クラマエカヌレ | Square 導入事例

2023年1月に、蔵前に新たな人気スポットが登場した。CLASSIC INC.が手掛ける、焼きたてカヌレ専門店の「KURAMAE CANNELÉ(以下、クラマエカヌレ)」だ。東京メトロ浅草線「蔵前」駅から歩いて1分ほど、江戸通りから脇道を少し進むと、カヌレの香りがふわりと漂いはじめる。

CLASSIC INC.は都内で10店舗以上の飲食店を手掛ける会社だが、これまでスイーツ専門店は出したことがなかった。カヌレを皮切りにスイーツをはじめたのは、なぜだったのだろう。またこれまで数々の決済サービスを利用しながらも、なぜ「クラマエカヌレ」にSquareを選んだのだろう。Squareが効率化に貢献している点を姫野慶太さん(CLASSIC & SESSIONS INC. 代表取締役 社長)と阿部里英さん(CLASSIC INC. クラマエカヌレ マネージャー)にたっぷりと教えてもらった。

業種 飲食業
業態 カヌレ専門店(テイクアウト・イートイン)
利用しているSquareのサービス Square ターミナルSquare レストランPOSレジSquare スタンドSquare 請求書Square データ

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10店舗以上の飲食店を営む「CLASSIC INC.」の新たな挑戦

バーやレストラン、カフェ、食堂などさまざまな形で10以上の飲食店を運営する「CLASSIC INC.」。飲食業にとって大きな痛手となったことといえば、昨今の新型コロナウイルス感染症だ。お酒の提供ができなくなり、営業時間の短縮が求められるなか、お店を閉めていてもできることを考えなければいけなくなった。そのときひねり出したアイデアが、カヌレを店先で販売することだった。

カヌレはもともとCLASSIC INC.が運営するフレンチバル「VAPEUR(ヴァプール)」で、15年ほど前からひっそりと提供していたそうだ。これをもう少しカジュアルに届けられたらもっといろんなお客さまに食べてもらえるのではと考えはじめたのが、事の発端だったという。2020年にポップアップという形で自店舗の店先などで販売をはじめると、半年ほどで行列ができるようになった。

こうして人気を集めるなか「ギンザコリドーカヌレ」を本格的にオープンさせ、2023年1月に晴れて「クラマエカヌレ」を姉妹店として誕生させた。

ビル1棟を共同運営することに

クラマエカヌレのオープンは、ギンザコリドーカヌレの開業前から目論んでいたと姫野さんは話す。ポップアップの段階で日を追うごとに伸びていく行列を目にし、お客さまからリアルな声を耳にするなかで、複数店舗の展開が現実味を帯びてきたそうだ。「いっぱい展開しすぎるとブランドの価値に差が出てしまうので、3店舗展開するのが僕の構想でした。物件さえあれば、はじめようと思っていましたね」。

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▲CLASSIC & SESSION INC. の取締役、姫野慶太さん。クラマエカヌレのプロデュースも担当した

そうして「GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE (ギンザレコード クラマエ)」から「いい物件を見つけたが、うちだけでは埋められない」と相談を受けたことをきっかけに、ギンザレコードと一緒に運営することになった。

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※5階のアートギャラリー「BLD」もCLASSIC INC.が運営している。

「結果として、2階にコンセプトカフェがあることでブランドの価値が上がったと思っています。実はクラマエカヌレは僕たちのスイーツ事業の第1弾なんです。そのうえでブランドの拠点を作りたかったんです。『蔵前といえば、ここ』というようなブランドづくりですね」

もちろん、だからといってどこでもいいわけではなかった。蔵前といえば、「ものづくりの街」「職人の街」として知られている。江戸時代に幕府の米蔵があったことから「蔵前」と名付けたれたのも有名な話だ。

一方、姉妹店であるギンザコリドーカヌレでは当初から「都会のアルチザン(職人)」というコンセプトを掲げていた。「都会」という言葉にはストリートフード感覚で気軽に食べてもらいたいという思いが込められており、それでいてカヌレを作るうえでは職人のように本格的に取り組みたいという姿勢から「アルチザン」の言葉を組み合わせた。このコンセプトにすんなりとフィットしたことから、迷いなく決めることができたそうだ。

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数々の決済サービスを利用してきた「CLASSIC INC.」に聞く、Squareのいいところ

オープンにあたり、選んだ決済サービスはSquareだ。姫野さんも阿部さんも口を揃えて「とにかく使いやすい」と絶賛する。その使いやすさこそがホールスタッフの作業負担の軽減、ひいては人件費の削減にもつながっているそうだ。これまで10店舗以上もの飲食店を手掛けてきたが、Squareを導入するのは初めてである。さまざまな決済サービスに触れてきたからこそ感じる、Squareのよさはどんなところだろうか。

スタッフの手間と人件費の削減に

平日だと、基本的にホールの人員は1人。1人で回せると判断したのは、常に効率化の術を探り、実践してきたからだ。たとえば、ワイヤレスで持ち運べる決済端末「Square ターミナル」をテーブル会計に導入したことで、据置型端末のようにテーブルとレジを行き来する手間がなくなった。

「前までの決済サービスだと、1回伝票をテーブルまで持っていって、そのあとにカードを預かってレジで会計をしないといけなかったのですが、Square ターミナルではお客様に呼ばれてすぐその場でお会計することができます。お客様をお待たせする時間が短くとてもスムーズになりました」(阿部さん)

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もう一つ、人件費の削減に役立っているのは、店内に配置された4台の決済端末だ。テーブル席が12卓にカウンター6席もある広々とした店内で、呼び出されるたびに特定の場所に端末を取りに行くとなると、その分の手間と時間が発生してしまう。

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そこで4台の端末を店内に均等に配置し、「店内のどこにいても、近くに端末がある」という状態をつくった。端末を簡単に増やせる点も、実現できた大きな理由だという。

Square ターミナルは決済端末としてはもちろん、ハンディとしても機能するため、決済を受け付けるときも、注文を受けるときも、一番近くにある端末を手にとり、テーブルに向かえばいいことになる。こうして、呼び出されたテーブルに向かうまでの時間を徹底的に削減した。

「拡張性のしやすさでは、ずば抜けていると思います。ほかの決済サービスだと、決済端末と一緒にプリンターも用意しないと、となると思うんですけど。Square ターミナルなら1個注文すれば、レジがもう1個増えます。ボタン一つで購入できて(※)、次の日には解決できる。これは本当にすごいなと思います。(端末代金は)人件費を考えると、妥当かなと思っています」(姫野さん)

※Square ターミナルはSquare ショップから購入できます。

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Square レストランPOSの導入も、効率化に貢献

Square ターミナルの一番の特徴は、決済だけでなく注文の受付も同じ端末でできるところだ。別々の端末を扱う必要もなく、操作方法を覚えるのも一つのシステムだけで済む。クラマエカヌレでは、端末に搭載されているSquare POSレジを使うのではなく、あえて有料の「Square レストラン POSレジ」を使うことにした。

※Square ターミナルでSquare レストランPOSレジを使う方法は、こちらからご確認ください。

選んだ理由は大きく二つある。一つは、「フロアプラン」の機能が備わっているため。店内のレイアウトを図として登録できる機能だ(以下画像参照)。該当する席をクリックするだけで新規伝票を立ち上げたり、作成済みの伝票にアクセスできたりする。

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一つのテーブル・カウンター席には一つの伝票しか作成できないため、同じ席で伝票を複数立ち上げてしまうなどのミスが発生することもなく、スタッフ間での混乱も防げているという。

「操作が難しいといったフラストレーションがなくなったので、すごくスムーズに接客に集中できています」(阿部さん)

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もう一つの理由は、各テーブルのお客さまに退店のご案内をする時間かどうかがひと目でわかるため。

「クラマエカヌレではお席の時間を混雑時、80分制にしています。10分前に黄色のマークでアラートが出たり、赤いマークでアラートが出たりする(※)ことで、ひと目で『あそこのお客さまにお声掛けしなきゃな』というのがわかるので、席回転にもつなげられて大変使いやすいなと感じています」(阿部さん)

