子どもの習い事といえば、昔からある学習塾や体操教室、ピアノ教室に加え、最近ではかけっこや逆上がりといった体育の家庭教師も人気があるようです。
このような習い事教室を運営する時、経営者が頭を悩ますのが月謝の集金です。
「自分の得意分野を活かしたい」「教えることが好き」といった想いとは別に、1回数千円のレッスン料や月1万〜2万の月謝は、少ないように見えて、滞納や未納が続くと経営状況、終いには経営者の生活に影響することもあります。
悪質なケースに遭遇した時は
あまり考えたくはありませんが、滞納や未納が悪質なものであり、経営者自身で対応するのは難しいと感じた場合、法的手段の利用も手段として考えられます。
少額の支払いに対しては、「支払督促」という手段を使うことができます。支払督促は、申立人(この場合は教室の経営者)の申し立て内容にのみに基づいて、簡易裁判所の書記官が相手方に支払いを命じる略式の手続です。書類のやり取りのみなので、申立人側の負担は少なくて済みます。
注意していただきたいのは、支払督促の場合は「申立人の申し立て内容」のみが判断材料となる点です。例えば、レッスンをそもそも受けている・受けていないで揉めていたり、月謝の計算方法で揉めていたりと、あらかじめ支払う金額について申立人と相手方に齟齬がある場合、相手方が不服を申し立てる可能性が高くなります。不服の異議申立てが裁判所に受理されると、そのまま民事訴訟の手続きに移ります。
契約書やレッスン受講を履歴として記録していたり、メールのやり取りが残っていたりと、支払金額が確定している場合には有効な手段と言えます。
支払督促については詳しくはこちら。
他にも60万円以下の金銭を請求する場合には、「少額訴訟」という手段があります。少額訴訟は原則として1回の審理で紛争を解決する手続きなので、例えば支払金額に関して両者の話し合いだけでは決着が着かず、第三者に判断してほしい場合に有効な手段と言えます。
裁判官とともに丸いテーブルに着席して審議が進められます。審理日に判決が言い渡されるため、その場で裁判官が判断できるように証拠となる書類を揃えておく必要があります。また、その場で判断しにくいような複雑な案件に少額訴訟は適さないようです。
少額訴訟については詳しくはこちら。
この他にも、「民事調停」や「民事訴訟」という手段もありますが、金銭的な負担だけでなく、経営者にとっては精神的な負担も大きくなるため、法的な手段はできるだけ避けたいものです。
トラブルを事前に回避する契約書
子どもの習い事の場合、経営者や指導者が日々のレッスンで接するのは生徒であるお子さんで、支払いは保護者が行っています。月謝の支払いが滞った時に、生徒にそのことを直接伝えるのはなかなか難しいですよね。
大勢が通う教室だと月謝を払っていない生徒は肩身が狭い思いをするかもしれません。保護者の方と連絡をするにも、仕事が忙しい保護者の場合はなかなか連絡がつかないこともあります。
手間とコストはかかるかもしれませんが、弁護士や司法書士といった法律の知識がある第三者に確認してもらった上で、事前に契約書を作っておくことをおすすめします。
支払いに関わる事項や、事故が起きたときの対応、緊急時の連絡方法などが含まれた書類を最初に保護者と交わしておくことで、その後のトラブルの回避にもつながります。
スムーズに集金するには
月謝の典型的な集金方法として、「月謝袋」があります。保護者が月謝袋にお金を入れ、生徒がレッスン時に先生に渡し、金額を確認した上で封筒に日付や受領印を記入する、という流れが多いのではないでしょうか。
教室によっては毎回領収書を発行して生徒に渡すこともありますが、お金や領収書を子どもに持たせることに不安を感じる保護者、先生もいるのではないでしょうか。また、生徒が体調不良等でレッスンを休むとその月分の納入が遅れるので、教室の経営にも影響します。
直接金銭のやり取りが生じない方法としては、「口座振替」「自動送金サービス」と呼ばれる金融機関が提供するサービスを利用できます。金融機関によっても異なりますが、取扱手数料と振込手数料がかかるので、月謝が数千円と少額の場合は保護者にとっては負担になります。
また、集金を代行してくれる業者を利用するという方法もあります。初期導入費用、月々の固定費用など手数料がかかるため、複数の教室を経営していたり、生徒数が多い教室に適した手段と言えます。
Squareでは、こうした悩みを解決するために、かんたんにクラウド請求書が送れる「Square 請求書」を初期導入費用無料で提供していますので、ご興味ある方は是非ご覧ください。
保護者と経営者の両者にとって金銭や手続きの負担が少ない方法として、クレジットカードを利用した「継続課金」という方法があります。事前に保護者のクレジットカード情報を登録をしておけば、経営者の設定した日にクレジットカードから月謝が引き落とされます。教室側がクレジットカードの手数料を負担する必要はありますが、初期導入費用や固定費用はかかりません。
銀行からの自動引き落としの場合、口座にお金が入っていないと引き落とされませんが、クレジットカードを利用するのでそういった心配がなく、安定した経営につながります。
クレジットカード情報の取り扱いについては、事前に契約書の内容に盛り込んでおくと保護者も安心します。
Squareが提供する、クレジットカードによる継続課金サービスもあわせてご覧ください。生徒数、月謝の単価、それぞれの費用も考慮に入れて、教室の経営に一番適した集金方法を検討してみてください。
執筆は2017年2月14日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、スクエアは責任を負いません。