インバウンド対策に!アパレル店ですぐ使える接客英語

文化も流行も異なる外国で衣料品を買うということは新鮮な体験でありながら、言語の壁やコミュニケーションの齟齬を乗り越える挑戦でもあります。外国人のお客さまが来店した際に、慌てずいつも通りの接客ができるよう、これから紹介する基本的な接客英語をぜひ参考にしてみてください。

早速お客さまが来店されました。まずは、Hello. How are you?(いらっしゃいませ)で出迎えましょう。

目次


接客英語を覚えるメリット

接客英語を身につけることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

インバウンド対策

JNTO(日本政府観光局)の発表1によると、2024年7月の訪⽇外国人客数は329万人でした。前年同月比では41%増、2019年同月比では10%増の伸びを見せています。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で大きく落ち込んでいた訪日外国人客が順調に戻ってきていることがこの数字から読み解けます。英語による接客ができるようになれば、訪日外国人をスムーズに受け入れ、売り上げにつなげることが期待できます。

店舗の評判や売上アップが期待できる

訪日外国人客に英語で応対することができれば、「英語が通じる店」としてお客さまの満足度が高まるかもしれません。場合によってはお客さまがSNSで発信してくれることもあるでしょう。また、日本ではまだ外国語に対応していないお店やスポットも多いため、他店との差別化を図ることができます。

海外を視野に入れた経営ができる

英語ができるスタッフが増え、訪日外国人客の利用が増えれば、いずれ海外展開を視野に入れた経営につながるかもしれません。ホームページやオンラインストアなども多言語化すれば、オンライン上で国境を超えた集客ができ、ビジネスの拡大が期待できます。

接客英語のトレーニング方法

「英語の重要性はわかっていても、何から始めたらいいのかわからない」という人も少なくはないでしょう。そこで、具体的なトレーニング方法を紹介します。

フレーズを覚えて日常的に取り入れる

フレーズを覚えて繰り返し使うことで、記憶に定着させましょう。この記事で後述するシーン別のフレーズを覚えて日常に取り入れてみてください。たくさんのフレーズを一気に覚えることが難しい場合は、「次のお客さまにはこれだけは伝える」など、少しずつ覚えるとよいでしょう。また、スタッフ同士でのロールプレイングを取り入れてもいいかもしれません。

動画サイトを活用する

動画サイトには、接客に役立つフレーズを紹介する動画がたくさんアップされています。独学で学ぶなら、動画サイトを活用するのも一つの手です。

英会話サービスなどを利用する

英会話サービスなどを活用すれば、ネイティブスピーカーの発音を聴くことができたり、疑問に思ったことを直接質問したりできるので、ワンランク上の接客英語を学ぶことができます。英会話サービスの中には、接客業や業態別に特化した英会話サービスもあるため、店舗に合った英会話が学べます。

今すぐ使えるシーン別接客英語

買い物の目的がはっきりしているお客さまや、商品の探し方を知っているお客さまは、来店と同時に行く先や取るべき行動に迷うことがないですが、一方、ふらりと立ち寄っただけのお客さまや、探し物がどこにあるか分からず困っているお客さまもいます。

中には店員に話しかけられることを不快と感じるお客さまもいるかもしれませんが、外国では店員が来店したお客さまに話しかけることはフレンドリーな接客を意味する場合が多く、お客さまのお買い物をお手伝いしたいという気持ちの表れにもなります。

それでは、シーン別に使える英語のフレーズをみていきましょう。

入店時の挨拶

May I help you?(何かお探しですか)
No, thank you. I am just looking.(いいえ、結構です。ただ見ているだけです)という返事には、

OK. Please let me know if you need anything.(何かあったら遠慮なくいってください)
OK. Take your time.(ごゆっくりどうぞ)

と、返してみましょう。お客さまが来店して間もないうちから積極的すぎるほど話しかけたり、一方的に商品を勧めたりすることはNGです。まずは、お客さまのペースで店内を見て楽しんでもらいましょう。

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試着の案内

既製服のサイズに国際規格のようなものは存在しません。日本ではS(スモール)、M(ミディアム)、L(ラージ)でサイズ表記することが多いですが、欧米諸国では数字表記がメジャーで、日本に訪れる外国人にとって服のサイズ感を一目で把握するのは難しいかもしれません。Do you know your size?(サイズはお分かりですか)と尋ね、必要に応じて試着を勧めましょう。

Would you like to try that on?(試着してみますか)
You can try this on, if you want.(この商品は試着することができます)

お客さまを試着室に案内しましょう。欧米文化は室内でも日常的に靴を脱ぐ習慣がないので、土足禁止の場合はその旨も伝えましょう。

This is the fitting room.(試着室はこちらです)
Please take off your shoes here.(こちらで靴をお脱ぎください)
Please lock the door from inside.(内側から鍵をお締めください)

着替える時間には個人差がありますし、一人で着用するのが難しい服もあるかもしれません。ここでも、Let me know if you need any help.(何かあったら声をかけてください)や、Please, take your time.(ごゆっくりどうぞ)と一言かけられるといいでしょう。ただ、試着室に入ったきり長時間経ってもお客さまの反応が見られない場合などは、防犯の意味でも店員から声をかけてみましょう。

How is it?(試着はいかがでしょうか)
Is everything ok?(何かお困りではないですか)

試着を終えたお客さまが出てきたら、ファッションのプロとして実力の見せどころです。外国人のお客さまは衣料品を買うとき、比較的他者の意見を重視する傾向にあるそうです。店員やその場に居合わせた他の買い物客にWhat do you think?(この服どう思いますか)、Which do you think suits me better, red or blue?(赤と青、どっちが私に似合ってると思いますか)と恥ずかしがらずに聞いているのを見たことがあるのではないでしょうか。特に店員に対しては、お店の商品やファッションに精通しているプロとして的確なアドバイスを求めることが多いようです。商品を売ろうとする気持ちが先行して、始めからWow, you look really good.(とてもお似合いですよ!)と褒めるだけではなく、親身になってお客さまが本当に納得できる服選びや買い物のお手伝いをしましょう。

まずは、サイズです。

Is it too big/small?(大きすぎ/小さすぎませんか) 
Do you feel it a little bit loose/tight?(ちょっと大きめ/小さめではありませんか)

他の色を薦めてみましょう。

We also have black, white, and navy blue for this item.
(この商品は、他にも黒色、白色、紺色の展開がございます)
Do you want me to bring you other colors?
(他の色をお持ちしましょうか)

お客さまは店員など他人から見たときの印象を重視します。個人的な好みや感想でもお客さまにとっては貴重な判断材料になります。たとえば、次のようなアドバイスをしてみてはいかがでしょうか。

I like it personally, but maybe you can try something with less graphic. (個人的には好きですが、お客さまの場合、もう少しシンプルな物が似合うかもしれません)
I think the previous one suits you better.
(先ほどご試着されたもののほうがお似合いに感じます)

セールストーク

漠然と薦めるのではなく、具体的なコメントをすればするほど、親身さが伝わりお客さまの満足度も上がるのではないでしょうか。もちろん、単なるファッションアドバイザーになってしまってはいけません。話が盛り上がってきたら、セールストークを加えてお客さまの購買意欲を掻き立ててみましょう。

This model is a limited edition.(このモデルは限定品です)
This product is made in Japan.(この商品は日本製です)
This type of skirt is very popular among young women in Japan.
(このスカートは日本の若い女性の間で流行っています)

お客さまを待たせるとき

商品を取りに行くときなどお客さまを待たせる場合は、I will be right back.(少々お待ちください)や、Let me check.(確認してまいります)と一言添えるようにしましょう。

希望に添えないとき

当然、お客さまの希望に添えない場合も想定されます。このような時は、I’m afraid…(申し訳ありませんが)を使って切り出し、きちんと事情を説明しましょう。

I’m afraid this is the only size we have left.
(申し訳ありませんが、これが最後の一点です)
I’m afraid they are out of stock now.(残念ですがただいま在庫を切らしています)
I’m afraid we will need to order the item you are looking for.
(申し訳ございませんが、ご希望の商品は取り寄せる必要がございます)
It will take 5 to 7 days to have it ready. Would that be OK with you?
(取り寄せるのに5日から7日かかりますがよろしいでしょうか)
I’m afraid we are closed on Wednesdays.
(あいにく水曜日は定休日です)

悩んだ末、購入まで至らなかったということもあるかもしれません。I will think about it a little more. (もう少し考えさせてください)といわれたら、

Sure. Of course. Perfect.(もちろんです)
Take your time.(ごゆっくりどうぞ)

お会計時

お客さまが商品を選んだら、次は会計です。商品をレジに登録して合計金額が出たら

That’s 〇〇 yen all together. / Your total bill will be 〇〇 yen.(合計で〇〇円になります)

と伝えましょう。また、現金だけでなくクレジットカード、QRコード、電子マネーでの決済に対応しているお店であれば、

How would you like to pay?(お支払い方法はいかがいたしますか?)

と聞いてください。お客さまが現金で支払い、お釣りがあった場合には、

Here’s your change and receipt.(お釣りとレシートです)と気持ちよく返しましょう。

退店時の挨拶

お客さまがお店を出る時には、感謝の気持ちを込めて

Thank you. Have a nice day and hope to see you again!(お買い上げありがとうございます。またのお越しをお待ちしています!)