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▲クラマエカヌレのマネージャー、阿部里英さん

以前まではお客さまの入店・退店時間を紙に書き、それを時計と随時照らし合わせながら、各テーブルの退店時間を確認していたそうだ。

Square レストランPOSレジなら、テーブルの利用時間を設定しておける。初回オーダーを受けてからタイマーが動き出し、特定の分数が経つとフロアプランに表示されているテーブルの色が変わるよう設定しておける(※)。

※クラマエカヌレでは70分のタイミング(退店10分前)でフロアプランのテーブルが黄色に変わる、80分のタイミング(退店時間)でテーブルが赤に変わるよう設定している。

そのため、端末上のフロア図を見れば、お客さまに退店案内をする時間かどうかを瞬時に把握できる。このおかげで紙に書かれた時間を何度も確認する必要も、時計と照らし合わせる必要もなくなり、手間もストレスも大幅に減ったそうだ。

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「クラマエカヌレではお席の時間を混雑時、80分制にしています。10分前に黄色のマークでアラートが出たり、赤いマークでアラートが出たりすることで、ひと目で『あそこのお客さまにお声掛けしなきゃな』というのがわかるので、席回転にもつなげられて大変使いやすいなと感じています」

レジ研修の時間が短縮

決済端末が使いやすいおかげで、レジの研修時間も短縮できているという。特に助かっているのは、これまで頻繁に利用していた据置型端末と異なり、ハンディ・キャッシュレス決済端末・レシートプリンターがたったの1台に凝縮されているところだ。

「やっぱり前までは端末が2台あって、こっちでもこっちでも操作をしなきゃいけなかったので、スタッフがそこの理解につまる瞬間もあったんですけど。そういう別々の操作が一切なくて、これ1台で注文を受けて、会計をして支払ってもらうだけというストレートな操作なので、わかりやすいです」(阿部さん)

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以前までのレジ研修時間は3時間。1時間目はしっかりと教え込み、2時間目、3時間目からは実践タイム。その間、すぐにフォローできるよう先輩がそばで見守るという体制だった。それが今だと3時間の研修のあいだにカヌレの包装のしかたまで教えられるようになり、レジ研修に3時間まるまるとられることがなくなった。

請求書払いの入金サイクルが速くなった

クラマエカヌレでは、メールや電話などを通して、カヌレの大口注文を受けることもある。これまで大口のお客さまには、紙の請求書を発行し、郵送することも少なくなかった。支払日の設定は、一般的である「月末締め、翌月末払い」。

Squareを導入してからは、メールで送れる「Square 請求書」を使うようになり、従来の紙ベースから脱却した。Square 請求書とは、お客さまがメール内にあるリンクからクレジットカードで請求額を支払える、決済機能付きのクラウド請求書だ。請求書を発行する手間が削減されたのはもちろん、それ以上にうれしかったのは、入金スピードが速まったことだという。

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「(請求書を送った)その週のうちに入金があることもありました。みなさん、たぶん手元に届いてすぐに支払うんだと思います。自分の携帯に決済完了の通知も届くので、非常に便利です」(姫野さん)

Squareなら、お客さまがクレジットカード決済をした日から最短で翌営業日には請求額が手元に入る。

これまでのどのPOSレジよりも、売上分析がしやすい

売上分析ページが見やすいことも、姫野さんと阿部さんが絶賛するポイントだ。

「我々が知りたい情報って、そんなに多くないんですよ。日々見たいのは売り上げだったり、時間帯の推移だったり、そういうシンプルなものなんです。これまでのものはいろんな機能がついていて拡張性もあったかもしれないですが、その反面、使いづらい印象でした。Squareだと商品別の売り上げやカテゴリー別の売り上げが特にわかりやすく表示されるので、分析に割く時間もすごく短縮されています」(姫野さん)

「それと、これまでは売り上げの推移をグラフで見られませんでした」と阿部さんが続ける。「見られたのかもしれませんが、使いこなせていなかったのかもしれないです。なので、それまでは数字を見ながら、この時間帯は強いな、弱いな、と自分の頭のなかでグラフを作っていました。Squareさんはグラフが先に見えて、グラフにカーソルをあてれば特定の時間の売り上げもすぐにわかるので、使いやすいです」(阿部さん)

「Squareだと商品別の売り上げやカテゴリー別の売り上げが特にわかりやすく表示されるので、分析に割く時間もすごく短縮されています」

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最も気になる売上データを簡単に追えるようになったことで、これまで運営してきた飲食店とは売り上げの傾向が異なることも見えてきた。たとえばスイーツは夏が閑散期で、バレンタインデーに代表される2月が書き入れ時だそうだ。前年比や前週比などを見ながら売り上げが沈みやすい時期を把握し、いっきに売り上げが落ち込んでしまわないように、その時期に合った企画やインフルエンサー施策を立てることができている。

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今後はスイーツ事業をますますパワーアップさせていく予定のCLASSIC INC.。2024年2月には、高尾山の麓に揚げたてドーナツ専門店の「高尾 さんかく堂」がオープンしたばかりだ。クラマエカヌレも2号店のオープンに向けて準備を進めているようで、スイーツ領域での今後の躍進ぶりにも注目したい。

「(Square ターミナルについて)別々の操作が一切なくて、これ1台で注文を受けて、会計をして支払ってもらうだけというストレートな操作なので、わかりやすいです」ーCLASSIC INC. クラマエカヌレ マネージャー 阿部里英さん

カフェでSquareが実現したこと

ホールスタッフの負担軽減・人件費の削減

クラマエカヌレでは以下を導入することで、ホールスタッフの負担を減らすと同時に、人件費の削減も実現しています。

  • 注文・会計・レシート印刷をたったの1台で行える「Square ターミナル」の導入
  • Square レストランPOSレジの導入

具体的にはSquare ターミナルの台数を増やし、ホールスタッフが端末を取りに行く時間を短縮することで、平日のホールの人員数を1人におさえることができました。ワイヤレスで簡単に持ち運べる点も重宝しているといいます。また、Square レストランPOSレジは、効率的にテーブル管理を行ううえで役立っています。

ミスや確認漏れの防止

Square レストランPOSレジの「フロアプラン」機能を使うと、店内のフロアプランを登録しておくことができます。登録後は適切なテーブルをクリックするだけで伝票を立ち上げたり、作成済みの伝票にアクセスできたりします。この機能のおかげで同じテーブルに複数伝票を立ち上げてしまうなどのミスを防げているそうです。さらに新規オーダーを注文してから指定の時間が経過すると、画面上でテーブルの色が変わるよう設定することもできます。混雑時は80分制としているクラマエカヌレでは、退店10分前と退店時間ちょうどに色が変わるよう設定し、退店時間を一瞬にして把握できるようにしました。

レジ研修時間の短縮

CLASSIC INC.ではこれまで据置型のCAT端末を使用することが多く、レジとCAT端末の2台の操作方法を覚える必要があったため、レジ研修にまるまる3時間費やしていました。クラマエカヌレで導入したSquare ターミナルは注文の受付や伝票の呼び出し、会計、レシート印刷が1台で行えるため、複数の端末の操作を覚える必要がなくなり、研修に3時間割く必要がなくなりました。

ほしい情報を売上分析ページからすぐに把握

CLASSIC INC.でこれまで使用してきたPOSレジの売上分析機能は、機能が充実していながらも、肝心な情報が見つけにくく、分析に必要以上に時間をとられていたそうです。Squareに切り替えてからは、日々の売り上げの推移をグラフで確認できたり、商品別・カテゴリー別の売り上げがすぐに見られたりと、最も気になる売上データを瞬時に確認できるようになり、売上分析に割く時間が短縮できました。

請求書払いの入金サイクルの短縮

CLASSIC INC.ではカヌレの大口注文の請求にSquare 請求書を使いはじめました。Square 請求書はメールで送れるクラウド請求書で、お客さまはメール内に記載されたリンクからクレジットカード決済ができます。請求額は、決済日の最短翌営業日に振り込まれるため、以前よりも請求書の入金サイクルが速まりました。

*執筆は2024年5月15日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。