体調がすぐれないとき、「何科で診てもらえばいいのだろう」と迷う人は少なくないかもしれない。「このクリニックに行けば、内科なのか、あるいは整形外科で診てもらうべきなのか、などを適切に判断してもらえる」。患者様がそのように安心して受診できるクリニックを目指して、沖一匡(おき・かずただ)院長が2020年11月に開院したのが「やちよ総合診療クリニック」だ。CT検査、MRI検査、血液検査、エコー検査などが行えるうえ、救急科やリハビリ施設を備えており、診療科目は全部で10ある。
訪れる患者様は場所柄、近隣の人が多い。年齢層は幅広く、予防接種を受けに来る生後二、三カ月の赤ちゃんからお年寄りまで、老若男女問わず受診する。都心からだと東京メトロ東西線(途中東葉高速鉄道に接続)に乗り、一時間ほど東に向かうと行き着く、千葉県八千代市の「八千代緑が丘駅」が最寄駅になる。
沖院長が決済方法として待合室に導入したのは、自動精算機。現金とクレジットカード決済はここで受け付けている。ところが発熱患者様に関しては、通常の患者様と接触するといけないため、待合室にある自動精算機に立ち寄れない。そこで待合室を介さずに患者様のもとまで持ち運べる決済端末として、Square リーダーを導入している。この記事では、数あるモバイル決済端末のなかからSquareに決めた理由と、Squareを導入して助かっている点について、沖院長と、事務長の青木翔平さんに話を伺った。
業種 | 医療業 |
業態 | 無床診療所 |
利用しているサービス | Square リーダー、Square POSレジ |
導入を検討した理由 | ・導入コストが安価 ・対応しているキャッシュレス決済の種類が多い ・端末が無線で、持ち運べる ・おしゃれなデザイン |
Squareが役に立っている点 | ・従業員にとって使いやすい ・会計処理が楽になる |
検討から導入までは一カ月弱
開院当初は実のところ、モバイル決済端末の導入は検討していなかった、と青木さんは話しはじめる。
「最初は自動精算機があるからいいよね、という姿勢でした。それが、発熱患者さんの対応をしていくなかで、必要かもしれない、という話になったんです」
冒頭にもある通り、通常の患者様と発熱患者様が接触しないためにも、発熱患者様は待合室にある自動精算機が利用できない。別の入り口から診察室に直接入室してもらう、駐車場に停めている車で待機してもらう、などの場合に、決済はどのように受け付ければいいのだろう。
発熱患者様の対応が少なければ、スタッフが自動精算機を行き来しながら対応ができたかもしれない。ところが、実際に来院した発熱患者様の数は想定以上。待合室を介さずに、患者様のところまで持ち運べる決済端末があったほうがいい、と痛感しはじめたのは、開院して数週間後のことだった。
やちよ総合診療クリニックが検討したモバイル決済サービスは、Squareを入れて二社。比較して真っ先に気がついたのは、Squareのほうが導入コストが安い(端末代金のみ)こと。自動精算機では受け付けられない交通系ICなどの電子マネーに対応できるのもSquareのみ。他社は対応していなかった。条件としてあった「持ち運びができる」という点に合わせて、ある程度使い慣れているiPadと接続して使えることに親しみを覚え、Squareの導入に踏み込んだ。導入にかかった時間については「検討から導入まで、おそらく一カ月経たないくらいでできたとと思います」と青木さん。
また、実際に決済を受け付けるスタッフにも意見を聞いてみたところ、病院の内装と溶け込むSquareのデザインが関心を集めた。「女性スタッフに聞いたときに、『見た目がおしゃれでいいよね』という意見はありましたね。うちは男性が少ない職場なので、女性の意見が重宝されますね(笑)」
トレーニングは小一時間で終了
やちよ総合診療クリニックの受付スタッフのうち、モバイル決済端末の使用経験を持つのは、8人中たったのひとり。
スタッフの年齢層は20代から40代ほどで、レジ代わりに使うタブレット端末には抵抗がない人がほとんどだったが、使ってみるまでは「難しそう……」という声もちらほらあったそう。患者様の前であたふたしてしまわないようにと、青木さんは使用方法を身につけるための勉強会を実施した。
「小一時間くらいで使い方の説明をして、みんなで触ってみて、などをしました。それからは、使いづらいって話はあまり出てないですね。『あんまり使いたくない……』という不満の声もあがっていないので、みんな問題なく使えているのかなと思っています」
患者様とのやりとりがスムーズ
Squareで決済を受け付けるのは、発熱患者様と、自動精算機では受け付けられない交通系ICなどの電子マネーを希望した患者様。基本的には自動精算機での支払いが主のため、その二つを合わせても全体の1割ほどだという沖院長。利用頻度がそこまで多くないと慣れるのにも時間がかかりそう……と思いきや、手こずることはあまりないよう。特にPOSレジのつくりはスタッフにもわかりやすくて、気に入っている点だと話す青木さん。
「実際に触ってみると、使いやすいんです。患者様にわかりやすいのも大事だと思うんですけど、結局スタッフのほうで操作方法がわからないと、教え合いで手間取ったりと、患者様に迷惑をかけちゃうとおもうので。やっぱり導入がわかりやすいのは一番のメリットだと思います」
パッと見ただけでわかるシンプルな決済画面のおかげで、患者様とのやりとりもスムーズに行えている。
「iPad上のアプリ(Square POSレジアプリ)に打ち込むと、すぐに金額が表示されて、あとは支払い方法を選択すればいいだけなので。患者様からしてもわかりやすいですよね。それからクレジットカード決済をすると、署名が必要だと思うんですけど、ご高齢の方にも『ここ(タブレット画面)、指で構わないので書いてください』という説明がわかりやすいようです」
また、Squareで決済を受け付けるためには、Wi-Fiやモバイル回線が必要になる。基本的には、iPadなどのタブレット端末とBluetooth接続をし、Wi-Fiやモバイル回線の環境が整っていれば、問題はない。
ところがやちよ総合診療クリニックのように、診療室や駐車場など、さまざまなところに持ち運ぶなかで「接続が途切れたり、不安定になったりすることはないの?」と気になる人もいるかもしれない。
この点に関して青木さんは、「うちでは基本的にWi-Fiでつなげています。駐車場までいく分にはWi-Fiの圏内みたいなので、問題なく使えています」と答えている。
会計処理もかんたん
やちよ総合診療クリニックでは、売り上げの管理先が自動精算機・小口の金庫・Squareと三つに分かれる。それぞれの売り上げを計算したり、照らし合わせたり、一日の締め作業にはなかなか時間がかかりそうな印象も受けるが、実際のところ、あっという間に終わるらしい。特に売り上げを自動集計してくれるSquareは、効率化を図るうえでも役立っているそう。
「(パソコンからSquareのアカウントに)ログインすると、すぐに売り上げが見れるじゃないですか。パッと見でわかりやすいですね。最終的に自動精算機・小口金庫・Squareからの一日の売り上げは、電子カルテに打ち込んでいます。Square データに表示されている売り上げを、自動精算機と小口金庫の売り上げと足して、一日の総売上になるかを確認すれば、その日の売り上げは合っていることになります。照らし合わせがしやすいのはメリットかなと思いますね」
「結局スタッフのほうで操作方法がわからないと、教え合いで手間取ったりと、患者様に迷惑をかけちゃうとおもうので。やっぱり導入がわかりやすいのは一番のメリットだと思います」ーやちよ総合診療クリニック 事務長 青木翔平さま
Squareが実現したこと
トレーニング時間を削減できた
やちよ総合診療クリニックでは、決済端末の使い方に手間取るあまり、患者様を待たせてしまわないためにも、スタッフがすぐに使いこなせるキャッシュレス決済サービスを理想としていました。タブレットから利用するSquareのPOSレジは、小一時間ほどの勉強会のみで、ほとんどのスタッフが使いこなせるようになりました。
持ち運び可能な決済端末を安価で導入できた
Square リーダーの導入コストは、端末代金の4,980円(税込)のみ。やちよ総合診療クリニックが必要としていた持ち運び可能な決済端末が、安価で導入できました。
交通系ICや電子マネーも受け付けられるようになった
当初導入していた自動精算機では、現金とクレジットカードしか受け付けることができませんでした。Squareを導入してからは、交通系ICを含む電子マネー(※)にも対応できるようになりました。
※電子マネーには、交通系ICのSuica, PASMO, Kitaca, TOICA, manaca, ICOCA, SUGOCA, nimoca, はやかけんと、iD、QUICPayが含まれます。PiTaPaはご利用いただけません。それぞれの決済手数料についてはこちらからご確認ください。
この事例に登場したSquareのサービスは:
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執筆は2021年3月4日時点の情報を参照しています。
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