と伝えましょう。

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インバウンド対策の鍵

日本百貨店協会の発表2によると、2023年度の免税売上高は4,282億円となり、単年として初めて4,000億円を超えたそうです。円安や訪日外国人客の増加が追い風になったことがわかります。売り上げアップに大きく貢献してくれるかもしれないインバウンド対策について紹介します。

英語対応の浸透

もちろんすべてのお客さまが英語を母語としたり、話したりするわけではありませんが、少なくとも「日本語以外にも対応している」と、好印象を持ってもらうことができます。接客英語をスタッフに浸透させることは、インバウンド対策として重要だといえます。

Wi-Fi環境の導入

接客英語以外で、アパレル店が取り組めるインバウンド対策の一つが、Wi-Fi環境の導入です。Wi-Fi環境が整っていれば、お客さまはその場で調べ物をしたり、ビデオ通話などで自国の家族や友人と会話をしながら衣服を選んだりしてくれるかもしれません。

お店の免税店化

衣類、カバン、時計など、アパレル店で取り扱う商品の多くは、免税対象品目です。所轄の税務署で輸入物品販売所としての許可を受ければ、日本に短期間(6カ月未満)滞在している日本非居住者に対して免税販売ができるようになります。お客さまにとって10%の消費税が免税となるのは大きな魅力となることでしょう。

SNSや旅行サイトでの情報発信

InstagramなどのSNSでお店の情報を発信し、訪日外国人に向けたPRを行うのもインバウンド対策になります。投稿の際には日本語だけでなく英語併記にしたり、ハッシュタグを活用したり、位置情報を入れたりして、外国人のお客さまがお店の情報にアクセスしやすいように工夫しましょう。また、英語の旅行サイトにお店の情報を掲載してみるのもインバウンド集客のためにできることの一つです。

キャッシュレス決済の導入

株式会社野村総合研究所が訪日外国人を対象に行った調査3では、日本滞在中の不満について「カードが使えない場所が多いので、常に現金を持ち歩く必要がある」といった声が上がっていました。また、株式会社Fun Japan Communicationsが台湾・香港・タイ・マレーシア・インドネシア・ベトナム・インドのアジア7カ国から来日した観光客を対象に行った調査4でも、各国共通の不満として「カード決済を使えないこと」を挙げています。

キャッシュレス決済が進んでいる諸外国から来ているお客さまは、高額の日本円を持ち合わせていない場合も少なくないでしょう。キャッシュレス決済を導入していないことによる機会損失や客単価低下が起きることも考えられます。

スムーズな会計にはSquareがおすすめ

キャッシュレス決済の利用が浸透している諸外国から訪日するお客さまは、日本円に不慣れなこともあり、金額の大小に関わらずキャッシュレス払いを好む傾向にあります。Squareは、クレジットカードQRコード決済を簡単に受け付けられる専用の決済端末を提供しています。

月額使用料といった固定費用は必要なく、必要なのは決済端末の購入費用と、キャッシュレス決済が発生した際の手数料のみなので、初期費用やランニングコストも抑えられます。Visa、Mastercard、American Express、JCB、Discover、Dinersといった世界各国で使われているクレジットカードブランドに加えて、中国で人気のWeChat Payや、中国に加えて東南アジアからのお客さまにも対応できるAlipay+など、さまざまなキャッシュレス決済手段を導入できます。

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アパレル店には、シンプルでスタイリッシュなSquare レジスター(税込84,980円)がおすすめです。据え置きのPOSレジ兼キャッシュレス決済端末として利用できます。従業員用とお客さま用の2画面を搭載しており、お客さま用の画面には会計金額や決済方法の選択肢が表示されるので、スムーズなお会計が実現するでしょう。画面の表示を英語にすることも可能です。

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また、Squareが提供しているのは店頭でのキャッシュレス決済だけではありません。オンライン請求書決済リンクなど、オンライン決済も提供しています。商品を気に入ったお客さまの中には、自国に戻ってからさらに追加購入したいと思う人もいるかもしれません。そんなときにSquareのオンライン決済が役に立ちます。どの決済方法も導入費用は無料、必要なのは決済手数料だけです。Squareのオンライン決済について詳しくは、「【完全ガイド】5分で​​わかる​​Squareの​​使い方〜オンライン決済編〜」を参考にしてください。

来店目的に合った適切なサービスを気持ちよく受けられることはお店に対する好感度アップにつながります。印象に残ったお店には、再度来店してもらえる可能性がありますし、知人などへの口コミも期待できるかもしれません。購入に至ったお客さまには、ぜひ下記のような声をかけてみましょう。

Thank you. Have a nice day and hope to see you again!
(お買い上げありがとうございます。またのお越しをお待ちしています!)

お会計をすべてSquareで

決済受付、商品登録、価格設定、業務管理など、1台ですべてに対応できる「Square レジスター」。POSレジ搭載で、箱から出してすぐに使えます。お客さま用とスタッフ用の2画面が、スピーディーなお会計を実現します。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2017年6月22日時点の情報を参照しています。2024年9月25日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash