長蛇のレジ待ち行列を見て、買い物を諦めたことはありませんか。レジの混雑はお客さまや従業員にストレスを与える要因としてよく挙げられますが、お店としては機会損失の可能性についてもあらためて考えたいところです。
客単価が5,000円だと仮定したときに、毎日10人がレジの混雑を理由に買い物を諦めていたとしましょう。これは1日で50,000円、1カ月だと150万円もの機会損失です。
実際に数字にしてみると、レジの混雑は「しょうがない」の一言では片付けられない課題だと気づきます。この記事では、お客さまが買い物をしているときに感じるストレス要因を探り、レジ混雑の解消策を事例とともに紹介します。
目次
- 買い物でストレスを感じる3つの要因
- レジの平均待ち時間と許容範囲
- レジ待ち対策に取り組むメリット
- 【レジ混雑の原因と対策1】ピークの時間帯
- 【レジ混雑の原因と対策2】レジの台数が少ない
- 【レジ混雑の原因と対策3】人手不足
- 【レジ混雑の原因と対策4】スタッフが作業に慣れていない
- Squareの導入でレジの混雑やトラブルを減らそう
買い物でストレスを感じる3つの要因
スーパーマーケットの利用者を対象にした調査1によると、買い物中にストレスを感じる要因の上位三つは以下でした。
- レジ待ちの長さ(66%)
- 混雑(44%)
- お目当ての商品が品切れになっている(35%)
どんな場面よりも「レジ待ちの長さ」にストレスを感じている人が多いことがわかります。
レジの平均待ち時間と許容範囲
レジ待ち時間の長さがイライラの種になりうることは、前章からわかりました。ここではその許容範囲も探っていきます。
レジ待ちで我慢できる限界
レジ待ち時間の限界については、ビジネスパーソンを対象とした調査2がシチズン時計より2023年に発表されています。結果は以下の通りです。この時間を一つの目安ととらえておきましょう。
スーパーでのレジ待ちの許容範囲
1位 5分超(27%)
2位 3分(25%)
3位 5分(22%)
コンビニでのレジ待ちの許容範囲
1位 3分(27%)
2位 1分(23%)
3位 2分(19%)
レジ待ち対策に取り組むメリット
あらためて、レジでの待ち時間を短くするメリットを見てみましょう。
クレームやトラブル防止
店舗として最も避けたいことの一つといえば、クレームでしょう。お客さまから悪い口コミが広がってしまうと、店舗全体の印象が悪くなる可能性もあります。最悪の場合、内容がSNSなどに投稿され、手に負えない状態まで騒ぎが大きくなることもあります。レジ待ち対策に取り組むことは、こういった事態に陥る可能性をできるだけ下げる一つの対策です。
機会損失防止
レジ待ちの行列が長いと、お客さまが購入を諦めてしまうこともあるでしょう。実際にアメリカン・エキスプレス・インターナショナルが実施した調査3によると、コロナ禍の影響で「これまでより行列を長く感じることがあり、並ぶのを諦めることがある」と答えた一般生活者は57%にもおよんでいました。レジ待ち時間により、お客さま数名分の売り上げが丸ごと失われてしまう可能性があることがわかります。特に行列ができやすい店舗だとレジ待ち時間を短縮するだけで、売り上げが大きく伸びるかもしれません。
顧客満足度の向上・再来店率アップ
お客さまが再来店するかどうかは、来店時にどれだけ満足できたかに大きく左右されます。たとえば接客も品揃えもよく、待ち時間も短ければ、お客さまの店舗に対して好印象を抱きやすいでしょう。反対に、会計に時間がかかり、そのうえ接客も心地良いものでなかった場合、再来店したいという思いは生まれにくいものです。レジの混雑をできるだけ減らすことは、顧客満足度アップ、ひいては再来店率アップを目指すうえで欠かせないことの一つだといえます。
店舗全体の作業効率アップ
レジ対応に追われている時間が長いと、ほかの作業に手をつけられないことも考えられます。効率よくレジ対応をすることで、ほかの作業に割ける余力もできるでしょう。
【レジ混雑の原因と対策1】ピークの時間帯
お客さまが足を運びやすい時間帯に客足が集中するのは、よくあることです。たとえば仕事帰りの時間帯や週末になると客足が絶えない店舗もあるかもしれません。このような場合は以下の対策をとってみるといいでしょう。
ピーク時間帯をお客さまに告知する
客足を分散させるためには、SNSなどを通じてピークとオフピークの時間帯をお客さまに前もってお知らせし、オフピークの利用を促してみましょう。
オフピーク時に来店したお客さまにオファーを提供する
オフピーク時に来店したお客さまには割引や特典などを提供すると、より行動が促しやすくなります。
【レジ混雑の原因と対策2】レジの台数が少ない
いつも長蛇の列ができているのに、レジはいまだ1台のみ……ということもあるかもしれません。こういった場合は以下のアクションを取りましょう。
最適なレジ台数を把握する
まずは最適なレジ台数を把握しましょう。ピーク時のスタッフ数も考慮に入れます。
たとえば自転車専門店のtokyobikeでは、店内のどこからでも支払いを受け付けられるようにしています。これを実現するために、レジもキャッシュレス決済端末も無線のものを導入しました。レジにはSquare POSレジアプリ、キャッシュレス決済の受付にはSquareのキャッシュレス決済端末を利用しています。
お客さまがわざわざレジに向かうことなく、近くの店員に声をかけるだけで、店舗のどこからでも支払いを済ませることができます。
現金のときだけレジを利用することになりますが、お客さまの大半がキャッシュレス決済を希望することもあり、レジが混雑する光景はほとんど見られないそうです。
低コストで導入できるレジを検討する
「レジは高いもの」という印象があるかもしれません。実際にPOSレジの導入にかかる費用の相場は1台あたりおおよそ15万円から30万円といわれており、導入後、月額利用料金がかかるものも少なくないです。
一方、最近では個人商店などでも導入しやすい価格帯のPOSレジアプリも多く登場しています。このように低コストの選択肢も検討すると、レジ増設のハードルもいっきに下がるでしょう。
【レジ混雑の原因と対策3】人手不足
人手不足もレジの混雑につながる大きな要因です。ただし人員をうまく配置することで、ある程度、混雑解消につなげられる可能性があります。
実際にスーパーマーケットの従業員を対象としたセーフィーの調査1によると、「人員の配置に改善の余地がある」と答えた対象者は72%もいたそうです。さらに「混雑している時間帯に従業員の数が足りないと感じる」と答えた人は81%、「空いている時間帯に従業員の稼働数が過剰だと感じたことがある」と回答した人は51%もいました。
このように人員が足りていないときこそ、人員の適切な配置が大切だといえます。以上を踏まえて、以下のことに取り組んでいくといいでしょう。
混み合う時間帯や曜日を把握する
出勤人数を店が混む時間帯には多めに、混まない時間帯には少なめに配置するうえで、まず把握しなければいけないのがピークの時間帯やその傾向です。このときに役に立つのが、分析機能を備えたPOSレジです。POSレジに蓄積されたデータを使って、曜日別、時間別の混み具合を知ることができます。
セルフレジの導入を検討する
人員配置の適正化をすでに実施している場合は、セルフレジの導入も視野に入れてみましょう。たとえば大手衣料店のユニクロでは、会計時間の半減を目的に、全世界の店舗でセルフレジの導入を進めています4。
ただしセルフレジの相場はおおよそ200万円から300万円とされており、小規模の店舗だとなかなか手が出せるものではありません。
こういった場合は、国の補助金・助成金などを頼りにしてみると2分の1、あるいは3分の1など、全額を負担せずとも導入することができます。公募を受け付けている補助金や助成金はその時々で変わるため、最新情報は「J-Net 21」や自治体のホームページなどから検索してみるといいでしょう。
【レジ混雑の原因と対策4】スタッフが作業に慣れていない
入ったばかりの従業員だとレジ打ちに慣れておらず、混雑時に手際よくレジ対応ができないこともあるかもしれません。対策方法としては、以下の二つが有効です。
使いやすいPOSレジを導入する
慣れてもらうには時間をかけて入念なトレーニングをしなければ……とひょっとしたら思うかもしれませんが、使いやすいPOSレジを導入することも業務効率化には効果的です。
新しいスタッフはオフピーク時に配置する
前項では混み合う時間帯を把握することを提案しましたが、同じ方法で混雑していない時間帯も把握しておきましょう。どうしてもレジ打ちが不安というスタッフは、最初のうちだけ、あまり混み合わない時間帯に配置するのも一つの手です。
Squareの導入でレジの混雑やトラブルを減らそう
レジの混雑を避けるためにできることとして、大きく以下の3点であることがわかりました。
(1)レジの増設を検討する
(2)POSレジを活用し、ピーク・オフピークの時間帯を把握する
(3)セルフレジを導入する
Squareは、このすべてに対応できるソリューションを提供しています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
(1)レジの増設を検討する
レジの増設にかかる費用を理解するためにも、全体として必要になるものをあらためて洗い出してみましょう。一般的にはPOSレジ、キャッシュレス決済端末、キャッシュドロワー、レシートプリンターといったところでしょう。
まず、SquareならPOSレジは無料で使うことができます。
利用するには「Square POSレジアプリ」をタブレットやスマートフォンなどにダウンロードし、無料アカウントを作成するだけです。自宅や店舗など、インターネット環境の整った場所ならどこからでも、たったの数分で導入できます。
ただ、タブレットは10万円程度かかることもあるため、場合によってはPOSレジが搭載されているキャッシュレス決済端末を導入したほうが全体としてコストをおさえられます。たとえばPOSレジを搭載した「Square ターミナル」は1台39,980円です。レシートプリンターも内蔵されているので、レシートプリンター(おおよそ2万円から5万円ほどが相場)を別途購入する必要がなくなります。タブレットがすでにある、あるいはスマートフォンからPOSレジアプリを操作する場合は、1台5,000円以内で手に入る「Square リーダー」もおすすめです。
※Squareの決済端末と各種スマートフォンやタブレット端末の互換性はこちらからご確認いただけます。
レジの増設にかかるコストを見比べてみましょう。Square ターミナルを導入した場合と、一般的な相場を比較しています。
Square ※Square ターミナルを導入した場合 |
一般的な相場 ※パソコン型POSレジを導入した場合 |
|
POSレジ | ¥0 | ¥150,000 |
決済端末 | ¥39,980 | ¥20,000 |
キャッシュドロワー | ¥10,000 | ¥10,000 |
レシートプリンター | ¥0 | ¥30,000 |
導入コストの総額 | ¥49,980/1台 | ¥210,000/1台 |
→ Squareだと15万円ほどおトク!
(2)ピーク・オフピークの時間帯を把握する
Square POSレジアプリを利用すると、アプリもしくはブラウザから以下のように、時間帯や曜日別の売り上げをグラフで見ることができます。グラフは、決済データをもとに自動的に生成されるので、自ら計算したりデータを抽出したりする手間がかかりません。
(3)セルフレジを導入する
セルフレジの相場はおおよそ200万円から300万円だといわれていますが、Squareなら低コストで導入できます。
注文とキャッシュレス決済の両方に対応したSquare キオスクの導入に必要なのは、下記の3点です。
- Square キオスク端末(29,980円/台)
- Square キオスクアプリ(月々5,000円/台)
- iPad
iPadを含めても、相場より大幅に安くセルフレジを導入できることが分かります。
購入商品の選択から決済までのプロセスをお客さまに委ねることで、その間に従業員は商品の袋詰めなどの作業ができます。もちろん、Square POSレジアプリと同様、Square キオスクの決済データは自動的に蓄積され、管理画面からいつでも最新の情報を把握できます。
Squareのはじめかた
Squareのはじめかたは、簡単。Squareのアカウントを作成するだけで使いはじめることができます。アカウントの作成は、オンラインから数分で完了します。申込内容をもとに審査が行われ、無事通過するとキャッシュレス決済も受け付けられるようになります。決済端末はオンラインショップから注文できるほか、家電量販店からでも手に入れられます。
この記事ではレジの混雑解消に向けて今日からでもできることを紹介してきました。コストをかけずに取り組めることが意外にもたくさんあることがわかったかもしれません。まずはSquareをはじめ、低コストでレジの混雑解消に働きかけられるツールを活用してみてはいかがでしょうか。
Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。
執筆は2024年2月1日時点の情報を参照しています。2024年10月18日に一部情報を更新しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash