレス決済端末は、病院を開けた初日から利用している。ここでは市丸院長にひでまる救急クリニックの話を伺いながら、病院専用の会計システムではなくSquareでキャッシュレス決済を導入した理由、利用している上で特に気に入っている点などを聞いてみた。
業種 | 医療業 |
業態 | 救急クリニック |
利用しているサービス | Square リーダー、Square ターミナル、Square データ |
導入を検討した理由 | ・病院の内装と端末のデザインの相性がよかったため ・勤怠管理と決済を受け付けられる一体型端末だったため ・膨大なコストをかけずに導入できたため |
Squareが役に立っている点 | ・勤怠管理と売上管理を一つの管理画面から行える ・曜日ごとの売上統計がすぐに見れる |
救急クリニックと聞くと、救急車で運ばれるようなイメージを思い浮かべるかもしれない。ところがひでまる救急クリニックではもっと日常的な困りごとを「あなたの救急」として捉え、救急受診のハードルを下げることをポリシーとしている。たとえば 「花粉症で鼻水が止まらず明日のプレゼンまでに薬が必要!」「子どもが口にクレヨンを入れてしまった!」「仕事で日中に行けるクリニックがない」 というのも救急のうち。実際に消防の救急ダイアルにかかってくる電話には、このような日常の小さな困りごとが多いと市丸院長は話す。
都内の大学病院で10年以上救命救急医を勤めてきた市丸院長がキャリアを積むなかで気づいたのは、こうした日常的な救急について気軽に相談できるクリニックが都内に少ないということ。「こんなことで救急病院に行くなんて、大げさ過ぎるかも……」と一歩引いてしまう患者様が気軽に相談に立ち寄れる場所を作ろうとはじめたのが、ひでまる救急クリニックだ。
ひでまる救急クリニックのいいところは、救急医だからこそ実現できる幅広い症状に対する診察だと話す市丸院長。内科・外科・小児科・整形外科を診療科目として挙げているので、何科にかかればいいかわからない症状でも、まず診てもらえる。このようなことから、どんな困りごとにおいても信頼できる「かかりつけ医」として機能することを目指しているのだそう。また診療科のみならず人種や性別を問わずに診療する「ボーダレス診療」もクリニックの特徴である(クリニック入口には世界各国の言葉の案内が書かれている)。
現金払いが減ってくる時代はすぐそこにある
医療現場におけるキャッシュレス決済の導入は、進んでいるとはいえない状況かもしれない。規模の大きい総合病院ならまだしも、地域のクリニックでは現金のみのところもまだまだ多い。ところがひでまる救急クリニックは、急な怪我や病気での受診患者も多く、このような特性を踏まえてネット予約ができたり、キャッシュレスで支払えたりと、患者様にとって利用しやすいような工夫が大切だと考えていた市丸院長。
「現金の準備をしてこれないこともあると思うので、そういうときに『カードでも電子マネーでも払えます』と言えれば、対応しやすいですよね」
利便性の向上は導入を決めた大きな理由だが、それ以上に大きかったのは感染症のまん延だったという。現に開院した2021年1月はちょうど東京に緊急事態宣言が発令されていた時期で、衛生面を気にする人もたくさんいた。
患者様の不安を取り除くためにも、現金の受け渡しをしないで済む自動精算機を導入。接触機会が減らせるキャッシュレス決済に対応するためには、Square リーダーを取り入れた。病院用の会計システムも存在するなかで、なぜSquareに決めたのだろう。
「もちろんクレジットカードや電子マネーなどの決済方法ができるということはありましたが、理由はダントツでデザインでした(笑)。うちのクリニックはパソコンなどが全部Apple製品なので、見た目の相性がいいと感じました。決済端末を置くとかなりスペースを使ってしまう印象でしたが、受け付けの中に置ける小ささもいいですね」
▲Square リーダーでクレジットカード決済を受け付けているイメージ
決済を受け付けていくうちに気づいたのは、想像以上に控えを希望する患者様が多いということ。Square リーダーはレシートプリンターともつなげられるが、レシートプリンターは別売りだ。対応策として、市丸院長はレシートプリンターが搭載されたオールインワン決済端末、Square ターミナルに迷うことなく乗り換えたという。操作については、端末が届いたその日からトレーニングなしで使えてしまうほど簡単だったという。
「iPhoneとかスマホを触っている感覚と近いじゃないですか。ほとんどみんな触っていくだけでわかるんじゃないですかね。こうやってレシート出るんだ、とか(笑)」
▲Square ターミナルでタッチ決済を受け付けているイメージ
最初に導入したSquare リーダーと比べると、少し値が張るSquare ターミナルだが、導入コストについてはどう感じたのだろう。
「電子カルテに付随する会計システムのほうが高いと思います。医療系のソフトは相手が法人だったりするので、高めに設定しているような印象です。なので、(端末代金が)高いとは全く思わなかったです」
端末からキャッシュレス決済以外の機能が使えることも魅力的に映った。
「勤怠管理とレジが一体型。これはかなり大きかったです。普通は別々に使うのがほとんどですよね」
タッチスクリーンがついたSquare ターミナルなら、会計金額の打ち込みも、キャッシュレス決済の受け付けも、スタッフの出退勤の打刻も、すべて同じ端末から行える。ひでまる救急クリニックではアクセス権限を複数設定したいことから有料プラン(月額3,000円)を利用しているが、出退勤の打刻だけなら無料で利用できる。つまり必要な機能によっては、コストをかけずに勤怠管理システムを導入できるのだ。
※プランごとの機能についてはこちらからご確認ください。
端末で受け付けた決済の記録やスタッフが記録した勤務時間などについては、Squareの管理画面上で、パッと確認することができる。売上レポートに関しては、毎日メールで受け取ることも可能だ。メールで売上情報を受け取れるのは、市丸院長のお気に入りの機能でもある。「如実に数字に出るので、クリニックの状況把握の上で役に立っています。曜日によって患者数がだいぶ変わるクリニックとしては、曜日ごとの売上レポートが見れるのは助かりますね」
※スマートフォンからでも、パソコンからでもログインすることができます。
売上レポートからは現金とキャッシュレスでの決済額を分けて見ることもできる。ひでまる救急クリニックでは、多い日だとキャッシュレス決済が全体の三分の二を占めることもあるという。キャッシュレスのニーズを肌身で感じている市丸院長に、あらためてクリニックがキャッシュレスに対応しておくべき理由を聞いてみた。
「世代ですかね。自分自身の世代(40代)を考えると、ETCで高速に乗らない人なんて少ないと思うんです。同じように、クリニックで現金払いが減ってくる時代がすぐそこにあるのは見えています。そしてコロナを経て現金のやりとりを避けたい患者様が増えているのは間違いないと思います」
カードも電子マネーも、マルチ決済端末はこれ1台
全画面タッチディスプレイ、レシート印刷機能、ワイヤレスで持ち運び可能、スタイリッシュなオールインワン決済端末「Square ターミナル」でキャッシュレス決済を始めよう。
アットホームなクリニックを目指して
どんなときでも利用しやすいクリニックを作りたいという一心で、前述のキャッシュレス決済はもちろんのこと、対面診察とオンライン診療を組み合わせたハイブリッド診療なども取り入れているひでまる救急クリニック。患者様にとってストレスの少ない取り組みをどんどん組み込んでいくのはもちろんのこと、診察する患者様一人ひとりにとって身近な存在になれるようアットホームな雰囲気づくりも心掛けていることの一つだという。
「私が本当にやりたかったのは、いい意味でアットホームさを出すことです。医療サービスとしての礼儀だとか、そういったものは当然必要なんですけど。はじめましての方でも帰るまでには少し仲良くなっていたりとか、顔や名前を覚えて、2回目に来た方には『はじめまして』ではなくて、『お久しぶりです』と言うとかですね。救急と聞くと構えてしまったり不安を抱えて来られる方も多いと思うので(笑)。あらゆる場面で便利になっていても患者さんとの会話やコミュニケーションを減らさず、むしろ大切にしていきたいですね」
一度きりの救急ではなく次も、その次も「ここにかかろう」と思うには、変に緊張せず何でも相談できる空気感が大切かもしれない。患者様の思いを汲み取り、細部まで気を抜かない姿勢が印象に残る。最後に、今後の展望を市丸院長に聞いてみた。
「まだ開院してから半年ちょっとの身分なので、ビジョンを語るほどではないのですが、二つアイデアがあります。駅前のそば屋のように、『街の救急スタンド』みたいな形で各地域へ拡大していくということも考えています。困った方が便利に救急を利用できれば、街の健康の安心にもなるかもしれません。もう一つ、今現在の目黒のクリニックを拠点に小児科やリハビリ施設、保育園などを近隣に設けていくというビジョンもあります。どちらかはまだ決めかねますが、今後の世の中の動きを見ながら決めていこうと思います」
「勤怠管理とレジが一体型。これはかなり大きかったです。普通は別々に使うのがほとんどですよね」ーひでまる救急クリニック 市丸秀章さま
ひでまる救急クリニックがSquareで実現したこと
導入コストを抑えて幅広いキャッシュレス決済に対応できた
ひでまる救急クリニックでは、病院専用会計システムの導入よりもコストを抑えて、幅広いキャッシュレス決済方法に対応することができました。Squareなら小型の決済端末は4,980円(税込)、レシートプリンター搭載のオールインワン決済端末なら39,980円(税込)です。初期費用は端末代金のみで、決済ごとの手数料以外の固定費はありません。どちらを導入した場合にも、以下のカードブランド・電子マネーに対応することができます。
※利用を開始するには審査に通過する必要があります。
勤怠管理と決済機能を一箇所からできた
勤怠管理と決済機能では、それぞれ異なるサービスを取り入れるビジネスも少なくありません。Square ターミナルを導入したひでまる救急クリニックでは、1台の決済端末からキャッシュレス決済にあわせて、スタッフは出退勤の打刻もできています。
曜日ごとの混み具合を簡単に把握できた
ひでまる救急クリニックでは、毎日メールで送られる売上レポートを通して、どの曜日に来院数が多いかを把握することができました。売上レポートの使い方について詳しくは「売上管理の方法を解説!Squareの売上レポート機能を活用しよう」の記事から、日次売上サマリーをメールで受け取る方法は「Squareからの通知メールを管理する」の記事からご確認ください。
端末が届いたその日から使い始めることができた
ひでまる救急クリニックでは、操作方法を身につけるトレーニング期間などは特に設けなかったそうです。普段利用しているスマートフォンの操作方法と似ていることから、受け付けのスタッフも端末が届いたその日からすぐに使いこなすことができました。
この事例に登場したSquareのサービスは: