地産地消を取り入れて、地域とビジネスを盛り上げよう

地域で生産された農産物を地域で消費する取り組みが日本各地で行われています。食店や食品店を経営しているビジネスオーナーであれば、「地産地消」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。この地産地消について解説をするとともに、地産地消をビジネスに取り入れるヒントを紹介します。

地産地消とは

地産地消とは、地域で生産された農林水産物などを地元で消費する取り組みのことです。食料自給率の向上や食育の機会促進などを目的に、農林水産省が積極的に推進しています。

採れたての野菜を販売している直売所や、道の駅で果物や食品の加工品などを売っている光景を見たことがあるかもしれません。飲食店や小売店のみならず、最近では全国各地の学校給食で地域の食材を取り入れる動きが見られます。

jp-blog-localfood01

地産地消のメリットとは

地産地消にはさまざまなメリットがあります。まずは、購入者側から見たメリットについて見ていきましょう。地域で生産された旬の野菜や果物を収穫直後に購入できたり、すぐに食べられたりする環境は、実は贅沢なことかもしれません。流通に乗らず、直接販売される農産物は、その分のコストがかかりません。小売店などでも契約農家から直で仕入れて販売をすれば、利益率の改善につながるかもしれません。このように地産地消のメリットは大きいといえます。

一方、生産者側から見たメリットは、直接販売できることでしょう。流通にかかる経費も削減できると同時に、消費者と直接コミュニケーションがとれます。リピーターを獲得できれば売り上げが安定して、希少野菜などに取り組める可能性も高まります。

地産地消のデメリットは

一方地産地消のデメリットは、生産者側の負担が大きいことです。農作物を作るだけでなく、地元で売るためにはかなりの労力が発生します。販売をするための場所の確保や、マーケティングや広報活動、顧客管理などの作業もあります。畑の側で無人販売をするのは簡単な方法ですが、それでは量をさばくことができません。

さらに、万が一消費者のニーズに合わなかった場合、売れ残りは破棄しなければなりません。その処理にも負担がかかり、場合によっては処分料も発生するでしょう。このように地産地消のデメリットも把握したうえで、生産者側が取り組む必要があります。

地産地消を取り入れたビジネスの具体例

農林水産省では、地産地消に取り組む優れた事業者、団体、教育機関、個人を表彰しています。受賞事例を見てみると、地元の農産物をただ販売網に乗せるのではなく、加工品や新ブランドの開発に取り組んでいる事業者が多いことに気付きます。また、自社だけでなく、近隣にある研究機関や企業などを巻き込みながらプロジェクトに取り組み、同時に中学生の職業体験を受け入れるなど地元へ還元する動きも見られます。

地産地消で地域を盛り上げたい、ビジネスとして地産地消に取り組みたいと考えている人は参考にしてみてはいかがでしょうか。地産地消優良活動表彰事例について詳しくは農林水産省のウェブサイトでご確認ください。

Squareなら今すぐキャッシュレス決済導入できる

カード決済、タッチ決済、電子マネー決済、QRコード決済が簡単に始められます

補助プログラムを利用する

各地方自治体では地産地消を推奨すべく、補助プログラムを用意しています。

たとえば、横浜市では地元の農畜産物を生かそうとする事業者をサポートする「地産地消ビジネス創出支援事業」を展開しています。この支援事業は2段階になっており、まずは各分野のプロフェッショナルから事業プランのアドバイスを受ける育成プログラムを受講します。育成プログラムを得て、ブラッシュアップした事業計画を審査し、選定された事業は初期費用の補助が受けられます。

補助を受けられるまでの道のりは簡単ではありませんが、事業のコンセプト作りや資金計画などに関してプロのアドバイスを受けられるのは、今後の事業運営に役に立つでしょう。

各自治体以外でも、地場の農林水産物などを商品化するための後押しをしてくれる制度があります。それが「中小企業地域資源活用プログラム」です。これは地域の農林水産物や観光資源などの地域資源を活用して新商品などを開発する場合に、所定の書類を提出して国の認定を受けることができれば補助金が出たり、融資が受けられたりする制度です。

中小企業地域資源活用プログラムは農林水産物や観光資源だけが対象ではありません。たとえば東京都では、このプログラムを積極的に活用している中小企業が数多く存在しています。具体的には江戸切子の技術を生かした海外向けの新商品の開発や、江戸から伝わる染色技術法を活用した新商品の開発など多数あります。

参考:中小企業地域資源活用事業(東京都産業労働局)

地域資源をビジネスに生かしたい、これから新たにビジネスを立ち上げたいという人は、どんな補助やサポートが受けられるのかを調べてみてはいかがでしょうか。

執筆は2019年10月7日時点の情報を参照しています。
当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。
Photography provided by, Unsplash