複数の予約ポータルサイト・クーポンサイトをまとめて管理する予約一元管理システムは、予約を効率的に管理して手間を削減するだけでなく、一元的管理により売り上げの増加やリスク回避にもつながり、頼れる経営ツールです。
ここでは、予約の一元管理システムについて、複数の予約ポータルサイトを利用する意義と一元管理システム導入のメリットについて解説し、あわせて予約一元管理システムを導入する際に気をつけたいポイントを紹介します。
目次
- 予約サイトを複数使う理由
・広く集客チャネルを持つことができる
・一部の予約ポータルサイトに集客が依存してしまうリスクを回避 - 予約一元管理はなぜ必要?
・複数の予約サイトを運用した場合のオーバーブッキングを回避する
・予約の調整が楽なので業務効率化、コスト削減を図ることができる
・機会損失を減らし売上増加を見込める - 予約一元管理システム導入のポイント
・コスト面で負荷がかかりすぎないものを選ぶ
・プラスアルファの機能で選ぶ
・事前決済などの機能
・Googleカレンダー、SNSなど外部機能との連携
予約サイトを複数使う理由
まず、集客や予約に欠かせない予約ポータルサイトをなぜ複数利用する必要があるのかを簡単にみておきましょう。
広く集客チャネルを持つことができる
複数の予約ポータルサイトを利用するメリットの一つが、予約の窓口を広げ、集客の機会を増やすことです。各ポータルサイトにはそれぞれ登録ユーザーがいて、年齢層も嗜好性も異なります。割引クーポンやポイントがたまる「お得感」から繰り返し同じポータルサイトで予約をするユーザーも多く、ある程度囲い込まれた状態になっています。
一つのポータルサイトにしか登録していない場合、他のポータルサイトを日常的に利用しているユーザーには店舗を知ってもらうことができず、機会損失が起きているかもしれません。複数の異なるポータルサイトに店舗を登録して入り口を増やし、ユーザーの検索結果にのぼる確率を上げて集客のチャンスを広げることが望まれます。
一部の予約ポータルサイトに集客が依存してしまうリスクを回避
予約ポータルサイトには、無料で登録できるもの、定額で利用料のかかるもの、予約成果に応じて課金されるものなど、さまざまな契約方法があります。それぞれに集客上・運営上のメリットがありますが、経営の視点から考えた場合、複数の運営形態のサイトを運用することにより、特定の予約サイトからの予約ができなくなる場合のリスクを回避できる点は重要です。
たとえばシステム障害やサーバー攻撃などで突然サイトが一時的に利用できなくなる場合も考えられます。また、集客率がよいからといって一つのポータルサイトばかりを重用すると、利用料が値上がりしたときに影響が大きくなってしまいます。特に毎月の定額料金が上がった場合、規模の小さなお店だと経営を圧迫する可能性も出てくるでしょう。固定型、成果報酬型、自社サイトと複数の予約ポータルサイトをバランスよく併用することで、リスクを減らせるでしょう。
予約一元管理はなぜ必要?
複数の予約ポータルサイトを利用する場合、スタッフが手作業で管理するよりも、予約サイトを一元的に管理するシステムを導入したほうが効果的です。ここからは、予約の一元管理をなぜシステムで行うほうがよいのかを見ていきましょう。
複数の予約サイトを運用した場合のオーバーブッキングを回避する
一般的に、ポータルサイトを通してユーザーが予約すると、予約があった旨の通知が店舗側へ送信されます。店舗は内容を確認し、予約確定の作業を行います。
このような予約確認の作業はポータルサイトごとに行い、それぞれのサイトの中で日程管理します。手作業の場合、店舗スタッフは通常のサービス業務を行いながら予約の通知がきたかを確認し、すばやく店舗のカレンダーに書き込み、他のポータルサイトから予約枠の消し込み作業を行わなければなりません。
店舗が忙しい時間帯は予約管理の作業は滞りがちになり、店舗カレンダーに反映させるまでの時間差で予約がダブルブッキングしてしまうおそれもあります。また、手作業だとメニューや顧客カルテ、指名スタッフの入力ミスなどが生じる可能性もあるでしょう。
予約の一元管理システムを導入すると、予約があった時点で自動的に他のポータルサイトへ反映され、確実な予約管理ができます。ミスが減り、業務の効率化が見込めるだけでなく、店舗への信頼度も上がるメリットが期待できます。
予約の調整が楽なので業務効率化、コスト削減を図ることができる
予約ポータルサイトはオンラインのため、24時間稼働しています。たとえ夜中でも店舗休業日でも、予約の通知が来たらすぐさま対応しなければなりません。
予約管理を店舗スタッフに任せている場合、夜間・休日の労務管理が問題になります。店舗経営者が行った場合は、休むときがなくなってしまうでしょう。
店舗では本来のサービス業務に集中できるよう、自動化できるものは積極的にシステムを導入して業務効率化を図ることが重要です。また、一元管理システムの中には、スタッフのシフト管理もあわせてできるものもあります。指名予約の調整とスタッフのシフトの調整が簡単になります。
メニュー管理や来店までのサポート、顧客管理やスタッフ管理などを一括して行えるため、より質の良いサービスでお客様とのコミュニケーションの向上も図ることができます。
機会損失を減らし売上増加を見込める
複数の予約ポータルサイトを利用した場合に悩ましいのが、予約枠の振り分けです。どのサイトにどの程度の数を予約可能としておくか、サイトの集客力をみながら振り分け、予約の動向をみながら調整していくことになります。繁忙期になると予約が集中し、振り分け調整が間に合わず、せっかくの新規顧客を逃してしまったということも起きかねません。
予約一元管理システムを導入すると、こうした悩みから開放されます。各サイトの予約状況を自動的に管理するため、リアルタイムに予約枠の空き状況をユーザーへ公開することができます。
店舗運営の予約枠はチケットと同じです。統合管理で無駄のない予約枠の売り切りを目指し、効果的な売上アップを図りましょう。
予約一元管理システム導入のポイント
予約一元管理システムは店舗運営にメリットが多いものの、システム導入・運用にあたっては一定のコストがかかります。ここからは、どのようなシステムを選べばよいのか、導入に向けた注意事項をみていきましょう。
コスト面で負荷がかかりすぎないものを選ぶ
まず重要なのは、導入する際の費用です。店舗の運営コストとして毎月かかる利用料が予算内で収まるかをよく確認しておきましょう。
付帯させる機能や管理規模により利用料が変わるシステムが多いため、どこまでを一元管理する必要があるか、業務内容を整理し、無駄なく、また無理なく利用できるシステムを選ぶことをおすすめします。
プラスアルファの機能で選ぶ
予約一元管理システムには、予約状況のとりまとめだけでなく、メニューや顧客情報などの内容を詳細に関連付けできる機能や、顧客へのメッセージやリマインドなどを一括して行える機能、店舗スタッフの勤怠管理を行える機能もあります。
自社サイトとの連携やオリジナルアプリの作成、在庫管理、売上管理と連携し、顧客と経営の一元的な管理まで行える高機能のものであれば運営の幅も広がるでしょう。ただし、こうしたシステムは継続して活用しなければ無意味になるため、トータルコストとのバランスでどこまでの機能を導入するのが適切かを検討してください。
事前決済などの機能
来店予約はお客様との接点でいうと入り口部分にあたります。予約後のコミュニケーション、来店時のご精算まで、一連の流れで必要となる業務手順を整理し、予約一元管理システムがどこまでの範囲に機能するかを確認しておきましょう。
特に決済に関する機能は重要です。複数の決済方法に対応していると、ユーザーにとって便利になります。また、予約時の事前決済機能があれば、店舗側にとって当日キャンセルや無断キャンセルによる被害を抑えることが可能です。
Googleカレンダー、SNSなど外部機能との連携
Google カレンダーなどのクラウドサービスやSNSなどと連携する機能にも注目したいところです。イベントなど店舗内の他の動きと連動した情報発信がしやすくなります。特にSNSで公式アカウントを持っている場合など、SNSの特性を生かしたプロモーションをかけ、そのまま予約一元管理システムへ誘導できれば効率的に集客力を高めていけます。
予約一元管理システムは、オンラインでの店舗検索や予約申し込みが普及した現在、複数の予約ポータルサイトを効果的に管理して、売り上げの向上や企業価値を高める店舗運営を目指すための強力な運営ツールとなってくれることでしょう。
まずは何のために予約一元管理システムを導入するのか目的を明確にし、現状の実際の業務で課題になっているところを洗い出して、実態に沿った機能をもつシステムを探すことをおすすめします。初期費用や月々のコスト、導入するまでに必要な時間、契約期間、途中解約になった場合の流れや戻り金なども確認し、気になる点は積極的に問い合わせてみてください。自店舗の運営に合った予約一元管理システムで、効果的な店舗経営を目指しましょう。
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執筆は2022年4月18日時点の情報を参照しています。2022年5月10日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash