ここ数年で普及が進むキャッシュレス決済は、「スムーズに会計ができる」「現金を持ち歩かなくていい」「ポイントが貯まる」といった理由で利用者の数も増加傾向にあります。
キャッシュレス決済の中でもQRコード決済はスマートフォンで会計ができる利便性や、ポイントでお得に買い物できるメリットから注目されている決済手段で、これから導入を考える事業者も多いのではないでしょうか。
本記事では、導入する際に参考となるQRコード決済のシェアについて解説します。各QRコード決済サービスの利用率や、他のキャッシュレス決済手段と比較してQRコード決済がどのくらい利用されているのかを見てみましょう。
目次
- 各QRコード決済サービスのシェア率
- QRコード決済サービスの種類
・PayPay
・楽天ペイ
・d払い
・au PAY
・メルペイ
・Alipay
・WeChat Pay - キャッシュレス決済におけるQRコード決済のシェア
- QRコード決済を導入するならSquare
各QRコード決済サービスのシェア率
株式会社インフキュリオンが行った「決済動向2024年上期調査」1によると、クレジットカードや交通系電子マネー、QRコード決済を含む各種サービスの利用率の中で、PayPayは51%と他のQRコード決済サービスを大きく上回り、トップとなっています。他のQRコード決済サービスをみてみると、楽天ペイが23%、d払いが18%、au PAYが12%、メルペイが9%、FamiPayが7%で、LINE Payが6%でした。
同社は2019年からQRコード決済の利用率について調査していますが、PayPayや楽天ペイのような利用率が堅調に伸びているサービスもあれば、利用率が減少したサービスもあるようです。
QRコード決済サービスの種類
この章では、各QRコード決済サービスが利用できる場所(加盟店数)、利用者数、特徴を紹介します。
使える場所 | 利用者数 | |
---|---|---|
PayPay | 235万カ所2 | 6,500万人3 |
楽天ペイ | 600万カ所4 | 非公開 |
d払い | 508万カ所 | 5,599万人5 |
au PAY | 625万カ所 | 3,574万人6 |
メルペイ | 264万カ所7 | 1,345万人8 |
PayPay
テレビCMや、店前に立てられたのぼり旗で目にすることが多いPayPay。利用者が6,500万人(2024年8月時点)を突破し、拡大を続けています。訴求効果の高い広告で認知度が高く、加盟店数は他のQRコード決済サービスと比較すると少ないものの、利用者数は最多です。キャンペーン数が多く、お得に買い物ができるだけでなく、大型チェーン店から小規模の店舗まで幅広い加盟店で利用できる使いやすさ、「PayPayユーザー間での割り勘機能」など便利な機能が豊富にある点も人気の理由です。
楽天ペイ
楽天ペイメント株式会社が取り扱う電子決済サービスです。楽天ペイで支払った場合には1%のポイントが還元されますが、チャージ払いにすると還元が1.5%になるのでさらにお得に利用できます。日頃、楽天銀行、楽天モバイル、楽天証券といったサービスを利用している「楽天経済圏」にいる利用者にとっては、ポイントの使い道が幅広くなります。
d払い
NTTドコモが提供する決済サービスです。支払いをdカードに設定すると、d払い利用とdカード利用のポイント2重取りが可能です。さらに、dポイント加盟店で利用する場合、支払い前にdポイントカードを提示してポイントを3重で貯めることができたり、ドコモの携帯料金の支払いでもポイントが貯まったりなど、ドコモユーザーにはメリットの多いQRコード決済サービスです。ドコモは主要な携帯キャリアの中でも契約数の多いキャリアなので、上手にポイントを貯めて利用したいお客さまへの訴求力は高まります。
au PAY
KDDIが提供する決済サービスで、「Pontaポイント」と連携できます。Ponta提携店でPontaカードを提示してからau PAYで支払うとダブルでポイントが獲得できます。QRコード決済サービスの中では後発だったため、他のサービスと比較すると利用者数は劣るかもしれません。しかし、入金手数料がどの金融機関でも無料で、最短で翌々営業日に売上金が振り込まれる「早期振込サービス」も本来なら210円の手数料がかかるところ、当面の間は無料という点は加盟店にとっては大きなメリットといえます。
メルペイ
フリマアプリ「メルカリ」が提供しています。メルカリと連携していて、メルカリで得た売上金は自動的にメルペイの残高にチャージされる仕組みになっています。通常、メルカリで得た売り上げを出金するには手続きや手数料が必要ですが、メルペイを利用すれば、手数料無しで支払いに利用することができます。メルペイには他サービスのようなポイント還元がないので、「ポイントを貯めてお得に買い物ができる」というQRコード決済の利点を感じにくいものの、メルカリユーザーにとってはメリットのあるQRコード決済サービスです。
ここまでは日本国内で人気のQRコード決済サービスについて紹介してきました。次はインバウンド需要を狙ううえではぜひ知っておきたい中国のQRコード決済サービスについて紹介します。
提供事業者 | 国内加盟店数 | |
---|---|---|
Alipay | アントグループ | 200万店舗9 |
Wechat Pay | テンセント | 非公開 |
Alipay
中国のネット通販最大手であるアリババ集団の関連会社アントグループが提供する決済サービスです。中国はキャッシュレス決済比率が8割を超え、現金を持ち歩く習慣がなくなってきているといわれています。Alipayはそんな中国国内で5割以上のシェア10を誇り、ふだんの買い物から税金の支払いまでさまざま場面で利用されています。
アントグループは世界各国の決済方法に対応したAlipay+(アリペイプラス)も提供しており、日本国内のAlipay+加盟店は2024年3月時点で200万店舗を突破しています。Alipay+を導入した店舗では、中国のAlipay、香港のAlipay HK、韓国のKakaoPay、マレーシアのTouch ‘n Go Ewallet、タイのTrueMoneyなど、さまざまな決済方法を受け付けることができます。海外からのお客さまが多いビジネスではぜひ検討したいQRコード決済サービスです。
WeChat Pay
中国のインターネット企業テンセントが提供するメッセージアプリWeChatの支払い機能です。WeChatはメッセージ機能、通話機能、写真やコメントを共有するSNS機能などを備え、中国人の生活になくてはならないスーパーアプリとして親しまれています。シェアはAlipayに劣るものの、お年玉や御祝儀を手軽に送金できる機能が若年層を引き付けているといわれています。
WeChat Payの国内加盟店数は公表されていませんが、2023年4月には日本での加盟店数がコロナ禍初期より226%増えた11と発表しています。こちらも中国からの観光客の利用が多い店舗ではぜひ導入したいQRコード決済サービスです。
キャッシュレス決済におけるQRコード決済のシェア
「キャッシュレス決済」にはクレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコードといったさまざまな決済手段があります。その中でのQRコード決済の比率をみてみましょう。
経済産業省が発表した2023年のキャッシュレス決済比率12は39.3%。その内訳はクレジットカードが83.5%、デビットカードが2.9%、電子マネーが5.1%、QRコードが8.6%でした。「あれ?そんなに少ないの?」と思ったかもしれません。この数字は各種決済手段による支払額を合計して、それを民間最終消費支出で割ったものです。クレジットカードは限度額も高く、高額な支払いに使われることも多いため、このような割合になったのだと考えられます。支払額ベースでは8.6%のQRコード決済ですが、利用率ではどうでしょうか。
株式会社インフキュリオンが行った「決済動向2024年上期調査」1をみてみると、クレジットカードの利用率は78%、その次がQRコード決済の68%です。この数字のほうが実感と合っていると思う人も多いでしょう。
QRコード決済を導入するならSquare
ここまでQRコード決済サービスの種類や特徴、シェアについて説明してきました。QRコード決済を新たに導入したい、あるいはもっと種類を増やしたい事業者におすすめなのが、決済代行会社のSquareです。
▲Squareが対応している決済方法
Squareなら、クレジットカードからQRコード決済まで、複数の決済手段をまとめて導入できます。QRコード決済で対応しているのは、この記事でも紹介したPayPay、楽天ペイ、d払い、au Pay、メルペイ、Alipay+、WeChat Payの7種類です。
SquareのQRコード決済はこれらのQRコード決済ブランドに、たった一つのQRコードで対応できます。お客さまが端末に表示されたQRコードを自身のスマートフォンで読み込むと、金額がQRコード決済アプリに自動的に入力されます。お客さまが金額を入力したり、スタッフがその額が合っているかどうかを確認したりする必要がないので、スムーズなお会計が実現します。
また、お客さまがどのキャッシュレス決済手段で支払っても、売り上げの入金は最短翌営業日。振込手数料はどの金融機関でも無料です。「幅広い客層に対応したい」「お会計にかかる時間を短縮したい」「入金が早いと助かる」という事業者は、この機会にSquareの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
Squareなら、QRコード決済も最短翌営業日入金
SquareのQRコード決済は、お店が表示したQRコードをお客さまがスマートフォンで読み込むだけで完了。クレジットカードでも交通系電子マネーでも、QRコードでも、売上金の入金タイミングはすべて同じ、最短翌営業日。キャッシュフローも安心です。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2022年6月21日時点の情報を参照しています。2024年9月25日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash
1: クレカ利用者の半数は「タッチ決済」を日常利用、コード決済利用率は過去最高値68%。学ぶべき金融知識2位「キャッシュレス決済」、キャッシュレス派自認は約7割(2024年6月18日、株式会社インフキュリオン)
2: PayPayが実施した主な取り組みと、それに伴う主要指標の推移について(2022年度下期)(2023年4月25日、PayPay株式会社)
3: 「PayPay」の登録ユーザー数が6,500万を突破!(2024年8月13日、PayPay株式会社)
4: 「楽天キャッシュ」と「楽天Edy」が相互交換可能に(2023年7月25日、楽天ペイメント株式会社)
5:【PDF形式】「dポイント」「d払い」加盟店が拡大(2024年1月30日、株式会社NTTドコモ)
6: au PAY
7: はじめての「メルペイスマート払い(定額払い)」利用で、 50%相当分のポイント還元キャンペーンを開始! 後払い決済で無理のない支払い体験、夏消費の活性化を促進(2022年8月4日、株式会社メルペイ)
8: 決算説明資料(2022年6月期、株式会社メルペイ)
9: 桜の季節を前に、加盟店はインバウンド向け決済強化(2024年3月27日、アントグループ)
10:【PDF形式】中国のモバイルペイメントの状況と中小企業向け貸し出しなどへの応用(NEDO北京事務所)
11: 微信支付(ウィーチャットペイ)、日本事業が回復軌道に(2023年4月19日、Tencent Japan)
12: 2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)