予約システムを導入することで発生するメリットとデメリット

美容院や飲食店をはじめ、さまざまな業界で導入されている予約システム。インターネットを介することで効率化がはかれ、予約をする側、受ける側のどちらにもメリットが望める一方、従来主流であった電話予約と比較するとデメリットとなる部分もみられます。今回はインターネットを使った予約システムの導入を検討するにあたって、知っておきたいメリットやデメリットについて紹介します。

目次



予約システムとは?

予約システムの概要

理容室や美容サロン、飲食店、宿泊施設、医院、診療所など、利用者からの予約を受け付けている業種は数多くあります。予約する際の手段は、以前は電話によるものが主流でしたが、昨今はネット予約と呼ばれるインターネットを使った予約システムを利用する事業者が多くみられるようになっています。

予約システムを使った予約のプロセスとしては、スマートフォンのアプリを利用したり、インターネットブラウザを使って予約したい店舗のウェブサイトを訪れたりして、予約ページに利用日時や氏名、連絡先といった必要情報を入力します。折り返し届くメールなどによって予約の成立を確認するという流れが一般的です。

ひと口に予約システムといっても、多種多様なサービスが提供されています。備えている機能や連携できるサービス、利用料金の有無など、それぞれに違いがあるので、事業のニーズに合わせたシステムを選択することが肝心です。
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予約システムのメリット

予約システムを導入すると、予約に直接関わる作業のみならず周辺業務の効率化も図れることがあり、予約をする側、受ける側のどちらにもいくつかメリットが見込めます。主だったところをピックアップしてみましょう。

予約受付が楽になる

メリットとしてまず挙げられるのは、予約受付業務そのものの効率化です。利用者が予約を申し込む前にすでに埋まっている時間帯などを画面で確認できるため、電話予約では必要だった希望する時間帯が埋まっているかどうかを確認するためのやり取りが省略できます。

また、メールなどによる受付確認のほか、場合によっては予約日時が近づいた際のリマインドなどもシステムが自動で行ってくれるので、予約に関する作業のために人員を割くこともなく、人的リソースを効率よく活用できるでしょう。

ダブルブッキングなどを防げる

電話で予約を受け付けた場合、予約者の情報入力や予約が埋まった部分の記録を手作業で行う必要があるため、ダブルブッキングなどの人的ミスが発生する可能性があります。

予約システムを導入すると、すでに登録されている予約者の情報と連携できたり、予約管理が自動で行えたりするため、人的ミスが発生する可能性を減らすことができ、余計なトラブルが回避できるのも大きな利点といえます。

事前決済で当日の会計が不要

予約システムのなかにはクレジットカードなどを使って事前に決済する機能を備えたものも多くみられます。そのような予約システムを利用することによって当日の会計業務が省略できるほか、無断キャンセルを防ぐ方策にもなるかもしれません。

24時間いつでも予約に対応

電話予約ではスタッフが対応にあたる必要があるため、基本的に定休日や営業時間外に予約を受け付けることができませんが、予約システムを導入すれば、24時間、365日、予約を受け付けることが可能です。

店舗側の都合ではなく、利用者の都合に合わせたタイミングで予約ができるので、顧客満足度の向上にもつながります。

顧客データの収集や分析ができる

予約時に入力された情報を集積して分析できる機能を備えた予約システムもあります。来店頻度や年代層、予約メニューなどから特性を見極めてそれぞれに適したプロモーションを実施したり、コアターゲットを絞ってその層へ向けた新たなメニューを開発したりするなど、アイデア次第で大いに役立つツールとなりえます。

予約の取りこぼしが防げる

顧客のなかには電話での予約が苦手な人や、パソコンやスマートフォンなどの端末を使って自身で予約情報を入力したいと考える人も一定数いると考えられます。予約システムでは、そのような顧客を取りこぼす可能性を減らせます。

予約システムのデメリット

魅力的なメリットがいくつも見込める予約システムですが、デメリットといえる部分もいくつか見受けられます。予約システムの導入を検討する際には、メリットだけでなくデメリットも事前にしっかりと把握しておくことが大切です。
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初期費用や利用料金が必要

専門の業者に委託してオリジナルのシステムを開発する場合に比べると格段にコストは下げられますが、既存の予約システムを使う場合でも多くは初期費用や利用料金が発生します。

利用料はおおむね月額数千円から数万円といった規模で、月額料金が無料の場合は機能が制限されていたり、受け付けられる予約数に上限が設けられていたりすることもあるので注意が必要です。ある程度予算を決めておき、求める機能、規模に応じてできるだけ過不足のないサービスを選ぶようにしましょう。

また、料金だけでなく契約期間も必ずチェックしましょう。最低契約期間が設けられていたり、契約期間によって月額料金が変わったりすることがあります。

予約システムの使い方を覚える必要がある

予約システムを導入した場合、従業員にとってはこれまでになかった作業が発生することになるため、使用方法を新たに覚える必要があります。また、予約システムを扱う専任者を決めていない店舗では、新しい従業員が加わるたびに操作方法を教える手間も生じます。

ネット利用に慣れていない顧客を取りこぼす可能性がある

メリットの一つに挙げたポイントの裏返しとなりますが、インターネットの利用に慣れていないといった理由で予約システムが苦手な人もいます。そのような顧客を取りこぼさないようにするためには、予約システムのみの運用を考えていても、一定期間は電話予約と並行して運用し、予約システムへの移行を促すような方策を立てていかなくてはなりません。

キャンセル率が高まる可能性がある

予約システムを利用すると対人コミュケーションをとらずに気軽に予約ができる反面、キャンセルする際の心的ハードルも低くなります。キャンセル率が高まる懸念は否めません。また、予約時に直接的なコミュニケーションをとらないため、事前に相手の人物像を予測する手がかりも掴めません。

今回は、インターネットを使った予約システムの導入を検討するにあたって知っておきたいメリットやデメリットを紹介しました。主要な点をまとめると次のようになります。

予約システムのメリット:

  • 予約受付作業の省人化、効率化がはかれる
  • 予約に関わる作業での人的ミスが防げる
  • 利用当日の会計作業が不要
  • 無断キャンセル対策も可能
  • 予約の取りこぼしが防げる
  • 顧客データの分析にも使える

予約システムのデメリット:

  • 料金コストが発生する
  • 使い方を覚えたり教えたりする手間の発生
  • 電話予約と併用しないとインターネットに慣れていない顧客を逃がすこともある
  • キャンセル率が高まる可能性がある

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執筆は2022年3月8日時点の情報を参照しています。2022年5月10日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash