地元で採れた食材をふんだんに使った焼き菓子、日常で使う器を制作する焼き物作家、繊細な装飾品を作るアクセサリーデザイナー。自分が作っているものをたくさんの人に届けたいと考えている人は多いのではないでしょうか。店舗だけではリーチできない顧客にも自慢の商品を手にとって欲しい、資金などに余裕がなく店舗を構えられないけれど売る場所がほしいと考えている人もいるでしょう。
そんな人におすすめの方法が、インターネット上でお店を運営するEC(E-Commerce、イーコマース)サイトです。今回は初級編として比較的低コストで簡単にECサイトを始める方法を紹介します。
目次
専門知識がなくても簡単に始めるには
ウェブサイト制作に関する専門知識がなく、できるだけお金をかけずに手軽にECサイトを作りたい人におすすめなサービス、BASEとSTORES。
小さなお店を商店街や街の中に開くようなイメージでしょうか。お店のデザインや使える機能にある程度制限はあるものの、コストと時間をかけずにECサイトを作れるのが特徴です。一方、実店舗と同様、知名度が低いと集客に苦労するかもしれません。商品を売るにはインターネット上でお客様を集める工夫が必要です。
Square オンラインビジネスのススメ
BASEやSTORES同様、初期費用や月額費用などのコストをかけず、かつ独自のECストアをはじめたい人向けのサービスです。既存のテンプレートを使い、ボタンをクリックしたり、必要項目を入力したりするだけでサイトが出来上がっていくので、初心者にもやさしい作りだといえます。
ECサイト作成サービスには無料で始められるサービスがいくつかありますが、注文に対してサービス利用料がかかったり、売り上げの入金時に振込手数料がかかったりなど、さまざまな手数料が発生するものもあります。これらの手数料は多くても数百円くらいで高額ではありませんが、年間で見ると売り上げからそれなりの額が引かれてしまうことになるので、注意したいところです。
Square オンラインビジネスの無料プランであれば、かかるのは3.6%(※)の決済手数料のみ。サービス利用料も振込手数料も発生しません。
※決済手数料について詳しくはこちらからご確認ください。
実際に、Square オンラインビジネスと他のを比べてみると、手元に残る売上額にはどれくらいの差が出るのでしょうか。以下比較表が参考になります。月間の売り上げが5万円、年間の売り上げが60万円のお店を例に、手数料の年間合計額と、手元に残る金額を計算しています。すべてのサービスで、無料プランを利用しています。
Square オンラインビジネス | BASE | STORES | |
決済手数料 | 3.6%/取引 21,600円/年間 |
3.6%+40円/取引(※) 25,600円/年間 |
5%/取引 30,000円/年間 |
月額利用料 | なし | なし | なし |
サービス手数料 | なし | 3%/取引 18,000円 |
なし |
振込手数料 | なし | 一律250円 3,000円(12回分) |
一律275円 3,300円(12回分) |
手数料合計 | 21,600円 | 46,600円 | 33,300円 |
手元に残る金額 | 578,400円 | 553,400円 | 566,700円 |
※ Amazon PayとPayPalを利用せず、年100回の取引があったことを前提にしています
売上額をできる限り手元に残すためにも、ECサイト作成サービスを比較検討する際には、こまかな手数料にも注目しておくといいかもしれません。
集客力のあるショッピングモールにショップをオープンする
上記で紹介したサービスはコストを低く抑えられ、ウェブサイト構築の知識がなくても短期間でECストアをオープンできることが特徴です。しかし、ある日突然街の中にお店をオープンしてもすぐにはお客様が来ないのと同様に、ただECストアを開設するだけではすぐにお客様は集まらないです。
一方、すでに集客力のある「モール型」と呼ばれるインターネット上のショッピングモールに出店するのも一つの方法です。デパートや大型の商業施設などに出店するイメージです。
一等地に立ち、食べ物から衣料品まで魅力的で多種多様なお店が集まるデパートや商業施設には大勢の人がやってきます。デパ地下と呼ばれるデパートの食料品フロアを想像してみてください。和菓子や洋菓子、惣菜にパンなど、同じような商品を販売しているお店がひしめき合って、あの手この手を使ってお客様を惹き付けています。ショッピングモールへの出店は、集客に苦労することはない分、目の前を通る大勢のお客様に選んでもらえるよう、絶え間ない努力が必要だといえます。
また、デパートや商業施設に出店するには高額なテナント料がかかるのと同じように、大手のショッピングモールに出店するにはある程度費用もかかります。中でも、費用が比較的かからないYahoo!ショッピングについて紹介をします。
Yahoo!ショッピング
初期費用や月額費用、売上ロイヤリティがなく、大きなコストをかけずにショッピングモールに出店できます。
商品が売れたときには以下の費用がかかります。
- ストアポイント原資負担:Yahoo!ショッピングで何かを購入した際、Yahoo! JAPAN IDでログインしているお客様にはポイントが付与されます。そのポイントにかかる費用を一部、出店者も負担します。負担は1%〜15%です。
- キャンペーン原資負担:定期的に開催されるキャンペーンにかかる費用を一部、出店者も負担します。負担は1.5%です。
- アフィリエイトパートナー報酬とアフィリエイト手数料:アフィリエイトを経由して商品が売れた場合、そのブログやウェブサイトのオーナーに支払う報酬が発生します。報酬の一部を出店者も負担します。販売価格の1%〜50%をアフィリエイトパートナー報酬として支払い、手数料としてアフィリエイト報酬の30%を支払います。
- ストア決済サービス手数料:決済方法によって手数料が異なります。クレジットカード決済なら3.24%、PayPayカードなら3%の手数料がかかります。
月商55万円(税込)のお店について考えてみましょう。
ストアポイント原資負担(税抜):5,000円(1%の場合)
キャンペーン原資負担(税込):8,250円(1.5%)
アフィリエイトパートナー報酬:500円(売上額の一部がアフィリエイト経由とした場合)
アフィリエイト手数料:150円(アフィリエイトパートナー報酬の30%)
決済サービス手数料:16,200円(クレジットカードとPayPayカードを利用した場合)
合計で31,785円(税込)の費用がかかります。
今回は初級編として、低コストで簡単に始められるサービスをいくつか紹介しました。以下の記事もぜひ参考にしてください。
執筆は2018年1月19日時点の情報を参照しています。2024年3月26日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash