飲食店向けGo To EATキャンペーン、参加方法や活用ポイントを解説!

新型コロナウイルス感染症は、さまざまな業界に大きな影響を与えています。特に、人が集い、マスクを外して食事をする外食関連産業は、感染症対策をとっていてもお客様がなかなか戻ってこないなど、消費が大きく落ち込んでる業界です。

感染症の影響に苦しむ飲食業の起爆剤として立ち上げられたのが政府の「Go To EATキャンペーン」。お店とお客様が感染予防に協力しあい、楽しくおいしく飲食をすることにより、がんばっている飲食店や、食材を供給する生産者を応援しようという取り組みです。

ここでは、Go To EATキャンペーンの概要とキャンペーンへの参加方法、キャンペーンを活用した経営改善のポイントについて解説します。

目次



Go To EATキャンペーンとは

Go To EATキャンペーンは、感染症の拡大に伴う外出・外食の自粛などの影響で落ち込んでいる経済の回復策として、内閣府、経済産業省、国土交通省、農林水産業が連携して取り組み、官民一体で需要喚起を計る「Go To キャンペーン」の一つです。

Go To キャンペーンでは、人々の消費活動を促し、地域を活性化させようと、次の四つの事業が予算計上され、順次実施されています。

Go To トラベル:旅行代金などの補助、7月22日から実施
Go To EAT:飲食代金などの補助、10月1日から実施
Go To 商店街:商店街イベント・商材開発などの支援、10月19日から先行募集を実施
Go To イベント:イベントチケット代などの補助、10月29日から実施

参考:令和2年度国土交通省関係補正予算の概要(国土交通省)

Go To EATキャンペーンは、感染症対策に取り組みながら経営を続けている飲食店を応援し、ひいては飲食店へ食材を提供している農林漁業者を支援することにより、経済を活性化させようという事業です。

キャンペーンでは、プレミアム付き食事券とオンライン予約によるポイント付与の二つの方法で飲食代を補助し、お得に食事ができるようになっています。

キャンペーン(1)プレミアム付食事券

地域の加盟飲食店で使える食事券が発行されます。食事券は都道府県といった行政単位で発行され、購入金額の25%が上乗せされた金券となっています(たとえば1万円で1万2,500円分の食事券が購入できます)。

食事券の使用は地域内の加盟飲食店に限ります。旅行先などの地域の場合は、現地で購入することができれば使用可能です。おつりは出ません。1回あたり2万円(2万5,000円相当分)まで購入でき、販売期間は2021年1月まで、有効期限は3月末までの予定です。

食事券1枚当たりの金額(500円券や1,000円券)や、発行額、発行するタイミング、販売方法などは地域によって異なります。各地域の事務局で最新情報を確かめるようにしましょう。

参考:
Go To イートキャンペーン(農林水産省)
食事券発行事業 各地域の状況一覧(農林水産省)

キャンペーン(2)オンライン予約によるポイント付与

予約サイトを経由して登録飲食店を予約して来店した場合、次回以降に予約・来店する際に使用できるポイントが付与されます。一部のエリア限定サイトを除き、全国の加盟飲食店で利用できます。昼食の時間帯(14:59まで)は1人当たり500円分、夕食の時間帯(15:00以降)は1,000円分のポイントがもらえます。

ポイント付与には、税込みで昼食時500円以上、夕食時1,000円以上の飲食が必要です。1回の予約当たり10人分(夕食時だと1万円相当分)までポイントが付きます。ポイント付与の期限は2021年1月末まで、ポイントの利用は3月末までの予定です。

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キャンペーンに参加するには?

Go To EATキャンペーンに参加できるのは、感染症対策をとっている飲食店です。詳しい条件や登録方法などをみていきましょう。

参加飲食店の条件

参加可能な飲食店の範囲は、日本標準産業分類で「76飲食店」に分類される飲食店のうち、食品衛生法上の許可を得ており、その場で飲食する店で、一定の感染症対策を行っていることが条件です。

店内飲食がメインではないデリバリーや持ち帰り専門店、移動販売(キッチンカー)、カラオケボックスなど他のサービスがメインの店舗、風俗営業法に規定される接待飲食等営業・特定遊興飲食店営業の飲食店は対象外になります(接待を伴う飲食店舗は、キャンペーン期間中接待を行わないことで参加できる場合もあります)。宿泊施設内の飲食店は、宿泊者以外の不特定多数の人が利用できる形での運営であれば対象となります。

キャンペーン参加に必要な感染症対策

キャンペーンに参加したい場合、「外食業の事業継続のためのガイドライン」に基づいた感染予防対策に取り組みます。特に次のような配慮が重要です。

  • 換気、声量、三密を常に意識する
  • 手指消毒に消毒液を用意し、徹底した換気を行う
  • 間隔を開けた座席配置とし、相席の場合は真正面の配置を避けるかパーティションで区切る
  • カラオケ設備を使用しない
  • 国や自治体の要請に従い、農林水産省の訪問調査に協力する
  • お客様に感染症対策をとった行動をとるよう促す
  • お客様の目に付く場所で接触アプリの紹介をする

このほか、都道府県が独自の条件(ステッカーや通知サービスなど)を設定している場合もあります。確認しておきましょう。

参考:Go To Eatに参加する飲食店が守るべき感染症対策(農林水産省)

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参加登録の手続き方法

プレミアム付食事券とオンライン飲食予約サイトは、別々に登録を申し込む必要があります。

食事券は、準備ができた地域から募集を開始しています。所在する地域の食事券発行事業の事務局に条件や申込方法、承認までの期間について問い合わせてみるとよいでしょう。

参考:食事券発行事業 各地域の状況一覧(農林水産省)

オンライン飲食予約は、サイトごとに送客手数料(予約が発生してから予約者の来店が完了した際に利用店舗が予約サイト事業者へ支払う手数料)、登録の基本手数料、承認までの期間、キャンペーン後の加入取り扱い、入金タイミング、追加サービスなどが異なります。以下のウェブサイトに各サイトの条件がまとめられています。確認して選ぶようにしましょう。

▶︎Go To Eat キャンペーン オンライン飲食予約事業者へ 登録希望の店舗の皆様へ(農林水産省)

キャンペーンを積極的に活用するには?

「Go To EATキャンペーン」は、感染症の影響を受けながらも、できる限りの対策をとっている飲食店を応援するキャンペーンです。このキャンペーンを最大限に活用するポイントは、「正しい感染症対策」を取っていることを伝え、「安全で楽しく・おいしい飲食時間」をつくることにより新しいコミュニケーションの場を提供し、「また来たくなる空間」を作っていくことにあります。

感染症予防対策への取り組み強化で「安心な店」の魅力をアピールする

まずは安心を提供する基本的な取り組みとして、「外食業の事業継続のためのガイドライン」に記載されている感染対策の要点をしっかりと把握し、要点に沿って自分の店だと何が必要になるか、どんな工夫ができるかを考え、対策を取りましょう。

このときのポイントは、感染症対策の工夫を「見える形」にすること。指定のステッカーなどを貼るだけでなく、農林水産省のウェブサイトにあるポスターを掲示したり、消毒や感染防止グッズの使用、換気状況、利用可能な座席状況の案内などを目につくところへ掲示したりと、至るところに感染防止を考えていることをアピールし、お客様が安心して利用できる環境をつくることが重要です。

▶︎Go To Eat キャンペーン 店頭用のポスターデータ(ダウンロードリンク)(農林水産省)※ページ下部

新しい生活様式を取り入れ、お客さまとのコミュニケーションを深める

飲食店の感染症対策は、利用するお客様の協力があってはじめて成立します。もはや生活の一部となっている感染症対策、予防の行動を強要するのでなく、お互いに楽しく過ごせるよう工夫してみましょう。

スペース確保や接触防止、飛沫防止などのグッズに目を引く面白さを加えたり、予防対策に協力してくれたお客様へ追加サービスを用意したり、ソーシャルメディアを活用したりなど、感染症対策をコミュニケーションの一つとして「居心地のよいお店」を印象づけることがポイントです。

他のキャンペーンの活用・「近隣事業者」との連携も

キャンペーンを単発の集客機会とせず、もう一度足を運んでもらえるような工夫をすることも大切です。Go To Eatキャンペーンと組み合わせて自店舗だけのキャンペーンを行うのもおすすめです。次の来店時に使えるクーポンを企画したり、近くの店舗とコラボしたスタンプラリーの企画を立てたりなど、「また来たくなる」仕掛けを考えてみましょう。

2020年10月29日に開始した「Go To 商店街」キャンペーンもあります。商店街や商工会、飲食店街でイベント(オンラインも可)を実施したり、商品開発やプロモーションを行ったりして来街者を増やし、地域全体を活性化させようという支援事業で、うまく組み合わせると大きな力になります。要件に該当する場合はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

参考:Go To 商店街事業者向け公式サイト(経済産業省)

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執筆は2020年11月2日時点の情報を参照しています。
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