【一歩ずつ、前へ】おいしいコーヒーとフレンドリーな接客に一層注力したい。ヴァーヴコーヒーロースターズジャパン

Square 加盟店が今どのようにビジネスと向き合い、どのように前に進もうとしているのか。【一歩ずつ、前へ】は、加盟店の今の声をお届けするシリーズです。

今回お話を伺ったのは、カリフォルニア発のコーヒーロースター「VERVE COFFEE ROASTERS JAPAN(ヴァーヴコーヒーロースターズジャパン)」。国内では現在3店舗(※)展開しており、六本木店は今年の4月にオープンしたばかり。

※2020年7月27日時点では、現在ある3店舗に加えて、北鎌倉店がソフトオープンをしています。北鎌倉店の正式オープンは7月の後半を予定しています。

代表取締役社長を務める岩田洋一郎さんが店づくりにおいて心掛けてきたこと、前に進んでいくうえで大切にしていきたいこととは。

まずはヴァーヴコーヒーロースターズについて簡単に教えていただけますか。

「ヴァーヴコーヒーロースターズは、カリフォルニアのコーヒーロースターです。2007年にサンタクルーズ(米カリフォルニア州)というサーフィンが有名な街ではじめたコーヒー屋で、日本では2016年の4月にお店をはじめました。コーヒーの特徴としては、スペシャリティコーヒー、サードウェーブコーヒーのカテゴリに入り、農園から直接買い付けを行って、それを自分たちの手で焙煎して、自分たちのカフェで届ける、というビジネスをしています。日本でも先月北鎌倉に焙煎所ができたので、焙煎もはじめています。

アメリカはカリフォルニア州にだけ店舗があり、極めて西海岸のビジネスです。日本は鎌倉と、東京は六本木と新宿にお店があります。カリフォルニア発ではありますが、街ごとに特色を出して展開していくのも事業の特徴です。日本でも徐々に成長している、というようなところですね」

緊急事態宣言が発令されてからの状況と、現在の状況を教えていただけますか。

「ちょうど僕らは、六本木と北鎌倉の店をまさにコロナのなかで開けました。六本木は4月1日に正式オープンしていたんですけれど、周知するような状況ではなかったので、ひっそりと開けました。北鎌倉も同様で、今ソフトオープンとして店は開けていて、7月の後半4連休前にオープンする予定です。

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▲六本木にある店舗の外観

新型コロナウイルスの影響に関しては、国内で最初に開けたお店で売り上げが一番大きい新宿店を4月8日から6月3日までずっと閉めていました。新宿店はルミネさんが運営しているNEWoMANさんという施設に入っていて、駅に面しているロケーションということもあり、休業の要請が早くに降りましたね。

六本木店は告知などをせずにオープンをしましたが、住宅地に位置していることもあり、地元のコーヒーショップとして地元の方々がたくさん利用してくださっていました。鎌倉の雪の下店も六本木店と同様に、地元の方が使ってくださっていましたね。このような状況のなかでもコーヒーを生活必需品だと思ってくれて毎日買いにきてくださる人が、オープンして間もないなかでも、ありがたいことにしっかりついてくれました。

閉めるか開けるかの判断は結構難しかったんですけど、毎日コーヒーを飲むお客様がいらっしゃるなかで、拙速に閉めるよりはある程度絞った形でコーヒーを提供しようということにしました。たとえば営業時間の短縮、テイクアウトのみ、席数を減らす、席の間隔を広げる、全店キャッシュレスにする、など営業をするうえでお客様との約束ごとをつくり、今に至るという感じですかね。

あとは来店いただけないお客様が多くいるなか、オンラインで購入いただいて自宅で楽しんでいただきたい思いから、4月の後半から6月まで2カ月半ほど『StayHome With VERVE』という企画を実施しました。コーヒー豆とドリップバッグを全て2割引で提供させていただくという企画で、お客様にも喜んでいただけたと感じています。

もう一つ、医療従事者の方向けにゴールデンウィークの間に購入いただいたドリップバッグの数の同数を医療機関に寄付をする、という企画を実施しまして。最終的に、合計1,386個のドリップバッグを実施期間中に営業していた鎌倉店と六本木店の近辺にある医療機関に提供しました」

国内では六本木店と北鎌倉店も加わり、現在全国で4店舗を展開されていますが、どの店舗でも大切にされていることについて、お話いただけますか。

「コーヒーショップは街の交流の場の一つだと思っています。お店を利用してくださる方同士のコミュニケーションや、我々とお客様とのコミュニケーションもそうですが、『人と人とが交わる場として社会と関わっていきたい』ということを念頭に置いて、みんなでお店を作っていますね。

そのためにもコミュニティの方に役立つような企画を地元の方と一緒にやるように、積極的に取り組んでいます。たとえば鎌倉ではゴミ問題など、環境について考えていらっしゃる方がすごく多いので、勉強会を定期的に開催したりしています。場所によっては地元のフラワーアーティストとセミナーやワークショップを開催したりなどもしていますね。

『人の集まる場所』というのが僕たちのビジネスなので、それを大事にしながらイベントなどを組んでいましたが、コロナでそれができないことにみんなすごくフラストレーションを感じていました。(感染症が)終息したあとにどういう社会になるのかというのはいろんな見方があると思いますが、今こういう状況のなかで、今までしてきたことをどのように継続していけるかはまさに議論している最中です。Zoomなど、テクノロジーを活用してセミナーをやったりなどは考えていますね。みなさんからアイデアがあれば、お聞かせいただきたいと考えています」

これまで大事にされてきた交流の場を今後どのように作っていくのかが、目下の課題ということですね。

「そうですね。ただ散歩や出勤で来てくださる方など、毎日変わらず足を運んでくださるお客様もいて。生活のなかに溶け込んでご利用いただく、という役割は変わらず担えているので、そういう意味ではポジティブです。

一方で発信していくことについて考えると、今までは店頭でのコミュニケーションを中心としてきたので、テクノロジーを使うなどして、時代に合ったやりかたをもう少し考えていかないといけない、という課題がありますね」

店づくりにおいて大切にしていることがあれば、少しお話いただいてもいいですか。

「たとえばお客様がどのようにお店を利用するかは、土日や平日などでも結構違うと感じていまして。お客様だけでなくお店で提供するものも1、2年経つと変わるかもしれません。なのでそのような変化にフィットできるように、お店のレイアウトも変えられるようにしています。

それと地元に溶け込むことも店づくりには大切だと考えています。鎌倉のメンバーには、お店に徒歩で通えるところに引っ越すよう指示していたりもするんです。コミュニティに入れてもらうためには、自分がその地域に住むことが大切だと思うので。住民となり一緒に街づくりをしながら、街のなかでどのような役割を担うのか、という話をお客様のみなさんと一緒にしていますね」

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▲六本木にある店舗の内観

最後になりますが、このようなご時世のなか、前に進んでいくうえで、また今後ビジネスを続けていくうえで、大切だと思われることを教えてください。

「人生ではじめて経験するような事態ですけど、こういうことはやっぱり起こり得るんだなと改めて感じています。経営者としては非常に厳しいですけれど、どうやって会社を守っていくのか、お客様とどう関わっていくのかを考えながら、常に変化を恐れず前に進んでいかなきゃいけないと感じています。

店舗でビジネスをしている業態だとものすごい打撃を受けるので、こういうときにどうやってビジネスをするのか、店舗以外でどのように稼いでいくのかは、まさに今プランを練って動き始めているところです。

正解にはまだ至っていませんが、いろんな提案を集めています。

今こういうときでも来てくださるお客様がいるので、地に足をつけて、僕らの提供できるおいしいコーヒーとフレンドリーなサービスをしっかりと提供していくことがこういうとき一層大事になるように感じています。コーヒー屋さんといえば常連さまが多いビジネスでもあるので、常連さまともしっかりつながって店を続けていきたいなと考えています」

お客様との関係性を育むうえで、意識している接客方法などはあるのでしょうか。

「僕らがたとえとして言うのは、『お客様を親友の家族だと思って、接しましょう』ということです。そうするとお客様が期待していることにたとえ応えられなくても、単純に『できない』といわずに、何かしら別の提案ができると思うんです。あとはチーム全員下の名前で呼び合い、従業員間でもフレンドリーに交流し合えるような環境づくりをしています。

スタッフ同士であったり、僕とスタッフとの距離を縮めることができれば、お客様との距離も縮めやすくなると思うので。今は一旦休止していますが、従業員の間でも交流の場を積極的に設けたりしていますね。このような形で、お客様に寄り添えるような環境づくりに取り組んでいます」


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執筆は2020年7月27日時点の情報を参照しています。
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